2006年 6月 5日 NO.615
船橋市議会
   市民増税−定率減税廃止とたばこ税率引き上げが提出される
   

  第2回船橋市議会が6月5日(月)から23日(金)まで、19日間の日程で開かれます。
 市長からは、市税条例、消防団員退職報償金の支給条例改正など8本の議案、人権擁護委員の候補者推薦についての諮問6本などが提出されました。
市税条例の改正の内容は、国の財政運営の三位一体改革による税率の変更、定率減税の廃止、たばこ税の税率引き上げなどです。
 日本共産党は、「歩行者、自転車利用者の安全な通行のため道路の早期改善に関する調査研究特別委員会の設置」議案、教育基本法改悪、国民投票法、共謀罪などの撤回を求める意見書、米軍再編支援反対の意見書、イラクからの自衛隊撤退を求める意見書等の提出を求める議案を提出しました。
日本共産党議員団は、市民のみなさんのくらし、福祉、教育の充実をもとめ質問します。ぜひ傍聴にお出かけください。

    議   会   日   程
6月5日(月) 開会、 市長からの議案提案の説明
 〃 監査結果報告書質疑  高橋 忠議員
 9日(金) 議案質疑  岩井友子議員A
12日(月) 一般質問   佐藤重雄議員A 政令市、予防介護、交通政策
13日(火) 一般質問   石川敏宏議員D 市長の政治姿勢・都市機構建替え、道路の改善、福祉行政
14日(水) 一般質問   草野高徳議員@ 平和問題、公民館使用料金、凌雲荘再建等
15日(木) 一般質問   伊藤昭博議員A 三番瀬問題、障害者自立支援法、京成線高架下利用等
 〃   〃  金沢和子議員F 大店立地法、保健所業務、子育て支援等
16日(金) 一般質問   関根和子議員F 市長の政治姿勢・都市緑化フェア、住宅政策、学校の障害児受け入れ体制
20日(火) 常任委員会(総務、健康福祉、建設、市民環境経済、文教の各委員会) 議案、陳情・請願の審議・採決があります。開議時間は午後1時半ですが、委員会によって異なることがあります。傍聴の際は事前にご確認ください。
23日(金)  閉会  各常任委員会の審議・採決の報告を受けて議案、陳情・請願についての議決をします。
※議員名横の○内数字は質問順番を示しています。本会議の開会はいずれも午後1時です。

■ 疑心暗鬼の世界
   スパイ国家を生みだす共謀罪


 「共謀罪」は、2002年に「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」(以下条約)の批准にともなう国内法整備を名目に創設されるものです。
 「共謀罪」を新設する法案は、これまでの国会で2回廃案になり、今国会では昨年の特別国会に提案された法案が継続審議になっていたものです。
 自民・公明の与党は、共謀罪の対象を犯罪組織に限ったとしていますが、「犯罪組織」かどうかを判断するのは、あくまで捜査当局です。
 これでは労働組合、市民団体、宗教団体が行動の手段をとることを相談しても、「犯罪の共謀」とみなされて処罰の対象とされてしまいます。
 「共謀罪」は「意思の連絡」そのものを処罰するものです。室内会話、電話、携帯電話、FAX、電子メールなどが捜査の対象となります。捜査方法は盗聴やスパイの潜入ということにならざるを得ません。当然、盗聴法がどんどん拡大され、盗聴器があちこちに仕掛けられるなど、卑劣なスパイが横行する警察国家になりかねません。
 戦前の治安維持法は「思想」を処罰しました。現代版治安維持法である「共謀罪」をなんとしても廃案にしましょう。
 
 ● 共謀罪は問題だらけです

 殺人罪の成立には包丁で人を刺すという「行為」が必要なように、法律で処罰されるのは人が何らかの犯罪「行為」をした場合に限られるというのが刑法の原則です。共謀罪は、客観的な「行為」がなくとも、会話だけで犯罪を成立させようというものです。その場の雰囲気で威勢の良いことを言うのは誰しも経験することで、それをすべて共謀罪として処罰するのでは、滅多に冗談も言えません。
 
 もともと国際犯罪や組織犯罪対策という触れ込みだったのですが、日本では4〜500もの犯罪すべてに適用されることから、むしろ真の狙いは国内の治安対策だと言われています。

 共謀罪の問題は、第1に、犯罪の正否が「行為」でなく「意思」に係ることから、極めて曖昧で当局の恣意的な判断・運用の危険があることです。第2に、共謀しても自首すれば刑が軽減・免除されるため疑心暗鬼を生み「密告社会」になりかねないことです。この点を公安警察などが悪用する危険もあります。例えば、労働組合の会議で小競り合いになってもピケを敢行しようなどとアジっておいて自首すれば、その当人は無傷ですが、会議にいた組合員は実際にピケをしなくても威力業務妨害罪で一網打尽となります。第3に、肝心の組織犯罪等の対策にはならないと言われています。密告者は組織に消されます。その筋の世界では密告制度は無意味なようです。

 共謀罪は問題だらけです。自由に生きるために阻止しましょう。 (弁護士 田久保公規)