2005年 11月 21日 596
2004(平成16)年度の決算審査 終わる
■ 「財政健全化プラン」の300億円歳入不足現実とは「乖離している」と市も認める
2004年度の船橋市の一般会計などの決算の審査が終わりました。
日本共産党は一般会計や小型自動車競争事業特別会計などに「不認定」の態度表明をしました。
児童養育手当をばっさり切ったり、介護利用料の助成を制限したり、福祉を切り捨てた「財政健全化プラン」のおおもとになっていたのが「今後4年間で300億円の歳入不足が生じる」という「財政危機論」でした。
ところが、今回の決算でプランの最初の年度だった平成16年度見ると55億円の赤字が出ると宣伝していたのが、不足どころか「剰余金32億円」を出していたことが明らかになりました。
これを問われて、市は「このままでは」という説明をつけた上での金額だったが「確かに乖離している」と答え、「財政がたいへん」というのは福祉を切ったり、市民負担を押しつける「口実」だったことが明らかになりました。
単年度でプラスマイナスで87億円もの見込み違いをしながら、「プランで決めた」市民負担の押しつけや福祉の切り捨てを進めることは許されないことです。
● 決算審査の前に「関係書類の保存機関が1年なので、廃棄しました」 だと!
今回の決算で、もう一つ、許されないことが明らかになりました。
「西部消防保健センター」の建設工事で、落札価格の1割近くにもなる「追加工事」が、随意契約されていたことです。
この追加工事には、「エレベーター工事」が入っていましたが、工事契約を審議したときの図面には「EV」(エレベーター)の記述がしっかりと入っていました。
7200万円もの工事が、「追加で、それも随意で」契約するというのは最近ありませんでした。
これが、最初の図面に無く、落札した業者以外の業者も同じ条件で入札に参加したのであれば、説明に合理性もあろうというものですが、その資料を提出して欲しいというと「入札図書の保管期限は1年なので、落札業者の図面以外は廃棄しました」という答えが返ってきました。
これでは、エレベーター工事が「追加された」という「証拠」は無くなってしまった、ということです。
この工事は2年間の「継続事業」で支払いが終わったのが16年度です。
だから決算に出てきているのですが、その審査の前に「書類を廃棄して」しまうということは、「審査をするな」というに等しいではないでしょうか。
この工事を請け負った「共同企業体」の中には、船橋市の審査ミスで「違法建築物」を完了間際まで建築し、それが分かって建物を一部取り壊すことになったため「1億円の損をした」と言われている業者が入っています。
市のミスがあったことから、その「穴埋め」に「二重に」追加工事を出したのではないかという疑惑がありましたが、それを解明する資料は決算審査の前に、すでに「廃棄」されたというのです。
これでは、証拠隠滅です。こんなずさんな業務を許している市長の姿勢が問われます。
■ 平成フェイスビルの貸付事業、赤字で4置く8千万円の税金投入
FACEビルが平成15年4月に竣工して2回目の決算報告がありました。平成16年度は、賃貸料収入4億8千万円でしたが、全く同額の4億8千万円が赤字穴埋めのために税金が投入されました。平成16年度は前年からの繰越金3億5千万円がありましたので、計約9億円が赤字穴埋めに使われたことになります。
フェイスは本来ビルの床を売却して、収支を合わせる予定でしたが、地価下落のため売却が困難となり、賃貸したものです。売れなかった床の借入金は平成16年度末(17年3月)で、149億円にも上っています。年間利子支払額は約3億円ですが、千葉銀には実勢金利より高い2.3%もの金利を払うなど大もうけに貢献しています。
日本共産党は、「賃貸料が3年ごとに3%ずつ上がることを前提にしているが、実状を無視している。計画が破綻しても、40年後ではだれも責任をとれない」と批判しました。市長は「ビルに入居したいとの希望はある。40年後のことはわからない」と答えました。無責任行政そのものです
シリーズ 憲法9条への思い
「戦争と貧困」の時代へ逆戻りしないように、国の暴走に歯止めをかけた"憲法9条"。庶民の願いが結実しています。わたしは、まんが「はだしのゲン」をみて、原爆の恐ろしさ、戦争の悲惨さを感じてきた世代です。20世紀の冷戦時代から21世紀の平和の時代へ、平和主義を貫く憲法9条の理念を実現するため、力を尽くします。
(伊藤あきひろ)