あの街この町 2004年5月号 NO.170
薬園台駅

  すっかりきれいになった「薬園台駅」。それにしても地名の「薬円台」と駅名の「薬園台」どんな関係?
●3月議会 市民の「くらしきり捨て」が始まった!
 福祉予算削減の影に「財政健全化プラン」 日本共産党は「組替案」を提出!

 3月議会を通じて明らかになったことを、いくつか報告いたします。

児童養育手当てを廃止、「遺児のみ」にして2億8千万円をカット

 この議会で注目を集めたのが、児童養育手当てを「廃止」したことです。
 離婚や未婚の母子への支給は廃止して、遺児を養育する母子のみに手当てを支給することで、歳出を大幅に切り詰めてしまいました。
 議会の答弁で「支給型から自立支援型への切り替え」「離婚しても親の養育費負担義務が明確になったから」などと答えましたが、自立支援の一つとして行った「パソコン教室」を修了した方で「身分がきちんとした社員として採用された」方が実際には1名もいなかった、と言われています。「自立支援」というのは「ただの言い訳」にすぎません。
 船橋市は、この制度改悪を含め、3年連続で年間12億円近く(表参照)の福祉・暮らし切り捨てを行いました。

●この3年間で市が実施してきた福祉・暮らし切り捨て
2002年度
 敬老祝い金 1億4000万円
 敬老会行事費 6400万円
 ガン検診の有料化 7000万円
 インフルエンザ予防接種の有料化 1600万円
 粗大ゴミ収集の有料化 1億1000万円
2003年度
 68・69歳医療費助成の大幅カット 4億2000万円
 高齢者福祉サービスをカット
  (鍼灸マッサージ、給食サービスなど)
1600万円
2004年度
 母子等家庭児童養育手当を死別世帯のみに 2億8000万円
 介護保険の利用料助成に制限を設ける 5000万円
3年間合計 11億6600万円

ムダづかいには「開き直り」

 「財政がたいへんだ」と、福祉関係の予算を切りながら「ムダづかい」は放置しています。
 いまどうしても必要か?と外部監査からも指摘されている、アンデルセン公園の用地拡張のために4億円。飯山満の区画整理区域内の土地、それも「産廃つきで、その処理費に3億円もかかる」という土地を1億円で買う。さらに老川の上流部を開発するため「地域づくり促進費」507万円。など、将来にわたっても「ムダづかいの素」ともいえるお金を予算化しています。
 そして特徴的なのは、「当初8年の計画を4年で買い戻す契約にした」「この土地を買わなければ、区画整理がスムーズに行かなくなる」などと、何の根拠も示さず「開き直る」ことです。

市財政悪化の最大の原因は、むだ遣いと税収の落ち込みです

 税収の落ち込みは、長引く不況によるもので、政府の失敗によるもの。さらに連立政権は、それに追い打ちをかけるように、国の補助金の削減、地方交付税の見直し(=削減)、税源移譲を「三位一体改革」だ、「地方分権」だ、などと言って、地方自治切り捨てを進めようとしています。
 これでは、国の「むだ遣い財源」の確保のために、もっとも「住民のくらしに近い」ところで仕事をしている自治体をないがしろにするもので、「逆さまな政治」です。


みなさんの願いが予算に反映された!
〜日本共産党が届けました〜


国保料の据え置き
 「高くて払えない」と、悲鳴が上がっていた「国民健康保険料」が、引き上げだけはさせないことになりました。一般会計からの「繰出し金」を昨年度より12億円増やすことで、据え置きになったものです。
 健康保険制度は、「税金を使う社会保障」としてスタートしたのですが、次々に「相互扶助」にすり替えられ、「負担限度を超える」料金にされてきました。今回「据え置き」にしたことは、市民の声が受け入れられたと言えます。

校舎改修予算の増額
 また、「危険・汚い」といわれていた学校の「改修予算」が増額されたことは評価したいと思います。昨年度と比較して2億円増の14億円近くになり、一昨年度の2倍で、これで少しは「危険・汚い」という声が減るのでは・・・。

