2004年 10月12日 573号


■2003年度決算認定議案
    「福祉きりすてではない」と強弁 ― 藤代市長
 9月議会には、市の一般会計や特別会計について、収支が確定した「2003年度決算認定」の議案が提出されました。
 市長は昨年、2003年度の予算編成にあたって、第1に、中核市・船橋の誕生、第2に、船橋駅南口再開発ビル・フェイスのオープン、第3に福祉の充実、第4に公園整備や治水対策に力点を置いたとして執行した予算でした。

●中核市移行でマイナス10億円―福祉切り捨てにつながる
 中核市に移行したこの年、千葉県がおこなっていた保健所などの事務32億円分が船橋市に移譲され、かわりに国からの交付税41億円が交付されました。
 しかし、本年度(04年度)は交付税が20億3千万と半減したため、船橋市の財政は10億円ものマイナスになっています。日本共産党が2年前に指摘したことが現実になりました。
 このことが福祉切り捨ての市政運営につながっていることを指摘し、市長の見解を求めました。
 市長は「交付税の減額は残念だが、許された財源でやっているということを理解してほしい。けっして福祉の切りすてではなく前向きに取りくんでいる」と強弁しました。

●市の財政を圧迫する事業にメスを

 03年度が「68歳・69歳医療費助成制度」の大幅削減など、福祉サービスを大きく後退させながら、一般会計では52億近い剰余金(黒字)が生まれる結果となったことも追及しました。
 また、JR船橋駅南口の「再開発事業会計」では、4億7千万円が「不用額」として余りましたが、本来一般会計に戻すこのお金を借金返済に流用してしまうことを批判。さらに東葉高速鉄道への財政負担を国にも求めること、市庁舎の賃借料がまだ高すぎること、「税金投入でギャンブル事業の運営」状態となっている「船橋オートレース」からの撤退などについて市の見解を求めました。
 特に東葉高速鉄道について、市長は「中核市連絡会議の中で説明し、総務省の担当者に、国の補助について国土交通省へ働きかけてほしいと要請」したこと、「千葉県・八千代市とともに支援策の見直しについて議論する場をつくっていく」ことで問題解決を進めたいとの答弁でした。
 日本共産党は市民のみなさんのくらしや福祉を応援する財政構造に切りかえていけるよう全力をあげてまいります。



■門田議員の100条委員会−団体名を語り清掃契約が明確に

 10月5日に開催された「第7回緑台中央公園・緑台西公園の清掃業務委託に関する調査特別委員会」では、門田正則市議会議員の再尋問が行なわれました。途中経過をご報告します。
 これまでの証人尋問では、「いもごし会」と「船橋ドッジボール協会」という二つの団体名で、二つの公園清掃を請け負い、その仕事をいろいろなグループに下請けに出し、浮いたお金を「活動費に使った」などと証言していました。
しかし、今回の再尋問を通じて、その実態が「団体としての活動などしていない会」であったり、「協会の名前を勝手に使った」など、"個人での契約"だったことがはっきりしました。

●「文書偽造」の疑いも
 あきれたのは、船橋市ドッジボール協会についての証言です。
 すでに、会長が交代していたにもかかわらず「自分が会長だと思って」清掃を受託。それを市から指摘されて、代表変更届けを市に提出しました。
 しかし、その届けに氏名を記入し、印鑑を押している現在の協会長は、この届けについては「全く知らない」と言っています。
 参考人発言との食い違いを指摘されても「印鑑はもらった」と言いながら、どこで会ったのか、いつ会ったのか、「わからない」。
それでいて「提出したのは、私。」と明快な答え。
 これでは"文書を自分でつくって、とりつくろった"「文書偽造」の疑いが濃厚です。

●清掃の仕事を下請けさせて「金銭支援」とは
 門田議員は、ドッジボールの「オールスターズ」というチームがあり、自分はそのチームの「父母の会会長」であると証言しています。
 チームの代表者は、門田氏とは「関係ない」と発言しているため、事実を門田氏に確認すると、「応援に行ったり、金銭的に支援している」と証言しました。
 ところが、その内容は、「清掃の仕事をまわしたことが、金銭支援」だというのです。
 クラブチームの財政が厳しいことにつけ込んで「清掃をすれば、お金になる」と、安く清掃の仕事をさせる。市の「公園清掃」という公的な仕事で、こんな「金銭支援」をやっていたのが門田議員です。


水道を節約するほど、割高になる「下水道料金」は是正を
 議員控室に電話がありました。「下水道料金は、基本料金が2ヶ月で20?の水を使わない人には、負担が大きすぎます。たいしたことがないと決めているのかも知れませんが、収入の少ない年寄りにとっては、たいへんなことです。調べてください。」というものでした。
 料金体系はその通りで、調べてびっくりしたのは、一月に10?以下の水で生活している方が14・26%を占めていることでした。
 その多くが、高齢者だということは電話のことからも想像できます。
 さらに不合理なのは、この14・26%の方が使っている水は"全体のわずか2・38%"なのにもかかわらず、下水道使用料のなかで占める割合は"5・37%"で、たいへん負担率が高いのです。
「節約してくらすほど、高い負担率」は、ひとり暮らしの高齢者などに高い負担を強いるもので、「弱いものいじめ」の料金体系というしかありません。

●市も、見直しの『検討要素』と、認める
 議会でこのことを取り上げましたが、市もこの「弱いものいじめ」の体系は認め「見直しの際の検討要素だと思う」と答えました。
 今後の取り組みとしては、見直しまで待つのではなく、直ちに「福祉的配慮として補助」するか、条例の一部改正をして、「料金の減額を市長の権限で出来るようにする」か、いずれにしても「早急に是正」するよう取り組みます。