2006年 6月 19日 NO.616
"粋"と"無粋"逃げ方にもいろいろ・・・この場合は?
 
 地方自治体が出資してつくった企業「第三セクター」が話題になっています。そのほとんどは「財政破綻の話」で、もしかすると、船橋市も出資している「第三セクターで最大の借金を抱えている、東葉高速鉄道株式会社」が話題になるかも知れません。
 ところで、今回は・・・・。
船橋市が50%の株式を保有している、株式会社「船橋都市サービス」の話です。
 この会社は、船橋駅北口の地下駐車場の経営や本町のスクランブル交差点の「北東角」にある「セントラルビル」の経営をしています。
 そのセントラルビルの外観は、二つの「サラ金(消費者金融ともいう)」の大きな看板が掛かっていて、まるで「サラ金業者のビル」のようです。
 「船橋市が半分も株式を持っている会社」のビルだとは思えない外観です。
 さらに、このビルのテナントの一つ「サラ金のアイフル」が、最近「営業停止処分」を受けましたが、その理由は「違法な取り立て」でした。
違法だったり、「違法すれすれ」だったり、サラ金は「高い利息でお金を貸し」「強引な取り立て」で利益をあげるのですが、そのためにどれだけ多くの被害者が生み出されているでしょうか。
 新聞の片隅に、そんな悲劇が時々登場することでもわかります。

 さて、話しは終わりに近くなりましたが、「半分の株式を市が持ち、役員を送っている」会社が、サラ金業者と「ビルの賃貸借契約を結ぶ」のですから、キチンとした説明ぐらいは義務でしょう。
 「サラ金の社会的な役割を、どう思っているのか」「会社の議決権の半分を持っている船橋市が同意しなければ、契約はできなかったはず。同意した理由は何か?」と、問いつめたところ、帰ってきた回答が「それは、株式会社で決めています」だと。
 回答したのは、市の意向を反映させるため「取締役」として、市から派遣されている助役です。
 これで、「説明責任を果たした答え」になっているでしょうか?
答えに窮して、「逃げを打つ」ことは、「仕方がない」とも思うのですが、その際にもせめて"粋なせりふ"が欲しいものです。
 "粋と無粋"この答えはどちらでしょう?

■ “大企業・大金持ち減税は据え置き”「改正」という名の庶民増税

 6月議会では、市民税の「改正」条例案が提案され審議されています。3月の国会で自民・公明によって押し通された庶民増税である地方税法の改正に伴うものです。主な内容と問題点をお伝えします。

● 個人住民税の10%定率化

 これまで個人住民税の税率は5%、10%、13%と所得に応じて負担が重くなる制度でしたが、来年度(07年度)から一律10%の税率に変えるものです。
 国から地方への税源移譲として行われるため、同時に所得税の税率見直しの減税があり、この部分だけをとれば、納税者の負担増とならないよう調整されますが、地方税から所得の再分配機能が失われることは問題です。
 この「改正」で船橋市は、37億8000万円の税収が増えます。

● 定率減税の廃止

 住民税の定率減税が今年度(06年度)半減に続き、来年度廃止されます。個人住民税が増税となる庶民増税です。これに伴う船橋市の増収は16億2300万円です。
 この定率減税は99年に景気対策として、法人税率引き下げ、所得税最高税率引き下げとセットで行われました。しかし、バブル期以上に高収益を上げる法人の法人税率や大金持ちへの最高税率は据え置かれたまま優遇されています。
 法人税率と最高税率の減税をもとに戻した場合、船橋市だけでも24億円の増収となります。大企業・大金持ちへの減税は続け、生活不安が広がる庶民には増税を押しつける税制改悪です。

● 固定資産税と都市計画税の「改正」

 固定資産税と都市計画税の増税も行われます。今年は固定資産税の評価替えの年で、すでに「改正」された税額の通知書がみなさんのお宅に郵送されていると思います。バブル崩壊後、地価が下落し続けているにもかかわらず、固定資産税は下がらず逆に値上げされてきました。
 固定資産税は94年の評価替えから大幅な負担増となる課税標準を設け、その額に年々近づけるため毎年値上げされてきましたが、今回の「改正」はこの課税標準に到達させる期間を短くする増税を強化するもので、この結果今年度、固定資産税・都市計画税合わせて4億1900万円が上乗せとなっています。

 小泉政権の税制改革で、配偶者特別控除の廃止、年金控除縮減、老年者控除の廃止と次々と庶民増税が繰り返されてきました。今回の市税「改正」はさらなる庶民増税であり、大企業・大金持ちへの優遇をつづける格差と貧困拡大政治の具体化です。

● 市税の「改正」で行われる増収

06年度

07年度

市たばこ税

4500万円

4500万円

税源移譲 住民税定率化

 〃   負担軽減

 〃   分離課税軽減

44億3500万円

5億5500万円

1億円

非課税限度額引き下げ

100万円

100万円

定率減税の廃止

16億2300万円