2003年10月 6日 549号
●福祉を食い物にする政治家と市の責任を追及
日本共産党は馬込斎場の売店を運営している「肢体不自由児者父母の会」が、福祉施設を建設するために積み立ててきた資金を、元「父母の会」会長で元船橋市議の故小仲井富次氏によって不正に流用されていた問題を議会で取り上げました。
この問題は、平成12年に小仲井氏が「父母の会」の資金を使って福祉施設建設地として土地を購入し、1ヵ月半後にこの土地を担保に私的に融資を受け、そのまま土地の権利を失ったものです。土地の購入費は1億数千万円と言われています。障害者の福祉を食い物にした、許せない行為です。
斎場売店は船橋市や社会福祉協議会が福祉目的として「父母の会」を推薦し、4市事務組合(船橋市・習志野市・八千代市・鎌ヶ谷市)が無料で使用を許可してきました。小仲井氏が会長だった7年前にも斎場に出入りする業者から法外な手数料を取り、税金の申告もせず、一部を自分の政治資金にしたことが、問題になり、当時の市長は「責任を持って解決したい」とのべ、対応してきたはずでした。
ところが、市がチェックしていくと約束した後に「父母の会」の財政をめぐって不正事件がおきていたのです。斎場売店の売り上げは年間1億5千万円以上になりますが、「父母の会」の会計管理がずさんだったことも原因です。市が福祉のためと施設の利用を認めてきたことが小仲井氏の私服を肥やすことになっていたのですから、こうした不正を見逃してきた船橋市の責任は重大です。
さらに現職の門田正則市議がこの土地問題を口実に、「斎場売店はやらせてもらえない、他の団体にかえる」と、「父母の会」に一種の圧力をかけていたことも発覚しています。
調査を約束―市長
日本共産党は船橋市の責任を追及するとともに、市の責任として「父母の会」に対し、健全な財政運営の改善や、小仲井氏の不正問題への厳正な対処を求めました。また、この問題の背景に障害福祉施設整備の遅れがあることを指摘し、改善を求めました。
答弁にたった市長は「会のみなさんが一所懸命建設資金をためている姿は目の当たりにしている。仕事は成就させたい。どこまで調査できるか定かではないが、きれいにしなければならない」と述べました。
政治家が福祉を食い物にすることは言語道断です。こうした不正を許さず、障害のある人たちが人間らしく暮らせる福祉行政の推進めざし、日本共産党はがんばります。
●学校2学期制導入は児童・生徒・父母・教職員の合意のもとで!
今年度、船橋市教育委員会(市教委)は、3小学校(小室・葛飾・宮本)と1中学校(小室)で、実験的に2学期制を導入しました。
今、2学期制があちこちで検討され始めていますが、「学校週5日制の実施で授業時間数が減って、子どもが身につけなければならない基礎学力が心配される」というのが、主な理由になっています。そして「2学期制にすれば、始業式や終業式などの時間が少なくて済むし、定期テストなども減らして、その分浮いた時間を授業に振り向けることができる」としています。
学校週5日制の実施で授業時間数が3割削減となりましたが、それに見合うほど新学習指導要領に基づく教える内容は減っていません。こうした根本的な原因にメスを入れずに、授業時間数を増やすことばかりを追求しても、問題解決にはなりません。
市教委は2学期制の効果について「授業時間の30時間増加で行事もでき、基礎的学力の向上にもつながる」と述べています。このような論理をつきつめていくと、1学期制が一番よいということになりかねません。
2学期制に対しては賛否両論、様々な意見があり、すでに導入した地域や学校でもむしろ「見直すべきだ」との意見も少なくありません。
このように子どもと教育に直接影響をおよぼす2学期制を市教委だけで決め、トップダウンで強引に学校や子どもたちに押しつける事があってはなりません。
市民の声をよく聞いた結論を
日本共産党の「学期変更については児童・生徒・父母・教職員の意見を聞き、反映させること」「実験校の結果を市民にどのように公表し、今後の計画策定に生かしてゆくのか」等の質問に対し、市教委は「実験校において父母や地域の方々の要望や意見を集約し、2学期制推進委員会で検討しているが、子どもや教職員の意見もアンケート方式など考えてみたい。実験校の調査結果は市民に公表する。来年度は2学期制を希望する学校で実施してもらい、保護者や市民の理解を得ながら考えてゆく」との答弁でした。
2学期制の導入については関係者の理解や納得を得ながら、慎重に結論を出すべき課題です。
●入院差額ベット料が全額返金
8月18日付ミニにゅうす(第543号)で報告した「差額ベッド料」が、全額返還されました。Yさんの夫が昨年から今年にかけて市内の病院に入院した際、重篤な状態であったため個室に入院しました。3回のうち1回は、契約書がなかったためすぐに返金(109,200円)されましたが、他の分は契約書があるからと断られたため、知事の調査指導を求める申立書を提出してきました。
9月になって県の担当者から「当該医療機関と話し合った結果、返金することとなった」との回答がYさんに伝えられ、9月下旬に残り336,000円が返金されました。
しんぶん赤旗日曜版(6月15日付、7月27日付)の報道がこうした弱い立場の患者さんや家族の方に勇気を与えることになりました。同様の問題でお悩みの方はぜひご相談下さい。