あの街この町 2003年12月号 NO.168
西船橋駅

 西船橋駅がいま工事中です。エスカレーターなど、利用者が長年希望してきたものが、ようやく実現します。どの駅にも「物語」がありますが、この西船橋駅も昔ここに学校があって、駅をつくるために学校が移転した歴史があることは、語り継いでいきたい話ではないでしょうか。


●市の財政健全化プラン
 ムダづかいそのまま、市民の願いに背を向ける


 船橋が10月に発表した「財政健全化プラン」では、厳しい財政状況を改善するため「徹底したコスト削減と事業の見直し」を揚げています。しかし、その中身は、本当に見直しが必要なものはそのまま、市民に負担をさせるばかりのものとなっています。

財政悪化の原因は

 市は、不況で税収が落ち込んだこと、扶助費(福祉などに使う予算)がのびたことを、財政悪化の原因と説明しています。
 しかし、扶助費の内訳を見ると、不況によって倒産、リストラが増えて、生活保護受給世帯が増えたこと、国の制度が変わって「児童養育手当」への市の支出が増えたことが中心で、それらを除いた民生費の額は、逆に減っているのが実態です。
 支出が大幅に増えて、市の財政を圧迫している主な要因は、赤字をかかえる「船橋駅南口再開発事業」のために毎年8億円前後の貸付を行うことや、工事金額が高すぎると指摘されている下水道事業費(毎年80億円の支出)、経営困難になっている東葉高速鉄道への出資金(9億円)などを見直さず、そのままにしていることにあります。

市の本当のねらいは

 財政の健全化を行うなら、これらの事業の見直しこそ行うべきです。しかし、プランとして提案されたものは、市民へのサービス切り捨てと負担増、市の職員を削減し、公的事業の民間委託を促進するなどです。結局、政府が地方自治体に押しつけている、開発優先と民間委託の推進を継続するために、市民の負担を増やそうというのが、プランの本当のねらいとなっています。

予算外収入36億円 市民にはひた隠し

 実はこのプラン策定中の8月に、国から船橋市へ36億円の交付税が予算外に入ってくることがわかりました。プランの前提である「総額47億円以上の財源対策」が、大幅に変更になったにもかかわらず、船橋市はこのことを市民には知らせないまま、プランの策定を進めていたことになります。
 今回提案されたプランは、市民の暮らしを守る立場からは、かけ離れたものとなっています。日本共産党は、地方自治体の本来の仕事である「暮らしをまもる」市政の実現に、引き続き力を尽くします。

● 財政健全化プランの主な実施項目 ●
市民
負担増
市役所来庁者駐車場の休日利用の有料化
女性センター・公民館の使用料の引き上げ
下水道使用料・国民健康保険料・保育料の引き上げ
サービス
削減
母子等家庭児童養育手当の支給範囲を縮小
介護保険在宅サービスの利用料助成の縮小
民間委託 老人福祉センターの全面委託
光風みどり園の全面委託
一部の保育園の全面委託
さざんか学園・福祉作業所太陽の全面委託


●総選挙の結果について

 今回の総選挙で、日本共産党は458万票(7.76%)の得票で、改選前の20議席から9議席となりました。力をつくして奮闘しましたが、議席を後退させたことはたいへん残念です。
 この選挙は、自民党と新民主党が、「消費税増税」と「憲法改悪」という国の政治の基本にかかわる問題で同じ立場に合流し、その枠内で「政権選択」を争うという中でたたかわれました。
 日本共産党は、消費税増税と憲法改悪という二つの大悪政に正面から反対し奮闘しましたが、事態の真相を多くの有権者に伝えきるにはいたりませんでした。しかし、わが党の主張は、今後の国会で生きてくるものと考えています。
 この選挙で掲げた公約実現のため、力を尽くします。引き続き、みなさんのご支援をよろしくお願いします。
船橋市の選挙結果

■ 小選挙区(千葉4区) ■
候補者氏名 得票数 得票率
  津賀ゆき子(共産・新) 27,441 11.3%
当)野田よしひこ(民主・前) 135,522 55.8%
  長谷川大(自民・新) 80,051 32.9%

■ 比例代表 ■
政党名 得票数 得票率
日本共産党 24,565 10.0%
民主党 107,750 44.1%
自由民主党 71,868 29.4%
公明党 32,084 13.1%
社会民主党 8,214 3.4%


9月議会 市民の税金の使い方がまちがっていませんか?
  日本共産党は、無責任な市政運営・財政運営を追及していきました

 9月定例市議会が終わりました。市長から提案された議案は船橋西部消防保健センターと下水処理場機械設備の工事請負契約議案や、介護保険の減額補正などです。
 西船に建設する消防保健センターは、利便性や安全性を高めるために東側の通路(旧水路)側にも出入り口を設けるよう求め賛成しました。
 一般質問では、市民いじめの行財政改革問題や、少人数学級実現、休日の学校解放、2学期制問題など教育問題、住宅政策、南口開発とフェイス、三番瀬ラムサール条約登録推進、坪井区画整理、各地域の道路の安全対策などをとりあげました。
●税金を使ってギャンブル?
 オートレース事業で2億4千万円の赤字


 昨年3月議会で助役は、オートレースの売上金を、赤字を出した2001年度よりも3割も水増しした予算が「実現できるはずがない」と共産党に聞かれて、「大丈夫」と答えていました。しかし2002年度決算では、2億4千万円もの大赤字を計上。市はこの責任を問われて、無責任にも助役が「残念」とだけ答え、市長は答えられませんでした。このままでは税金で穴埋めすることになりかねません。
 しかし、市は今後もこの事業を続けていく姿勢です。これに従う与党の責任も問われています。

●介護保険料を引き上げて、1億円の剰余金?

