日本共産党船橋市議団ニュース
2002年10月NO.165


9月議会

 
国保料や介護保険料の引き下げ
 歩道整備の市民要望実現にむけ奮

 私たち議員団がお願いしましたアンケートに850を超える回答をいただきました。その結果は裏面に掲載したとおりです。国保料や介護保険料に関すること、また歩道の整備などの毎日のくらしに関する要望が多かったことが特徴です。
 9月議会では、このアンケートで出された、国保料の引き下げ、介護保険の剰余金で保険料の引き下げを、歩道の整備に市民参加で基準を作って整備しては…、などの提案を含めて論戦を展開しました。  また、マンション建設で業者と周辺居住者との調整を図るための「まちづくり条例」や、住民基本台帳ネットワークから個人情報を護るために「離脱を含めた」個人情報保護条例を提案しました。
 市長は、千葉県が進めようとしている古和釜高校の廃校問題については「事前に自治体の意見を聞いてほしい、と県に伝えた」と答えましたが、他の多くの問題についてはこれまでのやり方を変えようとはしませんでした。
福祉・くらし最優
先のお金の使い方にかえるには「市民との共同の取り組み」が重要になっています。
 
  ☆
実効ある条例が必要 マンショントラブル未然に防ぐ  
 船橋市では、マンション建設などで、周辺居住者とのトラブルを回避するためとして「船橋市環境共生まちづくり条例」を制定しています。しかしこの条例は業者の同意がなければ、あっせんも調停も進められません。  そのために周辺居住者からは「役に立たない」という批判が出ています。
 今議会で「実効がある」と評価されている神奈川県真鶴町の条例を参考に条例案を提出しました。
 この条例案では、
議会が関与できる、市が業者に協力をしないことができる、3.建物に「美の基準」を設ける、など周辺居住者の意見を市が支援できるものとなっています。
 しかし議会では、残念ながら多数で否決されました。
 日本共産党は、市民参加のまちづくりをすすめるために、ひきつづき奮闘していきます。
 
 ☆住基ネットの接続中止を求める
 8月5日に稼働した住基ネットは、住民情報を国が一元管理するシステムです。この間、情報漏洩や不正利用の危険が指摘され、福島県矢祭町、杉並区、横浜市が接続せず、9月になって中野区が接続を中止しています。  市民のプライバシー・人権を守るために住基ネットの接続中止を求めました。市は「中止は違法だ」としてあくまで接続を維持する姿勢です。
 議会の権限を活かし、日本共産党と小さな声ネットが共同で住基ネットの接続中止が行える条例を提案しました。市民連合の賛成は得ましたが、公明党と保守会派が反対し、討論もせず否決されました。市民のプライバシーや人権の軽視は市長・与党共通の思考です。
  ☆耐震診断の予算化を
 現在「耐震診断」が行われていない公共施設は、市内に244棟あります。そのうち、学校校舎と学校体育館で191棟です。これらの耐震診断費用は、コンクリートを見る一次診断で1億1千万円、鉄筋を見る二次診断まで行うと2億1千万円になります。
 耐震診断が進まないと、耐震計画を策定することができず、いつになっても改修工事に入れません。
 とくに学校校舎や体育館は災害の際、一番の避難場所となる所であり、早急に耐震診断を完了させ、改修を進めなくてはなりません。
 市長は「きわめてきびしい財政状況であり、すぐできるかどうか予算組みの中で総合的に判断したい」と答えました。いつ何時、大きな地震が発生するかも知れません。市民の命に関わるような予算は最優先すべきです。
  ☆入札の改善競争原理が生かされるように  
 下水道関連の工事請負契約3件、合計で26億9535万円の締結についての議案が提出されました。この入札は、各々7社ほどで行われ、市の予定価格の96%前後の高い落札率となっています。これでは競争原理が全く生かされていません。
 市は入札にあたり、同規模工事の実績があることを条件にしているので、高額工事入札の場合、参加業者が少なくなると言っています。しかし、実績を条件にするやり方を改善すれば、他市のように多くの企業が参入してくるようになるはずです。改善を求めていきます。
 子どもの虐待を繰り返さないため 
 上山町で起きた幼児虐待死亡事件で、「なぜ虐待を発見できなかったのか」が、問われました。
 質問では、いち早く虐待を発見するため、庁内で担当課間の連携を強化することと、乳幼児健診の100%受診をすすめることを求めました。市は、虐待の疑いがある場合も含めて、児童家庭課において情報収集を行い、市の職員と地元住民とで定期的な協議をもつこと、乳幼児健診の未受診者には、訪問・面接活動を行うことを明らかにしました。


負担軽減に
市民要望が集中
日本共産党の市政アンケート結果  

市政アンケートからは、市民のみなさんの生活が深刻になっていることも伝わってきました。その深刻な生活状態を反映して、市民要望が集中したのは、公共料金の値下げでした。(表やグラフは集計が済んだ816名分のものです)