放課後ルーム増設
 もう一つは、定員オーバーの状態だった「放課後ルーム」を「増設する」ことで改善されることになりました。定員を超える応募者が見込まれる6ルームで「増設」して受け入れることになりました。


参院選挙で党躍進を!
党県女性児童部長(千葉選挙区)
浅野ふみ子
参議院議員(比例代表)
小池 晃
 1970年、埼玉県生まれ、33歳。君津4市初の女性土木技師、県内の青年運動のリーダーとして活躍。  1960年6月9日、東京生まれ、43歳。医師。現在、日本共産党政策委員長、参議院議員1期(厚生労働委員)。

自衛隊は、イラクから撤退するしかありません
 イラクで5名が人質になった事件。その中で、アメリカの言うままに「自衛隊」を派兵した日本の政府が、「人道復興支援」と、「まくらことば」のように繰り返していました。
 しかし、4月16日放映されたNHKインタビューに「イラク・イスラム聖職者協会」のクメイシ師は「自衛隊ではない、一般の人々による支援がイラクにとって一番なのです。こうした良い援助による印象が、自衛隊の派遣によって傷ついてしまうことは、残念なことです」と答えました。
 日本政府は、イラクから撤退する以外に「イラク国民と、心を通わせる道」はありません。

”年金”本当の改革は?
 国民の将来を左右する「年金制度の改悪」が強行されました。日本共産党は、税金のムダづかいをやめて「最低月額5万円の最低保障年金」を設けることを提案しました。
 これにたいして、自民・公明は「保険料を引き上げて、給付を減らす」のが改革だと言いました。これで制度は安心かもしれませんが、「年金で生活する人」には、どうしろというのでしょうか。
 雇用形態を破壊し、国民の生活を破壊して、「年金に加入できない」ような事態をつくったのは歴代の政府です。
 こんな政府は「一時も早く」変えなければ、国民は安心できません。


●今議会で日本共産党が取り上げたこと

日本共産党が予算組替案を提案
 市民の暮らしがますます深刻になっている中で、船橋市の予算では、ムダや浪費をなくし、市民の暮らしを下支えすることが必要であり、次のような組替案(総額約80億円)を提案しました。
市民の暮らしを守る支出に増額するもの
 3年間で実施した福祉切り捨てを元に戻す 12億円
 国民健康保険料の減免制度を充実 4億7300万円
 乳幼児医療費助成を6歳までに拡大 4億8500万円
 生活道路の整備を急ぐ 6億円
 市独自で緊急融資制度を創設する 6億円
節約し、新たな収入をめざすもの
 中山競馬場の売上げに1%課税 3億円
 有料道路課税 4億円
 自衛隊習志野基地に原野として課税 2億4000万円
 市庁舎借地料を5000万に値下げ 7300万円
 市長や議員の報酬を10%カット 6100万円
 清掃費委託料の入札改善(10%削減) 3億8700万円
 飯山満土地区画整理事業は凍結する 2億200万円


保育園の民間委託化に反対
 財政健全化プランでは、公立保育園を民間に委託することが検討されています。保育園にかかわる費用を削減することが目的とされていますが、保育園の運営経費の主体は保育士の人件費です。削減をすれば、現在の保育水準の低下はさけられません。
 もし、一斉に、すべての保育士が入れ替わるなどになれば、環境の激変によるストレスを与え、子どもの人権を侵害することにもなりかねません。子どもたちへの影響も深刻です。
 しかし、船橋市は、多様化する市民要望に対応し、しかも、財政負担も考慮するためには、民間の活用は必要であるなどとして、保育事業から手を引き、公的責任を放棄するかまえをくずしていません。

公的責任を放棄する指定管理者制度
 地方自治法の改定により、新たに導入された「指定管理者制度」は、公の施設の管理そのものを民間に行わせることができるという制度です。これは、政府が財界の求めに応じ、行政の仕事を市場開放してビジネスチャンスに転嫁するものです。これによって、施設で行われていた事業から自治体の公的責任は放棄され、税金によって建てられた施設で、企業活動が行われることになります。
 今議会では、「老人福祉センター」と知的障害者授産施設「光風みどり園」に制度が導入されますが、今後は市内のあらゆる施設で検討されることになります。市民の権利を保障する「公の施設」を堅持するための取り組みが求められています。

