あの街この町
 2009年2月号 No.188


三番瀬から望む初日の

2009年元旦


■汚職・横領など不正続く船橋市政

  ― 宅地課長逮捕で衝撃の12月議会

 議会開会直前に、宅地課長が収賄容疑で逮捕されるという衝撃の事件が起きました。昨年中は他に、消防職員が飲酒運転で免職、児童家庭課職員の2千万円近くもの横領事件と、職員の不祥事が相次ぎ、市政への信頼が大きく崩されることになりました。市は、綱紀粛正や対策を口にしますが、議会の答弁では、事件に対する認識が市民感覚と大きくずれていることが浮き彫りになりました。
二〇〇九年度予算、暮らしを守る予算に

 日本共産党市議団が、毎年市民のみなさんにお願いしている市政アンケートの結果は別表の通りです。「暮らしがきびしくなった」という回答が92%と、昨年を大きく上まわり、「食料品の値上がり」、「増税」、「社会保険料の天引きによる手取りの減少」が理由に挙げられています。
  12月議会で、市民の切実な声に応え、「来年度予算で、国保料の引き下げなど、市民の暮らしを守る対策をすべき」とただしました。市は、「市民要望の強い課題が優先されることは当然だが、国保料については、引き下げる状況にはない」と答えました。

合併・政令市への移行を
ずさんなデータで誘導するな

 11月の4市合併政令市研究最終報告案では、合併して政令市になれば、35億円余裕ができるとしています。しかし、県から引き継ぐ国県道の建設負担金、維持費及び借入金の元利返済額は、07年度で36億円にもなり、大幅な負担増となりますが、この点については隠しています。また、他の政令市並に議員報酬と政務調査費が大幅に引き上げられることになれば、6億円の支出増ですが、それも考慮されていません。

  政令市をバラ色に描き、市民をだまして、誘導するやり方を改めるよう求めました。
  市は、「4市の組み合わせは、仮のもの。実際になれば、別なシミュレーションになる」など全く無責任な答えをしています。市の近未来のあり方に市長からの答弁がなかったことは、余りにも無責任と指摘しておきます。

収賄事件と市長の政治姿勢

  前宅地課長の収賄事件は、2月に裁判が開廷され、司法の場で船橋市の開発行政のあり方が明らかにされることになります。低層住宅地へのマンション建設など、「まちづくり」が住民無視ですすめられてきていた中での事件であり、「市民の信頼を取り戻すために船橋市自らすすんで真相解明を行うべきである」と、求めました。市は、「証拠書類が警察に押収されており、これ以上の解明はできない」と答えましたが、「宅地課以外の関係書類」は存在することが後になってわかり、市の消極的な姿勢が明らかになりました。
  また、贈賄したとされる(株)家・スタイルの行う開発は、法で禁じられている農地転用による土地売買と、その開発が中心となっていることも質しました。(株)家・スタイルだけでなく、昨年10月の時点で78件もの違法開発があり、行政がどこまで関与していたかも問われます。
  市長は職員不祥事の責任をとり、3か月間自らの給与を減額するとしましたが、業者とのかかわりの深い許可業務を行う宅地課に15年も在籍した前宅地課長を「良くやってくれていた」などと評価する答弁をしています。このような姿勢をあらため、真に市民の信頼回復に努めることが求められます。


■ 市保健所-食品衛生事業が弱体化

  食品の安全が問題になっていますが、食品衛生監視業務を担っている船橋保健所の食品営業施設の監視件数や、給食施設の巡回が表のように激減しています。
  県保健所は、一般飲食店には毎年監視指導に入っていますが、船橋保健所は、3年に1回、給食施設の巡回では県保健所が年2回のところ、船橋保健所は2年に1回です。
  船橋保健所は、2003年、中核市への移行に伴い、県から市に移管されました。その後、船橋保健所として、新しく動物愛護指導センターを開設しましたが職員を補充していないことから、食品衛生事業が弱体化させられています。
  職員の増員と食品衛生監視の強化を強く求めました。市長は「食品衛生監視の回数を増やすことについて考えたい」と述べました。

