あの街この町 2004年12月号 NO.173

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 馬込沢駅


 船橋市と鎌ヶ谷市の境界に建つ駅。10年前には通勤通学だけで一日12000人が乗降し、ラッシュ時には乗客を押し込む学生アルバイトが何人もいた駅も、最近は高齢化で7割程に乗降が減ってきている。

船橋市12月議会

 
福祉先進都市目指すといいながら
   福祉サービスや教育予算を11億円削減 
    大型開発の失敗には反省ない −−藤代市長

 
藤代市長は、12月議会で6月の市長選挙に出馬することを明らかにしました。「中核市移行、船橋駅南口再開発ビルの完成、京成高架などが実現できたので、引き続き、開かれた市政を基本姿勢として市政を担当していきたい」としていますが・・

 市長はこの3年間で、敬老祝い金、高齢者医療費助成、児童養育手当て、介護保険利用料の助成など、年11億円もの削減をしてきました。市民の暮らしを守り、福祉教育の充実を目指すのが自治体の第一の仕事ですが、こうした責任を投げ出してきたのが藤代市政の8年間でした。しかもお金が足りないといいながら、実際には、平成15年度では、92億円の使い残しがでていて、福祉サービスの削減はしなくてもよかったものでした。
 
●50年で帳尻が合うというが…
 
 南口再開発ビル・フェイスは、市長は計画の見直しを掲げて当選しましたが、結局見直しもしないで、従来の計画を進めました。地価下落で計画は破綻し、赤字分123億円を市から借り入れて、40年間で帳尻をあわせるという計画にしました。ところがこれも根拠が薄弱で今議会には、市の借入金を14億円増の137億円に、返済も50年後という変更報告がされました。しかしこの計画自体家賃が3年ごとに3パーセントずつ値上がりしていくことなど現状とあっていません。
 50年後の結果に対しては誰が責任を持つのでしょうか。こんな無責任な市長にこれ以上市政を任せておけません。
 
●指定管理者制度 何が問題か
 12月議会では、老人福祉センター等施設の管理運営を民間へ丸投げしようとする6つの議案が提案されました。「指定管理者制度」とは、公民館などの「公の施設」の管理運営を、株式会社も含む民間法人に丸投げするものです。この民間丸投げが始まれば、「指定管理者」によって、施設入所・利用の許可や条例の範囲で利用料金の設定や運営が自由に行われるようになり、市が「福祉の増進や公平なサービスの提供」という公の責任を果たせなくなります。
 また、知的障害者授産施設「光風みどり園」の指定は、職員が全員入れ替わるなどの環境の激変にあたり、障害者の立場で移行をすすめるよう強く求めました。その結果、不十分ながらも3ヶ月間の移行期間を設けることが答弁されました。
  日本共産党は、このような問題のある議案に反対の立場をとりました。しかし、日本共産党と他の一会派以外の会派は、問題山積のこの条例案に賛成をするという態度をとりました。

■プラネタリウム、少年自然の家、飛ノ台博物館などの利用料が4月から中学生以下無料に
 12月議会に、市長からプラネタリウム、少年自然の家、飛ノ台博物館の利用料を今年4月から、中学生以下の児童は無料にするという条例が出され、議会で決定しました。 また、アンデルセン公園の入園料についても、学校教育で利用する場合、中学生以下は無料にすることも決まりました。
 これまでも日本共産党は、教育活動で利用する場合の利用料を無料にするよう何回も取り上げてきたものです。昨年6月議会には、そのための条例案も提案しました。その時の議会では、保守会派や公明党が反対して否決されましたが、今回市長からの提案となって実現したものです。
  時間がかかったり、回り道があったりしますが、「道理ある主張が市政を変える」ことがまた一つ証明されました。   
            
 中学生以下無料になった市立プラネタリウム館(東町)→

■3月の知事選挙、 山田安太郎さんを擁立 「明るい民主県政をつくる会」が発表
 労働組合や民主団体、日本共産党が参加する「明るい民主県政をつくる会」は3月13日投票で行われる千葉県知事選挙に、弁護士の山田安太郎さんを擁立することを発表しました。
 山田さんは、川鉄公害訴訟など、人権を守る裁判に長年携わってきた方で、現在も自由法曹団幹事をつとめています。山田さんは「今の県政が大型開発中心で、そのしわ寄せがくらしや福祉、教育の切り捨てにつながっていることに心を痛め、出馬することになった」「県民が元気になる県政、くらしが豊かになる県政、憲法が生きる県政にする必要がある」と語っています。
 山田さんは1943年鹿児島県種子島生まれ。早稲田大学法学部卒業後、弁護士。県弁護士会副会長などを務めてきました。

■足りない!保育園の増設を 
 
船橋市内の保育所不足は大変深刻な問題で、昨年の12月時点で入所できずに待機している児童は408人に上ります。昨年、一昨年に2園ずつ増設しましたが、待機者は増える一方です。(表参照) さらに多くの保育所は入所定員数の25%増しの児童を受け入れ、その数は1000人を超えています。
 来年度、藤原に50人定員の私立園が1園開設されることになっていますが、積極的な保育所の増設は待ったなしの課題であり、待機児解消のための必要数を不足する地域へ整備することを求めました。
 市は西船・行田、中山、本町、夏見、二宮・飯山満などの地区での拡大が必要で対応を考えると答弁しましたが、「需要予測は困難」と待機児解消の立場には立っていません。
 今議会、市長は「次代を担う子ども達が誇りをもてる船橋市を築く」と市長選への出馬表明を行いましたが、深刻な待機児問題の解決を棚上げしては、表明とは逆に子どもを育てづらいまちにしてしまいます。