 今年4月、介護保険料引き上げが行われ、年金暮らしの方々には痛い出費となっています。しかし一方で、特養老人ホームに入れず待っている方々は増え、サービスも充実しているわけではありません。その上、1億円もの剰余金を出してしまいました。
 さらに、介護保険制度が始まる前に3億6千万円もかけて市外の施設に確保していたベッド159床を、放棄する方針であることが明らかになりました。すでにベッド50床は使われていません。市内で特養老人ホームを待っている方は900人を超えていますが、この声に応えない無責任な態度です。

●下水処理場の機械設備工事 95%の高い落札率

 西浦下水処理場では、12年間で6回に分けて機械設備を整備 する計画です。今回は3回目の発注工事約5億円が議案として提出されました。しかし1、2回目も同じ日立プラント建設が請け負っており、また落札率も95%と高率になっていることから、入札の競争性が発揮されていないことを指摘し、改善を求めました。
 入札では、日本共産党などの指摘や提案もあり、最近は、平均で80%の落札率まで下がっています。しかし、巨額な入札では、高いままで改善がすすんでいません。


◆68・69歳医療費助成の継続を
 市民から1万8千人の署名よせられる

 船橋市は今年8月から、今まで実施していた「68歳69歳への医療費補助」を大幅に削り、市民に新たに4億円もの負担をかぶせました。
 それに対し、今議会には短期間で集められた18、000筆もの「元に戻せ」の署名(老人医療費助成に関する陳情)が提出されました。しかし市側は「真摯に受け止める」としながらも、「元に戻す考えはない」との答弁に終始しています。
 署名の意義は大きく、今回の議論の中では、市内で本当に困っている人に対する救済をし、そのためにも市民の実態を把握するよう求める意見が、多数の議員から出されました。
 この削減を行った自民党・保守系の議員からも「苦渋の決断」「致し方ない」などの声が相次ぎ、陳情は不採択にされたものの、この制度の削減は「問題がある」という点では、議会で一致した見解になりつつあります。
 今後も市内で困っている方々の実態をよりリアルに明らかにしながら、「元に戻せ」の声を議会でも広げていきます。そのためにも、ぜひみなさんの声を日本共産党にお寄せ下さい。

■採決結果■
  老人医療費
結果 ×
共産
ネット
民主
公明 ×
自民・保守派 ×
〔採決結果表の見方(議員数)〕
自民・保守派(計24)=新風(7)・市清会(7)・緑清会(6)・維新の会(4)
公明=公明党(9)
共産=日本共産党(8)
民主=民主・市民クラブ(6)
ネット=市民社会ネット(3)

○=採択、 ×=不採択


◆若い世代が輝ける市に

 日本共産党はますます深刻になる若者の雇用問題を取り上げ、国への『青年の雇用拡大に関する意見書』を提案、賛成多数で決めました。
 また、市内の高校生から、『集中して勉強に取り組める施設の新増設に関する陳情』が提出されましたが、自民・保守派や公明党の反対で否決されました。引き続き取り組むべき課題です。

■採決結果■
  若者雇用 勉強施設
結果 ×
共産
ネット
民主
公明 ×
自民・保守派 × ×
〔採決結果表の見方(議員数)〕
自民・保守派(計24)=新風(7)・市清会(7)・緑清会(6)・維新の会(4)
公明=公明党(9)
共産=日本共産党(8)
民主=民主・市民クラブ(6)
ネット=市民社会ネット(3)

○=採択、 ×=不採択


 市民の目線で提案してきました

●三番瀬の保全のための取り組みを急げ

 三番瀬の保全に向けて、ラムサール条約への登録が重要です。船橋市長も「ラムサール条約登録」を公約に掲げ、市議会の特別調査委員会も登録するとの結論を出しています。
 登録へ向けて市独自の必要な事務手続きをすすめる必要がありますが、市は国や県まかせです。これでは2005年のラムサール条約国会議に間に合わなくなります。
 日本共産党は、引き続き働きかけていきます。

●学校2学期制

 市内の小中学校では、現在の3学期制から、2学期制を試験的に実施している学校が4つあります。さらに来年度は実施する学校が増える見込みです。
 2学期制は、「始業式や終業式などの時間が少なくて済む分、浮いた時間を授業に振り向けられる」としていますが、賛否両論あり、子どもや親、教職員などの意見をもっと聞く必要があります。全校で2学期制を実施した仙台市では、むしろ親や子どもたちから3学期制の方が良かったという意見が多数です。慎重に結論を出すべきです。

●「ふくしを食い物」は許しません

 福祉が食い物されていたことが発覚しました。馬込斎場で売店を運営する障害者団体を利用し、その売上などから元市議が私腹を肥やしていたのです。以前にも斎場売店をめぐって不正がおきており、市の管理責任も重大です。さらにこの弱みにつけこんで、現職の門田市議が一種の圧力をかけたことが明らかになりました。
 日本共産党は不正をただし、障害者福祉の拡充をめざします。

●許せません 民主主義のルールやぶり

 今回の議会で、民主主義のルールをやぶる、とんでもない出来事がおこりました。議場に「日の丸」を掲げるという提案です。
 議場は、色々な考え方の違いを認め合い、政策で議論する場のはずですが、そこに「特定の考え方」を持ち込もうという事件でした。さいわい、市民の方が多数押し寄せ、日本共産党の反対もあって「日の丸」掲揚はさせないことでその場は収まりましたが、自民党・保守派は次の機会をうかがっています。