あの街この町 2006年8月号 NO.179

2006年6月議会

武蔵野線
  船橋法典駅


 駅前に自転車駐輪場が広がる、不思議な光景が目に付く駅です。
 また、駅から中山競馬場まで「動く歩道付きの地下通路」があることでも有名かな?
 半分近くの利用者は、市川市民。




住民税一挙に8倍にも!
     
まだまだ増える市民負担、「当然」と主張した公明党

 6月市議会が終わりました。ちょうど今年の市県民税の通知書が送付される時期とも重なりました。納税通知書を受けとった市民からは「市民税が8倍にもなるのは間違いではないか」という問い合わせが一日に800人にも上りました。
 こうした増税は、2年前の「税制改正」を受けて市議会でも自民党保守派、公明党、民主市民クラブが賛成して条例で決められたものです。さらに今議会では、今年の市税条例「改正」が可決され、定率減税の廃止も決められてしまいました。

 
税金問い合わせ殺到、来年も同じことが・・・
  こんな政治、変えるには日本共産党への一票!


 市県民税、国民健康保険料及び介護保険料の通知書が送られています。 夏見に住むSさんは「国保料、一回の支払金額が5千円も増えたのは間違いではないか」と市に問い合わせたが「間違いではない」とのことでした。納得できないと議員団に疑問が寄せられました。
 市役所の市民税課には問い合わせが殺到し、ピークの6月14日には、1日で500件の電話が、直接窓口にも300人来所するなど電話もつながらない状況だったと言っています。「間違っているのではないか」との問い合わせが最も多く、最大の上昇幅は、4,000円から32,100円になった方です。


● 決まったのは、2年前の国会
    決めたのは、自民党・公明党


 この「高齢者ねらいうち」の税制改悪が決まったのは、2年前の国会でした。
 年金所得控除20万円の縮小、老年者控除50万円の廃止などによるものです。

● 市議会で負担増決めたのは誰?

 日本共産党は、この「税制改正」が国民健康保険料や介護保険料にも影響して、年金が年額250万円の夫婦2人ぐらしの方が、所得税、市県民税、国保料、介護保険料あわせると昨年に比べ12万円も負担が増えることを明らかにして反対してきました。
 今年の6月からは市県民税の定率減税が半分にされるため、影響を受ける方が24万人で15億円となっています(所得税はすでに半額廃止)。踏んだり蹴ったりの庶民いじめ増税の連続です。
 さらに、国保料、介護保険料は、来年再来年と3分の1ずつ増やしてゆくことになっていますので、来年以後も値上げが続きます。影響を受ける方は、別表の通りです。
 こうした大増税を市議会で推進したのも、自民・保守会派、それに公明党でした。

● 「老年者控除廃止は当然」
と賛成討論の公明党
 
 この高齢者への大増税について、各派の態度をお知らせします(2004年6月市議会総務委員会)。民主市民クラブ「国の税制改正を受けての条例改正なので、仕方がない。」公明党「税負担の公平から考えて、いたずらに年齢で老年者控除だけを突出してやるのはどうかということを考えれば、当然の改正かなと思う。」他の会派は、意見もなく賛成しました。

2004年税制改悪による影響人数と額
人  数 総  額
市民税 20,000人 4億5千万円
国民健康保険料 29,000人 7億円
介護保険料 18,580人 1億8千万円

「大きいこと」は良いことか
   −−大型合併で「政令市」をめざす?

 船橋市長は「政令市」という言葉を使うようになりました。
 政令市は、県とほとんど同等の権限を与えられる都市のことで、千葉県内では「千葉市」が政令市です。
 
● 判断基準は、市民のくらしが「良くなるのか、悪くなるのか」のはずですが…

 船橋市はいま、「中核市」ですが、中核市を選択するときにも「財政的には市民に負担を押しつけることになる」から市民の声を聞け、と主張をしたのが日本共産党でした。
 「中核市」になって、千葉県の事務を一部引き受けていますが、そのために使っている事務費は「年間40億円弱」です。
 その40億円は、みなさんの税金で賄われているのです。

● 政令市は、もっと大きな財政負担が待っている

 今年の5月、清水市と合併して政令市になった「静岡市」を訪ねました。
 政令市に移行するにあたって、財源確保のために年間90億円近くの市債(借金)を予算に組んでいることがわかりました。担当者も、このまま続けば市債残高は「とほうもない額」になるでしょう、という説明でした。
 いまの「国と地方の関係」を考えると、当然の話です。
  
● それでも市長は、「研究することは必要」だと…

 議会で市長は「一つの選択肢として、合併して、政令市に移行することも研究していかなければならない」と答えました。
 合併では市川市、習志野市などの名前があがっていますが、「浦安市」という名前は全く出てきません。それは、浦安市が「財政が豊かな市」で、合併などという「愚かな選択」をするはずがない、ことを知っているからです。
 「大きいことが、良いこと」なら、浦安市だって参加するはずですが、この一つを見ても「合併そして政令市」が「最善の策」でないことがよくわかります。

「交通政策」ありません!
   イケアの開店で市内の南部は交通マヒ!