マンションに補助金?必要なら「買取」が明朗です
 
 本町1丁目、スクランブル交差点の北西角に再開発ビルを建設する計画が進んでいます。この計画に総事業費54億の17%、9億2200万円の補助金が支出されますが、このビルは5階から22階まで、77%以上が分譲マンションだというのです。

●「公共空間」は買い取りで
 
この計画に補助金を出す理由が、交差点を取り巻いた空間を公開空地として確保することでまちづくりに貢献する、と説明されています。
 しかし、公開空地でも法律上は建物の区分所有者の共有部分でしかありません。
 この土地を市が買い取った場合の価格は「補助金とほぼ同額」だとも説明されましたが、だとすれば「公共用地」として市が買い取るのが当然です。

一日も早い生活保護の開始を
 現在、船橋市に生活保護を申請した場合、保護開始まで、平均21日間。これは、生活保護法で定められた14日間を大幅に超過し、すでに生活に困窮する市民にとっては、保護開始までどうやって生活すればよいのか、深刻な問題です。
 船橋市は、現在の事務取扱について「県の監査では、良好」と問題がないかのように答弁をしていますが、法定期間は県の監査の対象ではなく、判断の基準とはなりません。市は申請者の生活が悪化している事実に基づき、事務を改善すべきものです。
 預貯金などは、法律の定める範囲であれば、所持していても保護の申請は可能です。こうした理由で申請をあきらめている方は、ぜひ、日本共産党へご相談下さい。

ムダづかいに監視の目を リハビリ病院計画
 市立リハビリテーション病院の基本設計が行われています。医療センター前の用地(約2万u)に地上4階建、病床数2百床の施設計画です。市がリハビリテーション病院を整備し、民間法人等の指定管理者が病院運営を行うとされています。
 このような計画が進む中で、軟弱な用地(谷津田)を選定したことでの建設費増や建物への被害の問題、他の医療機関や介護施設とのネットワークづくり、運営費について、療養型病床の設置、障害を持つ子どもの外来の受入、病院の理念や憲章を定めること等を質しました。
 これに対し市から、軟弱地盤であるので、地盤改良整備が必要、用地についての費用対効果は検証する。ネットワークづくりは東葛南部医療圏の範囲とする。運営の独立採算制を図る。療養型病床の設置については、回復期リハビリに特化した病院であるので、維持期療養型は行わない。外来については退院患者と紹介患者の受入を考えている。病院の基本理念や診療方針は公表していく。等の答弁がありました。
 平成17年度から病院建設が始まり、平成20年4月にオープンとなる予定です。

「公開謝罪」と「自治法92条の2を念頭に…」議員がらみの2つの疑惑に一応の決着
 市の仕事を受注するにあたって議員の関与が問題になった、「公園清掃業務」と街路樹などのせん定した枝を細かく砕いて土に戻す「樹木資源化実験事業」について、特別委員会と常任委員会からそれぞれ報告がおこなわれました。
 公園清掃業務については、「道義的にあってはならない行為であり、議員の良識を問われる・・・」と報告書で指摘された門田正則議員が別項の「謝罪」を行いました。
 もう一つの「樹木資源化実験事業」についても、市民環境経済常任委員会から、今後市は議員の親族が役員となっている法人との契約に当たっては「地方自治法第92条の2(議員が自治体の発注する仕事の受注に関与することを制限)の趣旨を充分に念頭にいれるべき・・・」と報告され、「市の側に不注意があった」ことを暗に指摘するものとなりました。この事業を請け負った株式会社ジャンクサービスは佐原正幸議員が「実質のオーナー」として疑惑が持たれていたものです。

               謝       罪
 
 緑台中央公園及び緑台西公園にかかる清掃業務委託に関し、私の認識が甘く、結果的に市民及び議会にご迷惑をおかけしたことを、深く反省しております。
 また、100条調査特別委員会まで設置して、調査の手を煩わしたことについても、大変申しわけなく存じます。
 今後、議員としての職責と立揚を十分認識し、二度とこのようなことのないよう自戒し、ここに謝罪いたします。

  船橋市議会議長 小石 洋様
    平成16年12月22日

                  門田 正則


<2004年12月議会> 
   条例案・意見書・陳情に対する各会派の態度は
結果 日本共産党 市民社会ネット 民主

市民ク

公明党 新風 緑清会 維新の会 市清会 無所属
各老人福祉センター及び光風みどり園の指定管理者の指定について × ×
船橋市政治倫理条例 × △4
×1

× × × × ×
地震等の自然災害被災者への個人補償拡充等に関する意見書
緊急地域雇用創出特別交付金制度の継続に関する意見書 ×
定率減税廃止反対に関する意見書 × × × × × × ×
イラク・ファルージャにおける無差別攻撃への抗議に関する決議 × × × × × × ×
原子力発電所の安全点検の意見書提出に関する陳情(可否同数で議長裁決) × × × × × ×
教育予算増額等に関する請願 × × × × × × ×
     〔表の見方〕○=可決または採択 ×=否決または不採択 △=継続審議