学校給食に地場産の食材を
 学校給食に船橋産の生産物を取り入れ、食の教育に活かすよう、議会で提案をしています。
 いま、市内の小・中学校・養護学校では、市内で生産された「こまつ菜」と「ほうれん草」が、わずかに利用されているだけです。今議会では、年間を通じての利用状況の調査と、学校給食に使われる予算が、地域経済へ与える影響などを明らかにするよう、提案をしました。
 市の教育委員会では、今年度から実施される食育推進事業計画に、地場産品の活用を盛り込み、活用状況を調査することになりました。

”特殊教育”枠は広がったが・・・
 船橋市は「特別支援教育推進事業」のモデル自治体に指定されています。
 この、特別支援教育は、これまで特殊教育の対象になっていない、学習障害児・注意欠陥多動性障害児・高機能自閉症児まで対象を拡大し、必要な支援を行うというもので、対象を拡大するということでは、評価できるといえます。
 しかし、対象は拡大しても、特殊学級の位置づけがあいまい、介助員の増員はしないなど、障害児教育が後退するおそれがあります。 
 モデル事業の実施自治体として、必要な条件整備を国や県に求めること、障害児が在籍する学級には速やかに職員を配置することを求めましたが、市の教育委員会は、介助員の配置は考えていないと答えました。
 今後は、県に働きかけをしていくことを明らかにしましたが、すでに現場では、子どもたちの安全確保も困難だという声も聞かれ、早急な改善が必要となっています。


よくも これだけ いろいろと
 このところ、日本共産党の議員団に「告発」が相次いでいます。
 「管理職が、勤務中にパソコンゲームばかりしていて、仕事をしない。ある場所から見るとすぐわかる。」怒りの気持ちが読みとれる「投書」でした。調べてみると、投書の通りで、議会で取り上げました。
 市長も調査をし、その職員は「処分」されましたが、この3月末で定年退職になりました。
 二つ目は、議員がかかわっている話です。
 市内の緑台にある二つの公園の清掃事業を、門田正則議員が「代表」の二つの団体が「請負契約」をしていました。
 ところが、この二つの団体は、この仕事を地域の「サークル」に行わせ、市から受け取ったお金の一部を、他の団体に「寄付」していました。
 「請負」なら、議員の身分に直接関わる重大な問題ですし、「金額がせいぜい数十万円で、形は請負だが、性格は補助金だから、議員の身分とまでは言わないでも・・・」という意見もありますが、補助金を目的外の事業に使ってしまうことは、「やっぱり違法」。不正なのです。
 三つ目は、「産業廃棄物つき」の土地を市が買った話。
 東葉線の飯山満駅の南側の周辺で「区画整理事業」が進んでいます。本来、区画整理事業は土地の区画を整理して、『便利になって土地の値段が上がるから、その分を少し「土地」で出してください』という「減歩」というやり方で生み出す手法です。
 ところが、3月議会に「この区域内の土地を、1億円で買う」という予算が提示されました。
 おまけに、この土地の地下には、「処分するのに3億円必要」だといわれる「産業廃棄物」がうまっているというではありませんか。後から出す「産廃の処分費用」の3億円は「聞かれれば、言う」という姿勢で、予算には1円も計上されていません。


<2004年3月議会>予算や意見書に対する各会派の態度は
  結果 日本共産党 市民社会ネット 民主・市民クラブ 公明党 新風 緑清会 維新の会 市清会
2004年度一般会計予算 × ×
母子等家庭児童養育手当の削減 × ×
船橋駅南口駐輪場料金の値上げ案を現行のままに修正する提案 × × × × × ×
三番瀬のラムサール登録湿地指定促進に関する決議
門田議員の不正を調査する調査委員会設置提案 × × × × × ×
イラクへの自衛隊派兵中止・即時撤退を求める意見書 × × × × × ×
公的年金給付額の据え置き等の意見書提出に関する陳情 × × × × × ×
独立行政法人都市再生機構法に対する国会附帯決議実現の意見書提出に関する陳情 × × × ×