■ 習志野自衛隊に21トンの火薬庫

  習志野自衛隊演習場内に2009〜2010年度で、21トンの火薬庫が新設されることがわかりました。現在は貯蔵量1トンの火薬庫しかなく、アメリカの世界戦略に組み込まれた自衛隊中央即応集団に位置づけられている第一空挺団などの訓練強化には今の火薬庫では不足だと、4億円をかけて、21倍もの容量の火薬庫を新設するものです。
  船橋市は火薬庫新設にあたり、防衛大臣に安全対策を要望しましたが、あくまでも「国防」は国の専管事項という立場で、安全も国まかせです。

■ 消費税増税やめよ

 日本共産党船橋議員団は昨年11月、初めて商工会議所や商店会連合会長と懇談をもちました。そこでの要望をふまえ、12月議会でいくつかの質問をしました。
市内小売業消費税1%増で50億円の影響
 市内の小売業販売額は約5000億円程度、消費税が1%増えると50億円もの影響になり、消費の低迷や営業が心配されます。「国に消費税増税をやめるよう申し入れよ」と質しましたが、市は、「消費税増税の影響はある」と述べただけでした。
商店街の街灯、補助金増額を!
 船橋市は商店街の街路灯を維持するために一部補助を出していますが、昨今の空き店舗の増加に加え、消費低迷のため、維持管理が困難になっています。補助の増額など、緊急対策を市に求めました。「街路灯については検討をする」との答弁がありました。
  今後も日本共産党は、地域経済を守るため船橋市に働きかけていきます。

■ 生活保護世帯の賃貸契約更新、必要な額を認めよ

 船橋市では、生活保護を受けている方に対する借家の更新料を、一人住まいで4万6千円(基準額)の範囲内でしか認めていないため、多くの方たちが更新料や保険料に不足をきたしています。
  このような場合、東京都では基準額の1.3倍を特別基準額とし、更新料に当てています。
  船橋市でも、被保護者の負担を軽減するよう求めました。
  市は、「国・県と協議して対応する」と答弁しました。

■ 基金の全額取り崩しで、介護保険料の値上げを押さえよう

 4月からの介護保険料の見込みがだされました。現在の基準額(課税世帯・本人非課税)3700円を4365円にするとしています。
  介護保険基金には現在、15億3700万円の積立てがあります。保険料算定にあたって、積立金を全額取り崩して値上げを押さえることを市に求めました。市は、「制度安定のための資金を確保し、残りを取り崩す」と答えました。
  全額取り崩した場合、基準額で約400円の引き下げが可能です。前2回の見直しでは多額の基金を残しています。今期こそ全額取り崩し、これ以上の値上げを押さえさせようではありませんか。

■ その他の日本共産党議員の質問

▽生活保護、障害福祉の手続きを各出張所で
▽東葉高速鉄道(株)への財政負担は国の支援を要請せよ
▽海老川上流域開発は見直しを
▽三山・田喜野井地域など、図書館空白地域に分館を
▽校庭の夜間開放で、照明設置・通年使用を
▽飯山満土地区画整理事業について
▽後期高齢者医療制度、保険証をとりあげるな
▽特別支援教育の充実について
▽公民館の備品の充実を
■市長から、市場の取引手数料を自由化する条例の提案があり、多数で可決しました。
  日本共産党は、「市場間競争を招き、市場の公共性をなくすことになる」と反対しました。

■ ふなだまり

 インターネット中継を意識?
  質問しながら、インターネット中継を意識しているのか「議事録か動画で見て下さい」と市政会の中村実議員。特定の議員の名前を出してイメージダウンをねらった質問ばかり。

自衛隊に安全を求めるのは無礼・非礼!
  自衛隊習志野基地にある火薬庫を21トンに大増強するという連絡が市に来ていた。そこで県知事と船橋などの3市長の連名で「要望書」を提出したことについて長谷川大議員が、自民党県連の幹部だった(?)浜田靖一防衛大臣に要望書を出すのは「無礼」「非礼」「撤回を」と質問。
  何を質問するのかは議員の権利ですが、「身内の大臣だからけしからん」とは「論理なし」の感情むきだしではないでしょうか?

(10階の議場からは、船橋漁 港の船だまりが良く見えます)