2004年 9月21日 570号
■利用できなくなった介護保険利用料の助成制度
市長「この一年の推移見守りそれから考える」?!
7月から、介護保険利用料に対する助成制度の対象者の基準が大変厳しくなりました。
これまでは本人の所得が非課税であれば、介護サービスの利用料負担が半額になる助成が受けられました。厳しくなった基準は一人暮らしの人の場合、年収130万円(月額約10万8300円)以内の収入で預貯金が200万円以下。同居家族がいる場合、一人増える毎に年収50万円(月額約4万1600円)、預貯金200万円が加算されますが、申請時には世帯全員の預貯金通帳の提示まで求めています。
介護サービスを利用している人たちから「助成制度が使えなくなって困る」「負担が2倍になりデイサービスに通えなくなった」「利用料のことを考えると夜眠れない」「孫の通帳までは持っていけない」など悲鳴があがっています。
●利用者 4758人から197人に
基準が変わったことにより利用者は激減しました。変更前に4758人いた利用者が、8月現在197人にまで減りました。船橋市が想定していた2000人をも下回っています。
新たな基準は住宅状況や病気の有無によっては生活保護の基準以下でも対象からはずれるほど厳しく、助成制度の目的である『利用料が払えずに介護サービスが利用できない高齢者を救済する制度』の役割を果たせなくなっています。
低所得の高齢者でさえも利用できない制度になってしまったことを議会で取り上げ、改善を求めました。答弁に立った市長は「この一年の推移を見守り考えたい」と述べ、7月から助成が受けられず、サービス利用をあきらめなければならなくなっている高齢者の願いに背を向けています。
来年は『介護保険見直し』で政府は制度の改悪もねらっています。自治体が高齢者の介護を守る立場に立つかどうかが一層問われてきています。
誰もが安心して介護が受けられるよう、利用料助成制度の改善を求め、粘り強く取り組んでいきます。
■就学援助制度を利用しませんか
一定の基準以下の世帯を対象に、 子どもが安心して教育が受けられるよう、 給食費や遠足代、 副教材費などの教育にかかる費用を助成する就学援助という助成制度があります。
市議会で制度の周知と、 対象となる世帯の収入基準 (生活保護基準の1.5倍) の具体的な基準額を明らかにするよう求め質問しました。
現在、 小学1年生の入学時の案内の配布や、 4月1日付広報に掲載していますが、 今後 「より広く市民に周知」 していくと答えるとともに、 対象となる基準については 「父母と小学生、 中学生の4人家族の場合、 年間総収入がおおむね500万円以下が目安」 と答弁がありました。 子どもの教育を受ける権利を守る制度ですのでぜひ利用してください。
申し込みは、 学級担任や校長先生、 または事務室の職員まで申し出てください。
〈就学援助制度〉 | |
対象となる 収入基準 |
生活保護基準の1.5倍以下 (例、父母、小・中学生の4人家族で500万円以下 |
支給される 費用 |
給食費、遠足代、修学旅行費、副教材費など |
■西船橋出張所を新設
来年1月末から、 「西船橋出張所」 が新設される予定です。 この出張所は、 現在の 「西船連絡所」 を廃止し、 新たに京成西船駅近くの済生会病院跡地に建設されます。
出張所では、 連絡所で現在おこなわれている戸籍謄本や住民票、 印鑑証明の交付などの業務に加えて、 国民健康保険や国民年金、 介護保険などの加入、 出生・死亡・婚姻などの届出などもできるようになります。
さらに、 西船橋出張所では、 地区社会福祉協議会や老人憩の家、 地域ステーションなどが併設され、 選挙の時には不在者投票所にもなります。
しかし、 問題点も浮き彫りになっています。 出張所が新設され、 業務量が増えるにもかかわらず、 市全体の職員数は増やさず異動だけで対応するため、 他の業務に支障が出るおそれがあります。 また3階のコミュニティルームは、 市民が気軽に利用することができません。
日本共産党は職員の増員と市民が有効に利用できる施設となるよう、 努めていきます。
■特定不妊治療に助成
今回市長から提案されている 「特定不妊治療助成事業」 は、 次世代育成事業・少子化対策の新事業です。
子どもがほしくても特別な治療が必要とされ、 30〜50万円といわれる高額な医療費がかかる
「特定不妊治療」 の経済的負担の軽減のために、 費用の一部 (上限10万円)
を助成する支援事業として進めるものです。
日本共産党も国会で求めてきた事業で、 子どもがほしい夫婦を支援するものであり、 賛成です。
この事業をさらに充実させるために 「健康保険の適用」 を提案し、 さらに少子化対策を根本的にすすめるためには 「若者の雇用促進」 や 「保育園の充実・待機児解消」 に市としても取り組む必要があると指摘しました。
さらにこの事業が使いやすくなるよう、 力を合わせましょう。
※この事業についてのご相談などは、 健康増進課 (436・2382) か、 日本共産党にお寄せください。