2004年 10月25日 575号


■心身に障害があっても普通学級で学びたい

 船橋市内の小中学校でも、肢体や知的・情緒などの障害を持つ児童・生徒の普通学級在籍が年々増えています。平成16年度調査では、特別な配慮を必要としている児童・生徒数が766人になっています。
 しかし、学校施設のバリアフリー化も進んでいないため、車イスを使用している児童・生徒の教室移動に大きな障害が出ています。保護者からは「学校施設にもエレベーターを設置してほしい」との声も聞かれます。また、自閉・多動などの情緒障害を持つ児童・生徒が在籍する学級では、担任・教員だけでは人手不足であり、補助教員の配置が求められています。

●浦安市では学校にもエレベーター設置、補助教員も配置されています


大規模改修と
あわせて設置
された浦安市
内中学校のエ
レベーター

 10月15日、日本共産党市議団は、浦安市の教育行政を視察しました。特に障害を持つ児童・生徒が普通学級で学ぶ姿を見学し、学校施設整備や人の配置状況を調査しました。
 見学した「堀江中学校」には、筋ジストロフィやダウン症、自閉症などの障害を持つ生徒が6名普通学級に在籍しており、学級担任のほかに「補助教員」が6名配置されていました。障害児1人に補助教員1人の配置です。
 浦安市の小中学校では、障害も持つ児童・生徒の普通学級在籍者数は75名で、補助教員は96名(うち20名は特赦学級に配置)を採用しているようです。
 また、浦安市では、車イスを利用する障害児が在籍する学校には、すべてエレベーターを設置しています。3階建ての「富岡中学校」の外付けエレベーター設置状況も視察しました。
 船橋市も学校施設が老朽化し、ボロボロです。大規模改修を計画的に行い、その中で学校施設のバリアフリー化もしっかりと進めなければなりません。また、障害を持つ児童・生徒が健常児と共に学べる学級づくりに人の配置は重要な課題です。市が単独で教員や介助員を採用し、配置できるよう、これからも取り組んでまいります。


■船橋市建築物の適正な管理実現を求め現場調査

 
 10月20日市内公共建築物の老朽化と管理の実態を確認するため現地調査を日本共産党議員団として行いました。この調査には建築の専門家も立ち会っていただきました。見学したのは、中央消防署、海神第二保育園、青少年センター、夏見公民館、母子寮でした。台風23号がきている最中だったこともあり、屋上に昇っての確認作業はできませんでしたが、雨漏りなどはよく確認できました。

 ↑ 雨もりのひどい青少年センターの部屋

●特に問題の大きかったのは青少年センターでした。台風の大雨と言うこともあり、施設の至る所で雨漏りがしていて、バケツとタオルが置かれていました。壁紙のはがれ、雨が床下に進入し、床材が浮かんでいる、かびがはえるなど、子ども達が気持ちよく学習する施設とはとても言えませんでした。センター長さんも「先日も業者さんに改修費用を見積もってもらったが、2000万円はするとのことだった」話していました。こんなになるまで放置してきた市の責任が問われます。
 
●海神第二保育園も乳児室の換気扇から雨漏りが改善されていて、同じ建物ですが、対応の違いが目立ちました。
 夏見公民館は、「空調がわるく冷房が効かない部屋がある、床タイルがはがれて困っている」などが館長さんから話されました。見学では、講堂の外の柱の一部が腐食し早急な手当が必要、床タイルのはがれは高齢者には危険な状況でした。地元からはエレベーターの設置が求められているため、設置場所などの検討も行いました。

●母子センターは、建築士さんは「かなり手が入れられていますね」との評価でした。外の非常階段の鉄筋コンクリが腐食して崩落の恐れがあること、外壁の塗装がはがれているため、室内廊下に湿気がたまりシミカビの原因となっていました。
 
 次は27日が小中学校、児童ホームなどの見学を行い、建築士から見た船橋市の公共施設の管理の評価と改善の提案をしてゆきます。


■台風22号・23号による市内の被害状況(10月21日現在
 
 記録的な台風の上陸で各地で深刻な被害が続いています。船橋市内では台風22号(10月10日)、台風23号(10月20日)による被害が出ています。
 特に台風22号の風による被害が多く、小中学校でも14小学校で61本、4中学校で8本の樹木がたおれる被害が出ています。被害状況は以下の通り。
 被害に遭われた皆さんにお見舞い申し上げるとともに、防災対策の充実につとめます。

台風による被害状況と件数
被 害 状 況 22号 23号
道路冠水 21 17
床上浸水 3 0
床下浸水 6 1
倒木 94 2
家屋損壊 50 1
敷地内浸水 2 2
崖崩れ 3 2
道路陥没 1 1
マンホール蓋浮上 0 1
街灯損壊 2 0
その他 125 42
合  計 307 69

〔22号について〕
※右記のほか消毒処理が14日現在把握分で約100件
※農作物被害額 約196万円
※市内停電世帯数2788世帯
※救急出動判明による重傷者1名、軽傷者3名(23号は軽傷者1名)。