2005年 10月 10日 593
■ 誰のための市立リハビリテーション病院?
今議会、市長から船橋市立リハビリテーション病院の「新築工事請負契約締結」と、この病院を設置し管理を規定する「リハビリテーション病院条例」が提案されました。
市立リハビリテーション病院は、夏見台4丁目(医療センターの前)に、64億3500万円(建設費と用地費のみ)で建設されます。入院ベッド数は200床で脳血管疾患、脊髄損傷等の患者に回復期のリハビリテーションを行う病院です。
条例では、200床のうち40床が個室とされ、個室料が市内に住所を有する者は1日につき2万5000円、市外の者は3万7500円とされています。また、入院は6ヶ月までと期限を切り、外来診療も紹介状を持参しない患者は対象外としています。さらに、この病院の管理運営は民間の指定管理者に行わせるとされています。
このように多額の市税を投入して建設する市立病院でありながら、管理運営は民間指定管理者に行わせ、経営上も有利になるような条例内容です。
日本共産党市議団は高額な差額ベッド料を必要とする個室を20%も設置することの問題点を指摘し、治療上個室が必要な患者や、多床室に空きがなくて個室に入院せざるを得ない場合は、個室料を徴収しないよう質しました。
これに対し市は「病院の都合で個室への入院となった場合については、室料差額の負担をいただかない」と答弁しました。
このような病院の管理運営は市が自ら行い、市民要望となっている療養型ベッドの確保や障害児のリハビリテーションの受け入れなどを行うべきです。
● 競争になっていない公共工事入札
市立リハビリテーション病院建築工事は、「奥村・木村・京成特定建設工事共同企業体」が29億5000万円で落札しました。
この入札は一般競争入札で行われましたが、参加したのはたったの3共同企業体だけでした。入札結果は予定価格に99.81%から99.31%と高止まりで並び、競争になっているとは言えない状態です。
日本共産党は「参加した共同企業体があまりにも少なく、競争原理が働いていないため、予定価格に限りなく近い高止まりの入札金額になっている」ことを質し、入札のやり直しを求めました。
市も「今後入札に参加する業者を増やす手法を検討する」ことを約束しました。
■ ぜんそく患者への医療費助成
保護者の努力が実り、議会は制度継続を要求
● ぜんそくでの利用者、3500名から10名程度に激減の恐れ
小泉内閣の医療制度改悪によって、ぜんそくなどの難病に苦しむ子どもの医療制度が縮減され、これまでの利用者の多くが排除されました。これは、「小児慢性特定疾患研究事業」という国の制度で、医療機関の窓口では医療費を払わなくてすむ現物給付制度や医療費の公費負担などが行われてきました。ところが、今年の4月に国が事業を大幅に縮減、それにあわせて千葉県が事業を廃止したために、県内の各市町村で事業の廃止が相次いで行われました。
こうした動きに合わせて、船橋市も来年から、制度の変更を検討しています。
議会の一般質問で制度変更について質すと、「本市の対象者は4500名、このうちぜんそくの対象者は、約3500名。国の基準に当てはまる重度の対象者はほとんどいないので、対象者は10名程度と推定する。今後は、国の示した方針や、千葉市の例、対象者への影響を考えて、本事業のあり方について再度検討していく。」との答弁でした。
● 保護者からの陳情書は、全議員の賛同を得て採択
今市議会にはぜんそくの子どもやその保護者から「現在の制度を継続してほしい」陳情書が提出されました。議会はこの陳情書を全会一致で採択。あくまでも継続を否定する船橋市に対して、制度の継続を行うよう意思表示を行いました。
市長の福祉切捨てに対して、市民と議会が共同して反対の声を上げました。この声に応えるのかどうか、自らを「開かれた市政」と宣伝する藤代市長の看板が、本物かどうかが問われています。
■ アンケートにお答えして
「姉妹都市について再考をとの提案がありました。(60代女性)その中で「日本共産党市議団の皆様も楽しい『交流』を経験されたんでしょうネ!」との指摘がありましたので、お答えをいたします。
日本共産党は姉妹都市や友好都市の締結および交流には賛成してきました。しかし、議員が姉妹都市を訪問する際の費用を税金でまかなうことは「不要不急の支出」と考えて反対してきていますので、海外視察には参加していません。従って「楽しい交流」も経験していません。
なお平成5年以後に行われた姉妹都市友好都市への議員派遣は以下の通りです。
年 度 行 き 先 参 加 議 員 名 平成5年 ヘイワード市(米国)
エドモントン市(カナダ)櫛田信昭、村岡晴彦、矢野光正、滝口四郎、田久保捷三、浅野正明、佐原正幸、千葉満 平成11年 西安市(中国) 米井昌夫、倍田賢司、長谷川大、池沢敏夫、門田正則、安藤信宏 平成14年 西安市(中国) 千葉満、米井昌夫、斉藤忠、小石洋、中江昌夫、佐藤百代、和田善行、瀬山孝一