2003年 9月15日 546号
●突然、「日の丸」掲揚決議案 船橋市議会委に自民など提案
 市民が反対、撤回させる

 9日開かれた船橋市議会の議会運営委員会で、自民党・保守系の4会派(所属議員24名)から提案されていた『議場に国旗及び市旗掲揚に関する決議』が取り下げられました。
 会議開会直前、この決議案が提案されたことを知った市民が、提案した保守系会派を含むすべての会派に決議案に反対するよう申し入れたことが力になりました。
 申し入れた市民は 1 議員は『異なる立場・多様な意見を持つ市民の代表』であり、「日の丸」掲揚を多数決で決めてしまうことは、議員や有権者の思想信条の自由を侵すことになる 2 法律は国旗・国歌を決めただけで、「掲揚する・歌う」ことを決めていない。国会でも、思想信条の自由は侵さない、強制しないことを確認している 3 「日の丸」は、アジアの人々に日本軍国主義の象徴として、いまだに嫌悪されている―と訴えました。
 市民は会議開始後も傍聴席につめかけ、成り行きを見守りました。
 その結果、会議冒頭、提案者から「文書をもっと精査すべきであると考えた。また「日の丸」をどこに掲揚すべきかの十分な検討をしたい」として、今回は、「この決議案を取り下げる」ことが表明されました。
 決議案は突然提案されました。市議会では以前から、「日の丸」掲揚を求める議員の動きがあり、市民からの陳情も審議され、継続審議となっていました。
 日本共産党市議団は『日の丸』掲揚に一貫して反対しています。『日の丸』は市民の中に賛否両論あり、さまざまな意見がある議場に掲げるのはふさわしくありません。今回は取り下げとなりましたが、まだ火種が消えたわけではなく、日本共産党は、さらに市民の方と共同して反対の声を広げていきます。


●急増するホームレスへ緊急の自立支援体制を

 船橋市内では、ホームレスの数が増えています。ホームレス、いわゆる野宿労働者は今後も増え続けることが予想されますが、こうした人たちが希望する医療の提供や就労援助など、自立のための体制は、船橋市にはありません。
 今年の2月に行われた「ホームレス全国実態調査」の結果、千葉県のホームレスの数は688人で全国では8番目、船橋市は82名と県内では3番目という状況です。しかし現在、市内のホームレスを対象とした簡易宿泊施設を利用するホームレスの数は220名と、急激な増加となっています。
 最近のホームレスは、路上生活を始めた理由が「仕事が減った、会社が倒産した」などが主なものとなっており、「やむを得ず野宿生活をしているが、できることなら働きたい」という人が少なくありません。
 簡易宿泊施設を利用するホームレスには、生活保護が適用されます。しかし、健康面での指導や就労援助は行政の仕事ですが、職員の数が足りないために、ホームレスの急激な増加に追いつかず、自立はなかなか進んでいません。
 市は「今ある施設 (民間の簡易宿泊施設のこと)の効果的な利用で対応する」との答弁で、これまでの体制で進めるとの姿勢でした。
 不況の中、ホームレスが減少する見込みはありません。野宿生活からの自立が促進されなければ、抜本的な解決は望めないことになります。
 路上での過酷な生活をやむにやまれず続ける野宿労働者が、一日も早く就労し、社会生活に復帰できるために、日本共産党は今後も取り組みを続けていきます。


●特別養護老人ホーム3億6800万円をムダにするのか?
 待機者900人以上いるのに159ベッドを「放棄」する?


 市内の高齢者で、特別養護老人ホームの待機者は9百人を超えています。
 これだけ待っている方がいるというのに、船橋市は、過去に市外のホームに三億六千八百万円かけて買ったベッド159床を「放棄」しようとしていることが明らかになりました。
 これでは、まったくのムダ使いです。
 議会で、この問題を追及されると、「他の市が、船橋市内のホームに215床を買っているから」と、差し引きすれば船橋市が「とく」をしているような答えが返ってきました。
 それなら、市内の215床を市が優先して入所させられるのでしょうか?
 そうではありません。
 4億円近い市民の「税金をムダにして」、「お年寄りを待たせて」、これで、まじめに仕事をしているつもりなのでしょうか。