2005年 3月28日 582号

       
船橋市3月議会

●看板に偽りあり
  「安心して暮らせる船橋市」市長の市政執行方針


 3月議会が25日に閉会しました。
今議会は新年度の市長の市政執行方針と予算案の審議が行われました。
市長の市政執行方針は広報などでも掲載されている通り、

@リハビリテーション病院建設 
A福祉の充実
B教育環境の充実
C都市基盤整備の推進

 を柱に「誰もが安心して暮らし、次世代をになう子ども達が誇りをもてる船橋市をつくってまいります」となっています。
しかし“看板に偽りあり”で、提案されている予算案の内容は、

1、 市民の所得が前年に比べ平均8万円も落ち込んでいるところへ配偶者特別控除の廃止による増税で支えられている、市民の犠牲の上に立つ予算であること

2、 在宅介護の利用料助成の削減や離婚の母子家庭への手当ての中止など弱者切捨てが引き続き行われ、待機者が1000人近い特別養護老人ホームの整備費が前年の8億1878万円から2億3250万円に大幅減額、待機児が500人近い保育所の増設費は0円と、深刻な介護問題や保育問題を放置し、問題に拍車をかける予算であること

3、 市長選後の来年に公共料金の一斉値上げを準備するため、下水道料金値上げ、保育料値上げ、公民館使用料の有料化などのための委員会を設置する予算であること

4、 指定する法人等の利益を確実に保証する指定管理者制度による市施設の外部委託化や、財政難といいながら南口再開発の大赤字に反省のないまま本町1丁目再開発、海老川上流域開発など特定の事業者ばかりに利益をあたえる開発にお金をつぎ込み、一方では身近な道路や排水路の整備、維持補修などの予算を削るものになっていること

5、 国の三位一体改革や中核市への移行による25億円の負担増、南口再開発の赤字穴埋めのための10億円の支出など、国の悪政やこれまでの市の悪政のツケを市民に負わせる予算であること

など“安心して暮らせる市政”をつくるどころか、この一年を通してますます安心から遠ざかりかねない予算になっています。市長選に立候補を表明している市長にこうした問題点を指摘し市長の継続は認められないと告げて見解を求めました。しかし市長からは何の反論もありませんでした。

●騒音拡大する習志野基地−実態知らない市長

 今、自衛隊習志野基地では大規模な建設工事が進められています。擁壁の解体や、80年以上の大木を切り倒しての「施設改善」工事、「教育訓練施設」の新築工事が行われ、様子が大きく変わってきています。
 基地周辺の住民からはヘリコプターの騒音や振動で生活環境が脅かされているとの苦情が多く寄せられています。この2月、日本共産党船橋市議団は、住民の声の聞き取りと基地の視察を行いました。
昨年3月、300人規模で特殊作戦群(テロ対策部隊)が正式に編成されました。この部隊は、レンジャー能力を持ち、訓練内容はアメリカの特殊部隊と同じといわれており、まさに「自衛隊海外派兵の拠点」が習志野基地です。
 こうした基地強化の背景には、周辺事態法、ガイドライン関連法、テロ特措法、有事関連法、イラクへの派兵強行と、海外での米軍との共同行動をとるための法律整備と実績づくりがあります。
 演習場で繰り返し行われている低空からのパラシュート降下訓練は特殊作戦群との関連といわれています。さらに地対空ミサイルのパトリオットも実戦配備され、攻撃の対象となる危険も生じる現実があります。
 日本共産党は「基地周辺の住民が騒音・振動で苦しんでいる実態にどう対処するのか、市民の生命・財産・安全を守る立場にある自治体の責任者として、基地が所在する市長としての認識と対応策」について質問しました。
 市長は、「基地全体の様子は把握していないが、地域住民の生活環境については早急に調査し、対応してみたい」と答えました。

●憲法改悪問題−「市長として考えを述べるのは適切ではない」
 
 6月の市長選挙を控え、出馬を表明している市長に対し、憲法9条を改悪し戦争に踏み出そうとする改憲の動きに対する見解を求めました。しかし、答弁にたった市長は「市長として考えを述べるのは適切ではない」と述べ、改憲の動きについての意思表示はしませんでした。
 今議会には市長から「武力攻撃災害等派遣手当て」の条例化が提案されました。この「武力攻撃災害等派遣手当て」は、政府がすすめるアメリカの行う無法な戦争に自衛隊はもちろん民間や自治体をも協力させるための武力攻撃事態法や国民保護法に基づき、自治体の判断で条例化できるとされています。条例化の提案は憲法違反の武力攻撃事態法に協力することを表明するもので、平和を願う市民の意志に反するものです。
 憲法擁護を表明せず、憲法違反の武力攻撃事態法などの戦争協力法に積極的に協力する市長は、56万人の市民を代表し、市民の命と財産を守る責任ある市長としての資格に欠けるのでないでしょうか。
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