☆財政の重点を
  大型開発事業から
   福祉、教育、環境に

 市議団のアンケートでも、大型開発を進めることについての項目に対して、賛成14.1%、福祉や教育を優先すべきが68.6%となっています。
  船橋市の南口再開発事業が、敬老祝い金や敬老行事補助金の削減、粗大ゴミやガン検診の有料化となって福祉の後退や市民生活を圧迫しています。
さらに市は、今後新たに「海老川上流域特定区画整理事業」などの大型開発事業を推進しようとしています。本体事業費はいくらかかるのか市の負担はいくらなのかを明らかにしないまま、既に1億円を支出しています。  日本共産党は、「近い将来の財政計画を市民に説明し、市民の合意がないままの区画整理事業は凍結すべきだ」と質しました。市は「船橋市の将来にとって必要な事業」と説明しています。こんな姿勢では市民の願いは、引き続き後回しとなってしまいます。
  ☆国保の減免基準早急に作成を
 国民健康保険料の減免基準を作成するため、「調査研究を進める」と答えていながら半年以上、何もしていないことがわかりました。
 そこで、国保料の引き下げや保険証の全世帯への発行とあわせて、一部負担金や保険料の減免基準を「いつまでにつくるのか」をただしました。
「できる限り速やかにすすめる」との答えを得ましたが、言葉どおりにさせるため、ひきつづき強く求めていきます。
  ☆介護保険、剰余金12億3千万円は保険料軽減に  
 介護保険実施から3年目を迎え、サービスの拡充とともに多くの高齢者から保険料の負担軽減の要望が寄せられています。来年は保険料の改定など事業の見直しが行われます。
 過去2年間の決算では、見込みより利用が少なく、保険料が12億3千万円も剰余金として積み立てられています。65歳以上の保険料を一人当たり月470円引き下げられる金額です。保険料改定にあたってはこの積立金を使い介護保険料を引き下げるよう求めました。本会議では「将来の高齢人口増に備えたい」と答弁。その後の予算委員会での追及に「積立金の扱いは検討させて欲しい」と答えました。サービスを抑制し保険料を余してため込むようなことを許してはなりません。
  ☆市民参加型の道路整備を
 船橋市の道路整備は、アンケートでも必ず上位を占める市民の切実な要望になっています。
 日本共産党は、市民参加型で、道路整備の優先順位を設け、市民に公表していくべきだと、佐賀県佐賀市の例も紹介して、市に提案しました。
 佐賀市では、町会や自治会の意向調査を行い、道路の現況・利用度・地域住民の協力体制や事業用地取得の可能性などにそれぞれ点数をつけ、その総合点の上位から事業に着手するとの計画をすすめています。
 市は「都市計画道路の建設を優先する。客観的な整備計画はむずかしい、ただ、佐賀市の試みについては研究する」と答弁しています。
  ☆古和釜高校の廃校はゆるされない!
 千葉県教育委員会は、今後10年間で、高校15校程度を削減する「高校再編計画案」を発表しました。
 この中で、船橋市内の「船橋古和釜高校」を廃止する方向が検討されていることが県教育委員会の説明会などで明らかになっています。
 古和釜高校は、平成14年度在校生の75%が船橋市立中学校出身で、定員割れにもなっていません。
 また、船橋市の中学3年の生徒数は4266人ですが、子どもの数をみても小学校1年の児童数は4850人で、年々児童・生徒数は増え続けます。
 市長に「古和釜高校を廃止対象とすることは困る」と意思表示することを求めました。
 市長からは「市内高校は街づくりの中でもっとも大切な位置を占めているので、事前に自治体の意見を取り入れてほしいと県に意見をあげた。統廃合は自治体にとって大変なことなので物を申してゆく」との見解を示しました。
  ☆学校給食に地場産野菜を使用して!
 中国から輸入した生鮮野菜や冷凍ホウレン草から農薬が検出され、成長期の子どもをもつ父母から「給食の食材は安心できるのか」との声が出ています。
 残念なことに市教育委員会には輸入野菜、輸入果物の使用状況のデータはなく、各学校に問い合わせて1か月分だけの調査をしました。その結果、ホウレン草、ブロッコリー、枝豆、いんげん、きぬさやなど、多くの外国産冷凍品が使用されていることがわかりました。これらの野菜は、船橋市内で生産されている物であり、安全で新鮮な地場産野菜を学校給食に取り入れ、子ども達に提供すべきです。
 また、いまの不況の中で、地元商店街も地元農家も経営が大変きびしい状況であり、集められた年間19億8500万円もの給食費が地元にどれだけ還元されているのかなど、地域経済の上からも検討すべきです。
「今後、地場産の物が使われるような体制づくりに取り組んでゆく」と市から答弁がありました。教育委員会、経済部、市場の関係者会議もはじまっています。