2006年 8月 21日 NO.621
■ 船橋市及び教育委員会が管理するプールでも一部不具合
去る7月31日、埼玉県ふじみ野市の市営プールで発生した小学2年生の死亡事故は、その後の調査で市や管理受託会社の安全管理体制がずさんであったことが次々と明らかになっています。
日本共産党市議団は船橋市議会議長に「船橋市で今回のような事故を生じさせないため、市長部局及び市教育委員会に調査と報告を求めるよう」申し入れました。
その結果、教育委員会が管理する各施設(小・中・養護学校、市立高等学校、運動公園、大穴市民プール、総合体育館、一宮少年自然の家)のプール点検の中で部分的に「排水口の蓋の固定」がされていないプールが見つかり、高根台第一小、坪井小、法田中の3校のプールで排水口の蓋をビス止めする等の改修が行われました。
また、運動公園のプールについては、日本共産党の調査に対し「蓋がはずれた場合に備え、吸い込み防止金具を早急に設置し、二重構造に改修する」とのことでした。
● 「海浜公園流水プールは安全ですか?」
海浜公園は「財団法人船橋公園協会」が指定管理者として管理運営をしています。流水プールの吸水口は吸い込み防止のため三重構造になっており「異常がないことを確認している」との報告が船橋市にされています。
プール管理業務は第三者委託で実施されており、市は「プール管理業務委託仕様書」等で委託状況を把握しているとのことで、ふじみ野市の事故を受け「プール日常点検の項目」を文書化し、点検結果報告書が作成されました。
給排水口等の点検も始業前に1回行っていたものを1日2回実施するように変更しているとのことです。
● 事故の背景に「小泉構造改革」が!
現在、小泉構造改革のもとで公の施設を営利目的の株式会社などに管理運営をさせる指定管理者制度が拡大しています。
行政サービスも民間企業のビジネスとされています。受託会社が直接プール管理に当たるのではなく、下請け会社に丸投げをしてまで利益を上げようとする「もうけ第一主義」の考え方が、このような「ふじみ野市営プール事故」へとつながりました。
今、船橋市でも指定管理者が管理運営する施設が増えています。
他会派のほとんどの議員が行政が提案する市施設の指定管理者制度導入に賛成をしているなかで、日本共産党市議団は一貫して反対してきました。
今後、船橋市でこのような悲惨な事故がおきないよう日本共産党はしっかりと行政をチェックしてまいります。
■ 国による合併の押し付けで住民不在の政令市に
船橋市は、政府のすすめる地方制度改革の方針どおりに、都道府県事務の委譲をうけられる政令指定都市への移行に向けて、他市との合併を検討していますが、こうした合併で、市民生活はどうなるのでしょうか。
船橋議員団では、市町村合併を経て、政令指定都市になった「さいたま市」を訪問し、調査を行いました。
● 負担は高く、サービスは低く
さいたま市は、2001年に大宮・浦和・与野の3市合併によって新市へ、さらに2003年に「政令指定都市」へ移行し、さらに昨年は、岩槻市と合併しました。
当初合併した三市で、事務事業の一元化を行った結果、国民健康保険料や使用料などの負担は、三市の中で、もっとも高い金額かそれ以上の金額に設定されました(表参照)。
政令市への移行で県から事務を委譲された結果、市民サービスが向上したかといえば、増大する事務量に対し、職員の数は据え置かれたままで、職員は新たに増えた事務をこなすのに精一杯という状況です。困難な状況だと、当局も認めるほどでした。
● わがまちの良さや伝統は、なくなってしまう
「さいたま市が政令市になれば、何でも良くなる。」と、宣伝されましたが、合併によって3市それぞれの良さは、失われてしまいました。
例えば、バラの名所として有名な与野公園。公園運営費が、合併時から比べると20%も削減されました。園内では、管理が行き届かずにバラの病気が広がっており、旧与野市民を失望させています。
政府の意向によってすすめられる合併は、市民生活も、わがまちの良さも省みない、これが実態です。
日本共産党は、合併の押し付けに反対し、住民の暮らしを守れる船橋市の実現に向けて、引き続き取り組みます。
● 主な市民負担増
旧浦和市
旧大宮市
旧与野市
さいたま市
国民健康
保険税所得割 8.4%
8.4%
7.5%
9.1%
均等割 24,500円
13,100円
12,000円
29,500円
平等割 ―
16,300円
12,000円
―
―
―資産割固定資産税
20%
―大腸がん検診
無料
無料
300円
440円
市立高校の
授業料市内 9,000円
同左
―
9,800円
市外 13,500円
同左
―
14,000円
住民票写し
1件 150円
200円
150円
200円