あの街この町
 2006年12月号 No.180

東武野田線
   新船橋駅蔵野線

 現在は工場の閉鎖に伴う建物の解体工事と土壌汚染の除去作業が続き、大工場で若者達の夢をはぐくんだ駅も、今は夢の跡。真新しいシャネルの物流センターがランドマークにも見えますが、果たして、広大な敷地に未来の夢は広がるでしょうか。


2005特別委員会での質疑

市民との共同で実現!
     
乳幼児医療費助成制度就学前まで実施
        2005年度決算特別委員会で市長答弁

 11月8日に行われた05年度決算特別委員会で、市が行っている乳幼児医療費助成制度を、就学前まで拡充することが、市長の答弁で明らかになりました。
  これまで、入院は就学前まで、通院は4歳までしか助成制度が利用できませんでしたが、来年度からは、通院も就学前まで、制度が利用できるようになります。

 

   取り組むこと30 数年 市民との共同の成果

 
 日本共産党は、71 年に、国会で無料化実施を求めて以来、国として医療費無料化を実施することや、自治体が独自の助成制度を行うことを繰り返し要求してきました。
  市民団体からは、「子どもが病気のときに、お金の心配をしないで済むように」と、制度の拡充を求める声が、繰り返し議会に寄せられてきました。今回の実施は、日本共産党と市民との、長年にわたる取り組みの成果です。
  たとえ議会では少数でも、道理ある提案は、必ず実現するものです。日本共産党は、引き続き、制度の拡充に向けて取り組みます。

● 業者と癒着したゴミ行政

 家庭や事業所から出された可燃ゴミは清掃工場に持ち込まれ焼却されますが、焼却灰が発生します。この焼却灰は最終的に埋立て処分されることになりますが、船橋市は市内に最終処分場を持たないため、茨城県など、他県にある最終処分場に運搬し、埋立て処理をするため、05年度は、8億4千万円の費用がかかっています。

  最終処分場で処理する焼却灰を減量するために導入されたのが潮見町にある「焼却灰再資源化施設」です。この施設は、年間6千tの焼却灰を透水性ブロック等に加工生成するリサイクル施設で、98年度に導入された18億3700万円の施設です。

  日本共産党は、焼結炉の壁の崩落等によって工場の運転が停止し、04年度年間灰処理量が3千562tにとどまった件で、損害金を請求するよう昨年の決算委員会で提言しました。市は損害金を受け取っていましたが、損害金の積算根拠は処理できなかった2千438tに対してではなく、工場が停止した「17日間分」となっており、まったく説明がつかないものです。

  また、05年度も4千334tの処理しかできなかったにもかかわらず、損害金の請求は考えていないとのことで、業者と癒着したゴミ行政と指摘せざるをえません。


● 消防署と学校が危ない!?  船橋市の地震対策

  船橋市には、耐震診断や耐震補強工事が必要とされる公共施設が62箇所ありますが、診断が終わった施設は13施設のみ。市の対応は「平成19年度に、小・中学校の耐震診断が終了してから他の公共施設を検討していく」ので、学校が終わらなければ、その他の施設は後回しというものです。

  後回しの施設の中には、東消防署、北消防署、三山分署、三咲分署が含まれています。また、船橋市消防局の入っている中央消防署合同庁舎は、耐震診断や補強設計まで終了し、97年に耐震補強設計まで終了していながら、補強工事も行われずに10年が経過。大地震の時は、消防署が危ないという深刻な事態です。

  学校の校舎も、小学校では55校中52校、中学校では27校中25校が、耐震診断や補強工事の対象ですが、19年度末に、ようやく校舎の耐震診断が全部終了する見込みです。

  しかし、体育館の耐震診断と補強工事は、77校のうち、終了しているのはわずか1校のみ。校舎はやるが体育館は後回しということでは、災害発生時の避難場所を確保することができなくなってしまいます。

  いざというときに、消防が出場できない、体育館に避難するとかえって危ない、などというのでは、地方自治体の災害対策としてはあまりにもお粗末です。一日も早い改善が求められます。
  

 保育も介護も自立支援も メニューはあっても使えない

この10月から、障害者自立支援法が本格的に実施され、自立を破壊するような利用者負担の導入に、怒りの声が広がっています。
  こうした国の制度改悪から、市民のくらしを守ることこそ、船橋市の役割ですが、市長にその姿勢はありません。
  その結果、船橋市の福祉サービスは、市民にとって「メニューがあっても使えない」状況が生まれています。