 
船橋市内では、これまでも交通渋滞は日常で、交通情報でも「若松交差点」「日の出交差点」が名所になっています。
 この度、市内浜町の人工スキー場跡地に大型家具店「イケア」が進出してきましたが、このお店に来るお客の車が殺到し、国道14号線、357号線とそれにつながる南北方向の道路は渋滞で「交通マヒ状態の日」が出現するようになりました。
 このようなことは、この大型店の進出計画が出されたときから「予測されたこと」で、地元では、そのための「交通体系をどうする」のか、とか「道路計画の変更」などを提言していたものです。
 ところが船橋市は、道路管理者は船橋市だが「交通管理者は警察」なので、「何ともならない」ような態度をとり続けてきました。
 「交通政策が無い」から、大型店の進出や大型開発などの「人の移動に大きな変動が予測される」場合にも、人を「どう移動させるのか」「どのような交通手段を組み合わせるのが合理的なのか」「それをどのように誘導するのか」など、基本的なことがまったく検討されないため「なるようになるさ」みたいな、無責任な話になってしまうのです。
 ここにも現れていますが、船橋市は市民の生活に密着した重要な課題で「政策がない」から「綿密な計画もない」まま、仕事を進めてきたのが特徴です。
 例えば、商業地域にマンション、工業地域にもマンション、工業団地を造成しても「そこにもいつの間にかマンション」で、無秩序なまちになっているのも「根は同じ」なのです。

市営住宅
   「親から子への承継を認めない」と通知

    
−国がいえば、検討もせず「はい、そうします」−

 昨年末、国土交通省は地方自治体に対し、次の指針を出しました。
@入居収入基準をこえた居住者に対する割り増し家賃の引き上げ
A単身入居の年齢を50歳から60歳に引き上げ
B名義人が死亡したときなどの使用承継を原則として配偶者以外認めない
C入居選考での資産調査の強化と同意書の強要
D少人数世帯になった場合の家賃値上げ
 このうちBCDの指針については、「自治体の裁量」に委ねられているもので@Aの強制適用の法律とはちがうものです。
 ところが船橋市は、今年3月、市営住宅の入居者に対して「入居承継について承認できる同居者の範囲が変更されることになり、親から子への承継も認められません」との通知を出しました。
 千葉県や周辺市は承継について「今後、対象の範囲などを検討していく」としているのに、船橋市は国の通知そのままを市民に押しつける通知を出したことになります。
 中核市になって事務取り扱いについて国と直接やりとりができるようになったためか、国のいうことを検証もせず、そのまま実施する傾向が出ています。
 船橋市は、問題の多い運用指針の受け入れをやめ、不足している公営住宅をもっと増やし、居住者の安定を図ることに力をいれるべきです。


“サラ金ビル”?
発行株の「半分を市が持っている」会社のビルと思えますか?
 サラ金の派手な看板ばかりが目立つ「セントラルビル」“市が半分出資”している会社のビルが、こんな状態で良いのでしょうか?
 市長は「会社で決めていること」だから、と「他人事」のような態度ですが、これら消費者金融が「違法な金利」「違法な取り立て」など、で「社会問題」を引き起こしていることを知らないのでしょうか!

■ 幼稚園への保護者負担
   これ以上の値上げをなんとかして!

 
市内幼稚園の平均保育料は、97年度〜05年度で、17,000円から19,916円へと毎年上昇しています。
 また、04年度から05年度では、市内43園のうち24園で保育料を含めた納付金が値上げされ、前年の金額より4400円もあがった園もあります。 今議会で「保護者負担の軽減をはかるため、就園補助金を増額すること、公立の幼稚園を設置して、経済状況にかかわらず入園を可能とし、各園で異なる保護者負担や教育環境に対して、基準を設けるべき」と質しました。
 市は、負担の抑制について検討することを約束しました。
 また、公立幼稚園の設置は検討しないが、「地域的に入園しづらい状況があるので、県や私立幼稚園連合会に定員について要望する」と答えました。
 船橋市は幼稚園の保護者負担について、「どこの園でどんな負担」をしているのか、実態調査を行っていません。
 今後、船橋市に「保護者の負担や入園ができない実態」を調査させ、保護者負担の軽減にむけて、取り組みます。

■ 障害者への「独自支援」を10月から実施

 6月定例市議会「健康福祉委員会」において船橋市は障害者サービスに関する利用者負担の軽減について「3年間の激変緩和措置を実施する」ことを明らかにしました。
@相談、A日常生活用具の給付、B移動、C訪問入浴などの「地域生活支援事業」と。それにD車いす、E義手・義足などの補装具給付を市独自で軽減する内容です。
 この軽減で、市民税非課税、市民税均等割課税のみの世帯については自己負担額がゼロに、また、課税対象者の場合でも社会福祉法人が提供するサービスの利用料と合わせて、月37,300円以上の自己負担はしないで済むようになります。
 今年度、この軽減措置が受けられる対象者は述べ3,300名です。


■ 医療・福祉の充実などについては、
   「ほとんど反対」が、船橋市議会の自民・保守、公明党


 6月議会にも様々な議案、請願や陳情が出されていました。結果は「低所得者の増税」を決める議案(第2号)に反対したのは日本共産党と市民社会ネット。
 「医療や福祉の充実」を「国に求めて欲しい」、という声に「ダメ」と言うのは、自民・保守それに公明党。「撤退」するしか無くなった、イラクからの自衛隊「早期撤退」にも、「撤退するな」というのは「どういうつもり」なんでしょうね。わかります?

<2006年6月議会> 
条例案・意見書・陳情に対する各会派の態度は
 
日本共産党 自由民主党 新   風 緑 清 会 市 清 会 公 明 党 民主・市民クラブ 市民社会ネット 結 果
船橋市市税条例の一部を改正する条例 × × 可決
看護師等の大幅増員等の意見書提出に関する陳情 × × × × × 不採択
障害者自立支援法施行に伴う利用者負担増の軽減に関する陳情 × × × × × 不採択
イラクからの自衛隊撤退に関する陳情 × × × × × 不採択