2007年8月27日 No.645

 

■ 医療費削減の医療大改悪

 ・来年から腹囲とBMI(肥満度)重視のメタボ特化健診に?

 来年から、 今までのような健診が受けられないかもしれないと言うことをご存じでしょうか?
  国の 「医療構造改革」 の一環としてすすめられている特定健診・特定保健指導実施計画では、 メタボリックシンドロームに特化した健診を行う一方、 今までの基本健診の項目が大幅に減らされる内容になっています。

 ・「早期発見・早期治療」から「医療費削減の手段」 へ

「医療構造改革」 では、 2025年までに8兆円の医療費削減が目標です。 そこで政府は、 医療費の多くを占める糖尿病を予防するために、 メタボリックシンドローム予防の特定保健指導のため、 プログラム作成の手段としての健診を実施するとしています。
  これまで病気の早期発見・早期治療という視点で実施されていた健診を、 腹囲とBMI (肥満度) のみを重視し、 心電図や眼底検査・貧血検査等は二次検査でしかやらないという内容に変える計画です。。

 ・「メタボ改善は民間スポーツジムで」?

 健診の実施主体は、 国や自治体から各健保組合に変わり、 健診事業に対する国の責任は放棄されます。 メタボを予防するための特定保健指導では、 「健康増進施設 (スポーツジムなど) の活用」 が提案され、 製薬会社や損保会社などが、 「保健指導は我が社に」 と営業を開始しています。
  保健指導の実施は企業のスポーツジムに通うなどの個人任せで、 メタボが改善されたかどうかは、 6ヵ月後に体重と腹囲の測定を行なって判断されます。 痩せて体重がおちればよいというプログラムの実施で、 本当に健康を維持することが出来るでしょうか。
  憲法25条第2項に掲げられている 「公衆衛生の向上および増進」 という国の責務が放棄され、 自己責任と企業が行う 「健康づくり」 で安上がりの医療をめざしているのです。
  日本共産党は、 国のいいなりにメタボだけに特化するのではなく、 「疾病予防・早期発見」 という本来の健診・保健指導が実施されるよう、 とりくみをすすめていきます。

 

■ 核兵器のない平和で公正な世界を
    原水爆禁止世界大会に参加

 8月7〜9日、 長崎でひらかれた原水爆禁止世界大会に参加してきました。
  政府の代表を含む海外からの参加者や全国から7千名が参加し、 被爆体験を受け継ぎ、 核兵器廃絶のために力をあわせようと熱気に満ちた大会でした。
  韓国民族和合運動連合の代表は 「非核非同盟の北、 南、 日本を世界に認めてもらう、 核兵器廃絶は世界のすべての人がこぞって立ち上がらなければならない正義のたたかい」 と訴えました。 70歳代と見受けられるその方の流暢な日本語に、 「侵略」 の歴史を思い、 加害国である日本の私たちへの連帯の呼びかけに大きく心を揺り動かされました。

 ・被爆者の体験を引き継いで

  「10歳のとき被爆、 親も亡くした。 妹はお腹に蛆虫がわき、 臭いと言われ、 生きる辛さに電車に飛び込み自殺してしまった。 卵巣、 子宮…体中いたるところ肉を刻み骨を削って私は生きてきた。 私たちにはもう先がない。 若い人たちに核兵器廃絶の運動を継承してほしい」 との被爆者の訴えは、 心に深く染みいり、 被爆体験を引き継ぐことが、 核兵器廃絶への大きな原動力になることをあらためて感じました。
  「あなたたちに何がわかると言われることもあるけど私たちは学び伝えていきたい」 「継承から発信へ――胸に刻まれた思いは核兵器廃絶」 との高校生や青年たちの熱い思いもたくさん語られ、 大いに励まされました。

 ・兵器廃絶・軍事費削減を

 世界大会のスローガンは 「核兵器のない平和で公正な世界を」。 今世界は、 極貧の中、 寝たきりの体力を維持するだけのカロリーも取れずにいる人、 幼い子どもたちの死、 エイズやマラリアなどの伝染病の広がり、 初等教育も受けられない等々の問題解決をせまられています。
  日本でも年間100人近くの餓死者がでているなど命が奪われる貧困が広がる中、 毎年5兆円もの軍事費、 そして米軍基地のグアム移転などに今後3兆円ものお金をつぎ込む計画です。
  核兵器を頂点とした軍事費を減らしていくことは貧困と格差をなくすためにさけられない緊急の課題です。 国連で 「核兵器廃絶」 の決議に賛成をしない被爆国日本の政府を変え、 「非核の日本」 を求めていく運動をごいっしょにすすめていきましょう。
(渡辺ゆう子)