●子どもが入所できるなら、なんでもいい?  「船橋市の待機児対策」

 船橋市の保育園待機児数は、11月1日現在で458名にもなります。市は、待機児対策として、今年度新設するのは4園で、215名の定員増になると公表していますが、この中には、保育園ではない「認定子ども園」や、株式会社立保育園が含まれています。
  認定子ども園は、保育料が法人の自由に設定できることや、契約は法人と保護者の直接契約になること、「保育に欠ける」という認定は実態として法人の主導で行われるなど、保育園とは全く異なる施設です。保育に欠ける子どもが優先して入所できるという保障もありません。
  規制緩和によって、株式会社立保育園が各地で設置されていますが、法人の経営状況が原因で、安定した保育が継続されないという問題が起きています。
  市は、「指導監査を行う権限がある、設置の際に適切に指導する」から問題はないとしていますが、指導・監査は、施設等の最低基準と保育指針について行われるので、法人の経営状況は指導・監査の対象とはなりません。
  つまり、突然、法人が倒産や撤退をして保育園が廃園になっても、船橋市には止める手だてがないのです。
  入所定員が増えればなんでもいい、という待機児対策はやめるべきです。


●10倍の負担増「さざんか学園」の利用料

 障害者自立支援法の制定に伴って、障害児が通園して療育訓練を受ける「さざんか学園」も10月から利用料が大幅値上げされました。
  たとえば、所得税額3万円以下の世帯(所得階層D1)では、これまで1800円だった利用者負担が、3万3814円に、18倍以上の負担増です。しかも、この負担額は、同じ年代の子どもが保育園に通園した場合と比べても、約3倍近い負担です。
  これだけ負担が増えたら通園できなくなるという指摘に市は、保育料並みには軽減しました。しかし、それでも10倍以上の負担増で「通わせきれない」と悲鳴が上がっています。
  引き続き日本共産党は12月市議会に従来の負担水準にもどす条例提案をします。


●緊急通報システムで介護する?

 高齢者の介護では、介護保険を利用しても、高齢者の日常生活が補償できないという問題が起きています。
 日本共産党への相談者の中には、介護度4で身寄りが無い方がいます。この方が生きていくためには、一日に夜間の見守りを含めて4回の訪問介護が必要です。
 ところが、介護保険ではどんなに介護度が上がっても使える金額は一月36万円まで。これでは、一日を安全にくらせるのは、デイサービスに行く2日と、もう1日4回の訪問を受けるだけでおしまいです。残った日は、食事の用意も、排泄の介助も受けられないのです。
 人間の生存権をおびやかす福祉なんて有るはずもありません。「どうするのか」との質問に、市の答えは「緊急通報システムや介護用品の支給をしている」「あとはいろいろ組み合わせて・・・」というものでした。答えに窮して、その次に出てきた答えは「地域包括支援センターをつくったので、そこでコーディネートする」というものでした。
 でも、コーディネート(=調整)するにも「人という資源」が無いのです。これでは「無いものを、有るように言う」ごまかしです。


●「前原駅踏切が拡張されました」


◆写真手前が成田街道「前原駅交差点」方面。
  左側、白い建物が新京成・前原駅駅舎です。

  日本共産党が行っているアンケートに、「前原駅の踏切が広がり、歩行者が安心して通行できるようになりました。ありがとうございました。」とコメントが寄せられました。
  日本共産党は、皆さんから寄せられたご意見やご要望に応えて、危険箇所の改善や制度の拡充などに取り組んでいます。
  引き続き、ご意見・ご要望などお気軽にお寄せ下さい。

▼現地地図へリンク


●自己負担が 月に54万円にもなる介護費用

10月2日号のミニにゅうすで、介護保険で使える限度額では必要なサービスがまかなえないという記事を掲載しました。この中で、必要なサービスを使うと月額90万円程度かかり介護保険から給付される最高限度額36万円だけでは不足で、差額の54万円を自己負担しなければならないことを取り上げました。ミニにゅうす読者の方から90万円の内訳を知りたいとの問い合わせがあったのでお答えします。

介護度5のひとりぐらしの方
(寝たきりで排泄、食事、着替え等すべて介助が必要)
訪問介護(ホームヘルパー)を1日4回利用する
早 朝(1回2時間未満)
単価 8,490円
昼・夕(1回2時間未満)
単価 6,790円
深 夜(1回1時間未満)
単価 6,138円
1日あたり       計
28,208円
1月あたり       計
874,448円

事業所によって加算があるのでおよそ90万円としました。
介護保険から支給される限度額は36万円なのでそれ以外の54万円が自己負担になってしまうのです。


市長提案の条例には賛成しておきながら、市民から苦情が来れば泣き言をいう「議員」

 地方自治体の本来の役割は、国の悪政から市民を守る「防波堤」の役割。しかし、現在の船橋市政は、国が決めたとおりの悪政を、市民に押し付ける有様。さらに、そんな国いいなりの市政を、正すどころか後押ししているのが、自由民主党・新風・緑清会・市清会の保守系議員。 
  そんな彼らの中にも、今回の高齢者を直撃した税制改定には、驚いた方もいたようです。市民から苦情が殺到したために、9月議会では、船橋市独自の「高齢者の悲鳴に応える」対策を取るべき、との主張を行っていました。
  しかしこの議員、市長が提案した「増税条例」にたいしては、反対の意思表示さえ行わずに賛成。船橋市が行った大増税を後押しした当事者です。
  行政の責任を問う前に、まず自らの政治姿勢を反省するべきではないでしょうか?


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