2006年 4月 17日 NO.611
■ 個室料金徴収で心配される医療格差
市立リハビリテーション病院の指定管理者制
船橋市は現在2008年(平成20年)4月開院をめざし医療センターの向かい側に200床の市立リハビリテーション病院を建設中です。この病院はリハビリテーション医療を専門とした病院で、脳卒中などの発症後に早期に集中的なリハビリテーションを実施することで後遺症をできるだけ軽くし在宅での生活や社会復帰をめざすものです。
発症後、市立医療センターなど急性期病院で治療を受けた後、この病院に転院して専門にリハビリテーション医療を受けられるようにしようというものです。「後遺症が残り寝たきりになって病院や施設を転々とする」苦労を減らすことが期待されます。
● 医療法人輝生会を管理者として指定−−差額室料1日1万5千円にも
3月議会ではこの市立リハビリテーション病院の運営管理を医療法人社団輝生会に委託することが決まりました。
この病院は市民の医療保障より採算性を優先せざるを得なくなります。法人から提出された収支見込みでは船橋市が求める医療水準を確保するために年間2億円余の差額室料を徴収する計画になっています。40床の個室から平均1ベッド1日15000円の差額室料をとる計算になり、医療費を合わせると一ヶ月50万円以上の入院費用がかかることになり、お金がなくては入院できない事態も心配されます。
● 「本人の意思にもとづかない個室利用は室料とらない」との答弁
日本共産党は議会でこの問題を取り上げ、少なくとも個室しか空きがなく、希望しなくても個室に入らざるを得ない場合は差額室料を徴収せずに入院させること、差額室料が払えない人を排除しない仕組みの確保を求めました。差額ベッドの問題では厚生労働省の通達でも医療上必要で個室に入院させた場合差額室料は徴収できないことになっています。健康部長は「本人の意思に基づかない個室利用はとらないと法人との基本協定に盛り込む」と答えました。しかし、「個室しか空いていないがいいか」と聞かれた場合など実際の運用はどうなるのか不明です。
● 公立病院に格差持ち込むな
船橋市が用地購入に6億5千万円、総工費57億円をかけて建設する市立リハビリテーション病院を、お金がなければ入院できない病院にしてはなりません。公立病院こそ医療に格差を持ち込まず市民に医療を提供する努力をすべきです。
■ 3月議会
市長「乳幼児医療の就学前までの拡大検討したい」
−−予算委員会で日本共産党が取り上げた主な事項です
● オートレース事業累積赤字9億8千万円、
管理は民間に丸投げで暴力団との癒着は阻止できるか
「日本トータ鰍ヨの包括委託は、昨年突然出されてきた。決定の経過が不透明だ。市への収入の確保が本当にできるのか。暴力団企業に再委託されるおそれも指摘されているが、その担保はあるのか」との質問に、公営競技課長は「担保はないが、契約で金額を明記している。暴力団排除も契約でする。」
● 東葉高速鉄道鰍V億4千万円の追加出資は必要ないのでは
「会社には内部資金が多額にあるので、市が18年度に出資をしなくても資金繰りは困らないのではないか」
→交通対策課長「長期的には資金不足となる」
● 市役所で働く委託労働の労働条件の実態を把握せよ
「公民館の清掃業務などを民間会社に委託しているが、契約書なし、有給休暇を取らせないなどの労基法違反が横行しているとの訴えがあったが、労基法遵守を契約に明記するとともに実態の把握をすべき」
→総務部長「労基法まもるのは前提。契約内容の遵守は担当する部課で行っている」
● 商業振興策について真剣な取組みを
「商業振興が市政の柱にはない。今後どのように進めてゆくつもりか。市として先進事例の紹介、消費者との共同など取組が必要だ」
→経済部長「新しい施策をまとめてゆきたい。提案の点も取り組んでゆきたい」
● 市内小零細建設業者への市からの修繕業務の発注比率の向上を
「市が不況対策として位置づけてきた小零細建設業者への施設修繕発注額の拡大だが、発注比率があまり上がっていない。どこに問題があると考えているか」
→経済部長「発注の拡大に取り組みたい。登録業者との話し合いの場を検討してゆきたい」
● 乳幼児医療費助成を就学前までの拡大を本年度後半からの実施を
「乳幼児医療費助成を就学前までに、の陳情が全会一致で採択になった。中核市や近隣市の多くが実施してきている。補正予算でも実施に踏み切るべきだ」
→市長「5億円の予算が必要と考えている。補正予算での対応は考えていないが、検討してゆきたい。」
■ 国民健康保険料−−払いすぎていませんか
国民健康保険料は前の年の所得を基準とする所得割と均等割が賦課されています。均等割は加入者一人21,950円です。ただし世帯の所得が一定額以下(一人世帯では33万円など)だと均等割額が4割から6割が軽減されます。市は国保料の均等割の軽減制度を対象となる世帯に周知していません。ところが市への申告がない世帯9,125世帯については、均等割額全額賦課しています。この中には、遺族年金、障害年金など非課税所得の方、所得がないため税金の申告が不要な人も多く含まれています。このため9,125世帯の中には軽減措置が適用されるにもかかわらず、軽減されず高い保険料を払っている世帯があると思われます。
お宅の保険料は大丈夫ですか?