2007年1月15日 No.634

■ 自民・保守、公明、民主どうして反対?
     「介護ベッド」「障害者福祉」「障害児の療育」
    
12月市議会で日本共産党は3つの条例案を提案しました

●「高齢者自立支援のためのベッド貸与に関する条例」

 昨年改定された介護保険法では要支援と要介護1に認定された人への介護ベッドの貸与を給付の対象からはずしました。その結果、昨年10月には市内約800人の高齢者が介護保険のベッドを使えなくなりました。
  こうした介護保険のベッドを利用できない軽度の認定者に船橋市が福祉制度として介護ベッドを貸与する市独自の制度を提案したものです。

●「自立支援法に基づく利用者負担額の助成に関する条例」

 自立支援法の施行で、障害者が利用するさまざまなサービス支援の利用料が所得に応じた負担から利用した量に応じた負担にかわりました。障害が重い人ほど重い負担になったり、作業所で得る労賃より利用料が高くなり、必要なサービスが受けられなくなっています。またマザーズホームの療育まで利用料を求めています。提案した条例案は低所得(非課税)障害者の利用料と障害児の療育利用料を免除する内容です。

●「児童福祉施設入所費用助成条例」

 やはり自立支援法の影響で、障害児の療育訓練をおこなう「さざんか学園」などの利用料も所得に応じた負担から定額の利用料にかわり、月数千円が2〜3万円に値上げされています。条例は値上げされた利用料を元の金額に戻すものです。

●自民・公明・民主の反対で否決された条例案

 日本共産党提案のこれらの条例案は、昨年施行された改定介護保険法や障害者自立支援法によってサービスが打ち切られたり、異常な負担増で「とても耐えられない、何とかして欲しい」という悲痛な声に応えたものです。
  どんなに国が悪政を行っても市民を守るのが自治体の役割であり、市議会もまた同じです。ところが、これら3本の条例はいずれも自民党・保守会派、公明党、民主党の反対によって否決されてしまいました。
  これらの会派は、条例をつぶし、市民の切実な声に背をむけたことを何んと説明するのでしょうか。

■ 12月議会
   東京湾の一角に原発相当の原子力空母が!

  「東京湾の一角に原子力発電所が建設」という事態になれば、大きな問題としてマスコミもとりあげることになると思います。ところが原発建設以上に危険な事態がつくられようとしているのに、マスコミはおろか、政府も東京湾を取り巻く神奈川県、東京都、千葉県内の各自治体も、ことの危険性を住民に知らようとしていません。
  2008年、神奈川県・横須賀港に原子力空母ジョージワシントンが配備されることになりました。「ジョージワシントン」の熱出力は60万kw、福井県・美浜原子力発電所の1号炉に相当する規模になります。「美浜原発」といえば、3年前の「蒸気もれ事故」で、5名の死亡者を出し、日本の原発史上最悪の惨事を引き起こしています。

●原子力空母は危険のかたまり

  「原子力空母は安全です」と日米両政府ともに言いきっています。本当でしょうか?
  原子力発電所であれば、建設地の地質等の環境や発電所の構造・設備が災害防止に安全か等の安全審査が行われます。しかし、原子力空母はその「安全審査」もないまま配備されようとしています。
  また、・船の中で絶えず振動衝撃にさらされる・海難事故による原子炉の破損の可能性・原子炉と高性能火薬や航空機燃料との同居など、原子力発電所にくらべて事故の危険性がきわめて高いことが指摘されています。
  何より原子力空母は軍事機密で安全を確かめることはできません。いざというときには、周辺の安全より軍事行動が優先されることは軍の宿命なのです。まさに危険のかたまりです。
  船橋市と横須賀市との距離はわずか53kmしかありません。市民の平和を守る視点に立ち、「横須賀港への原子力空母の配備に反対の表明をすること」を市長に求めました。
  市は、「外交や防衛は国の所管事項。日米両政府、神奈川県、横須賀市と米国との協議等を注視し、市民の安全・安心という観点から的確に対応していく」と答えるのみでした。