2006年 10月 16日 NO.628
■ 子どもが入所できるなら、なんでもいい?−船橋市の待機児対策− 

 船橋市は保育園の待機児対策として、今年度新設するのは4園で、215名の定員増になると公表していますが、この中には、「認定子ども園」や、株式会社立保育園が含まれています。

「認定子ども園」では

 はじめての「認定子ども園」として、学校法人が夏見台に定員、幼稚園100人、保育園60人で来年4月開設予定です。
○保育料が法人の自由に設定できる
○契約は法人と保護者の直接契約
○「保育に欠ける」という認定が、実態として法人の主導で行われる
など、保育園とは全く異なり、しかも、船橋市として入所募集を行わない施設です。
市は、「待機児が減る」から解消になるといっていますが、保育に欠ける子どもが優先して入所できるという保障は、ありません。

● 本市で初めて設置される株式会社立保育園

 株式会社が上山町に定員45名、認可保育園として来年5〜6月ころ開園が予定されています。
 他市の株式会社立保育園では、
○ 保育士が大量にやめてしまい、行政から勧告処分を受けている
○ 最低基準の職員配置しかしていなかったために、電話や来客の応対はすべて保育士が行っていた
○ 国が負担する運営費を役員の外車購入などに流用したあげく、突然の廃園
など、法人の経営状況が原因で、安定した保育が継続されないという問題が起きています。
市は、「指導監査を行う権限がある、設置の際に適切に指導する」から問題はないとしていますが、指導・監査は、施設等の最低基準と保育指針について行われるので、法人の経営状況は指導・監査の対象とはなりません。
 つまり、突然、法人が倒産や撤退をして保育園が廃園になっても、船橋市には止める手だてがないのです。

● 待機児解消に実効性のある公立保育園

 保育に欠ける子どもを優先して入所させることも、企業のように経営状況に保育内容が左右されない点でも公立保育園こそ、待機児解消に重要な役割を果たします。
日本共産党は、引き続き、公立保育園の増設をめざして、力を尽くします。

■市街化調整区域の宅地開発は中止を

 市民から「最近大穴中学近くで大規模な宅地開発がされていることを知りました。このあたりはキジや狸が住む貴重な自然が残っています。自然が守れるようにしていただきたい」と手紙がありました。市に以下の2点をただしました。
@この附近は海老が作遺跡の隣接地域であり、遺跡の保存という点から調査をしているか。
A市街化調整区域の畑山林は、これまで新鮮な野菜の供給、自然の遊水池、市民の憩いの場などとして重要な役割を果たしてきた。本来宅地開発ができない調整区域での住宅建設は中止を含めて見直しをすべきではないか。

● 調整区域の開発基準の強化を検討中

 市は、「埋蔵文化財について調査し、1箇所は遺跡があったので、市として本格調査をしている、もう1箇所については試掘で遺跡がなかった」との答えでした。
 また調整区域での宅地開発については「平成14年4月に基準を緩和してきたが、公共施設の整備状況や自然環境の保護などから宅地開発が好ましくない地域もあることから、開発基準の強化を前提に現在検討中」との答えでした。



■ 旭高校・西高校の存続を求める請願が県議会で継続審査に


 10月11日閉会した県議会で、船橋旭高校・船橋西高校を守る会が出した「船橋旭高校・船橋西高校の存続を求める請願」が継続審査となりました。7月に県教育庁が発表した県立高校再編計画第3期プログラム案で統廃合の対象になった船橋、市川、松戸、我孫子の4つの地域で統廃合に反対する会がそれぞれに結成され、県議会に請願していたもので、いずれも継続審査となっています。
 県議会文教委員会では、日本共産党議員から「生徒数が増加する地域で学校を減らす理由がなく学校数を減らすより少人数学級化こそ必要」「計画案の住民説明がまったく不充分で進め方も問題がある」等の指摘がありましたが県教委は再編プログラムをそのまますすめる姿勢を崩しませんでした。

● 強引なすすめ方に自民議員も批判

 学校から保護者に周知する余裕さえない夏休み直前の計画発表や説明会を周知もせずに開催するなど「県計画の高校再編には賛成だが、今回の計画発表のすすめ方が、1期2期に比べ早すぎる」として県教委の強引な手法に自民党議員からも批判の声が出されました。
 県教委は計画の決定を「広く県民の意見を募集し県議会の意見を聞いた上でおこなう」としてきました。県立高校を減らさないでと言う県民の声を真摯に受け止め統廃合計画をやめるべきです。