2006年 8月 28日 NO.622
■ さいたま市視察報告−−A
合併・政令市になって得したのは市長と議員
給与や報酬の大幅な引き上げに市民から怒りの声
前号でサービスは低い方へ、負担は高い方へとお知らせしましたが、合併で政令市になり、市長の給与と議員の報酬が大幅に引き上げとなっています。これに対し、市民からは「合併で得をしたのは、市長と議員だけではないか」と怒りの声が上がっています。日本共産党のさいたま市議団は、引き下げ条例案を提案して奮闘していました。
浦 和 市
合 併 前合 併 後
(報酬審議会答申)船 橋 市 市長給与 102万円 ※131万円 ※108万円 議員報酬 62万円 ※ 85万円 63万円 ※現在5%減額して実施 ※本来額124万円
● 生活道路の補修は5年も待たされる状況に
政令市になって国道県道の管理もさいたま市の仕事になりました。ところが仕事量にふさわしい財源が交付されないため、市民生活に直結する生活道路の整備や補修は、5年待ちの状況でした。
● 財源は必要額の7割程度しか交付されない
合併後見込んでいた地方交付税は見込額が交付されていませんでした。平成18年度は交付税不交付団体となっていました。結局増えた仕事はこれまでやってきた福祉や教育などの予算にしわ寄せされていました。さらに合併の際に特別に優遇される(返済金を国が交付金に上乗せ)借入金ですが、700億円もの借入をして区役所6カ所を建てたりしましたが、いまは不交付団体となったことで、国からの交付金はあてに出来なくなり、財政のやりくりが本当にきびしくなっていました。
● 市民の暮らしにいいことない合併、政令市移行
合併をしてまで政令市をめざす必要があるでしょうか。日本共産党は、合併の情報を市民に提供し、市民とともに是非を判断してゆきたいと思います。
■ 京成本線高架化完成−−平成18年11月25日始発から
船橋市の中心市街地を走る京成本線の「海神駅」から「船橋競馬場」までの2.5キロメートルの区間の鉄道を高架化して、踏切(16箇所)をなくす連続立体交差事業がすすめられています。上り線は16年度に高架化され、下り線は、18年11月に工事が完了し、同25日(土)始発から高架に切り替えられることになりました。
京成本線連続立体交差事業は、千葉県が昭和58年度〜平成20年度にかけ、総事業費約700億円(国300億円、県200億円、市100億円、京成100億円)をかけて行われました。
今後の予定として、京成船橋駅2階、コンコース完成フェイスビルに接続、平成20年度、側道完成で完了します。
● 高架下の有効活用を
市が利用できる高架下の面積割合は約10%、1,800uです。現在船橋市は高架下利用検討協議会で利用を検討しています。日本共産党船橋市議団は、高架下の有効活用を求め、青少年の居場所づくりの施設、駐輪場の設置(駅前通りの歩道上の駐輪対策)等市民要求の実現に取り組んでいます。
■ 地獄絵と化した島―似の島(広島県)
8月4日から3日間、「核兵器のない平和で公正な世界」を求めて、広島市で開かれた「原水爆禁止2006世界大会」に参加し、原爆が投下された広島で負傷した被爆者が治療のために運びこまれた、瀬戸内海の「似の島」を訪ね、弾薬庫跡、防空壕、兵隊の「見張り台」などの戦跡を見学し、似の島で負傷者の収容にあたった元陸軍兵の方の体験談を聞いてきました。
広島港から約4kmの位置にある似の島には、消毒検疫所など軍事施設がつくられ、負傷者を収容する場所と決められていました。
1945年8月6日に原爆が投下され、つぎつぎと負傷者が似の島に送り込まれて、その数は1万人を数えたといわれています。収容にあたった方から、桟橋の船の中はそれまで見たこともない大やけどの人たちでぎっしりだったこと、手はゆうれいのように前に下げ、髪はボーボー、焼けてつぶれた顔のどこから声がでているのか分からない人から「兵隊さんお水ちょうだい」と言われたことなど、当時の惨状が報告されました。
青い空に青い海。瀬戸内の小さな島も、戦争・被爆によって地獄絵と化しました。1971年に617体の遺体、2004年にも85体分の遺骨が発掘され、今なお数多くの遺骨が眠っているといわれています。
「戦争を知らない世代」ですが、「戦後61年」を「戦前」にしてはならない、決して戦争は起こしてはならないとの決意を新たにしました。 (市議会議員 草野高徳)
■ 市議会が9月4日からはじまります。陳情請願のしめきりは9月1日午後5時までです。