2004年 3月15日 559号
●3年連続で、計9億円の福祉削減
それでも「福祉先進都市」と言い張る藤代市長
2月27日から市議会が開かれています。
市長からは2004年度の予算案、市の施設を株式会社を含む民間にまかせる「指定管理者制度」の導入や、路上喫煙及びポイ捨て防止条例案等の議案および市政執行方針が表明されました。日本共産党は、イラクへの自衛隊派兵中止・撤退など10本の意見書を提案しています。
藤代市長からは、市政執行方針でリハビリ病院建設など四つの重点項目についての説明があり、同時に「徹底した事業の見直しを図り、将来に向けた基礎をつくる」として船橋市独自の福祉サービス切り捨ての提案がされました。
●福祉サービス3年連続の大幅削減
児童養育手当の対象者をこれまでのすべての一人親世帯に支給していたものを、今年の7月からは「死別」親世帯に限定し、2450世帯 (現在の92%) を排除する提案です。また、介護保険在宅サービス利用料の補助を5%から4%に下げ、さらに所得制限 (生活保護収入の1.2倍) や資産基準 (預金1人200万円以下) を設け、対象者を6割も切り捨てるという提案もされています。
日本共産党は「市長は『福祉先進都市を目指す』と議会でも繰り返し表明してきている。今回の福祉切り捨ては公約違反だ」と指摘しました。しかし藤代市長は「財政が厳しくなっている今日、現状をよく見て判断した。福祉の後退ではなく、時代にあった運営」と居直りの答弁でした。
平成14年には『敬老祝い金の削減』 などで2億円、平成15年には『68・69歳医療費助成の所得制限の強化』 で4億円、平成16年は『児童養育手当の削減』 で2億8千万、3年で約9億円もの福祉予算の削減です。これで「福祉の切り捨てには当たらない」とは許せない答弁です。
● 無駄使い 不急な予算
◎南口再開発事業で赤字の補填分 8億円
◎アンデルセン公園拡張費
(外部監査からも疑問が寄せ られている) 4億円
◎はざま区画整理事業
(大量のゴミが埋められてい る土地を突然購入) 1億円
◎坪井区画整理負担金 1億8千万円
◎海老川上流域区画整理事業 500万円
●無駄使いの見直しはなく、新たな開発や不急の支出に予算
囲みの中で、海老川区画整理は、民間会社に丸投げするやり方であることが判明しました。また海老川下流部に位置する三番瀬の生態系にも重大な悪影響も与えることから、開発を中止するよう主張しました。
市長は「海老川地区は市内で唯一残った街づくりが出来る地域なので開発を進めたい」とこれまでの失政には無反省の答弁でした。
●初の外部監査で党議員団が追及してきた問題を指摘
船橋市は中核市となり、今年初めて公認会計士による外部監査が実施されました。外部監査は市が事業を委託している財団法人などへの業務委託契約について監査が行われました。
監査概要では、南口再開発事業の収支の先行き見通しが不安定なこと、余熱利用プールが14億円もの未償却額を残して廃止されてしまったこと、船橋北口駐車場 (株) が株式投機をおこない1億円もの含み損を抱えていること、船橋アリーナのオーロラビジョンがほとんど使われていないこと、アンデルセン公園の2期拡張事業の必要性への疑義などを厳しく指摘しています。これらの点の多くが、日本共産党がこれまでに指摘してきたことです。
この指摘をどう受け止めるのかの質問に対し、市長は「正式な報告を受けてから」と現実を直視する姿勢が感じられませんでした。
●高根台団地の建替問題
高齢者支援施設の充実、駅前再整備で市当局「積極的に協議に参加していきたい」
昨年実施した高根台団地居住者のアンケート結果では、高齢化が進んでいることが改めて明らかになっています。建て替え第一期、第二期の中で高齢者支援施設、駅前再整備をどのように進めるかが重要になっています。居住者の要望は診療施設、デイサービス、図書館などが出されています。こうした施設を実現していくには、市の計画との整合性をはかってゆくことが課題となってきます。
そこで「船橋市の担当各部がこれまでの三者協議に参加することが必要」と提起しました。市からは「各部と連絡を取り、積極的に調整をしていきたい」との態度表明がありました。
★日本共産党市議団と市民との共同の取り組みで予算化した項目の主なもの
○公園や学校周りの暗い箇所への防犯灯設置
○ホームレス実態調査
○家庭内暴力緊急避難支援事業
○老人ホーム豊寿園の建替調査
○放課後ルーム6ルームの増設
(終了時間を午後7時まで延長、夏休みなど長期休暇の開始時間は午前8時に早める)
○市民トイレとして駅近くの民間トイレを開放 西船橋駅で2カ所
○夏見1丁目地域溢水解消1億8千万円 (2カ年計画工事)
○学校改修費の計上