2007年9月18日 No.648

 

■ 9月市議会
   市長が条例提案 農地や緑地区域の開発を抑制

  船橋市では、市街化調整区域での宅地開発がすすみ、周辺農地や自然環境に深刻な影響が出ています。
 日本共産党は、市の「開発行為の基準」を見直すよう、強く求めてきました。
 今議会には、ようやく市として一定の抑制を行う条例が提案されました。今回の条例では、

 ●農業振興地域は開発行為の対象としないこと
 ●宅地開発にあたっては、6.5メートルの幅員を持つ道路に接していること
 ●開発前の農地が貯留していた雨水水量と同程度の雨水流出抑制施設を設置すること

などの基準が明確にされ、市街化調整区域での都市問題に一定の効果が期待されます。
  しかし、市街化調整区域での開発行為自体は認める姿勢です

 ・労働環境は「国にならい」、障害者の医療費助成は「県にならい」

 市の職員の退職手当支給要件を変更する条例では、これまで対象要件となっていた在職期間を6ヶ月から12ヶ月に延ばします。「改正」の理由は国が制度を変更したからで、国が制度を悪くすると市も悪くするという姿勢そのままです。
  また、重度障害者の医療費助成制度では、助成の要件である市町村民税の所得割額を20万円から23万5千円に拡大し、庶民増税の影響で対象者を減らさないための救済措置が提案されました。
  しかし、今年4月に千葉県が所得制限を導入し、市も同様に変更したことにより必要となった措置で、所得制限がなければ、庶民増税の影響を受けることもありませんでした。
  所得制限の撤廃こそ行うべきというわが党の指摘に対しては、「実施は困難」との回答しかありませんでした。

 ・市の独自施策の拡充こそ急務

 9月議会は参議院選挙後初の議会であり、選挙で示された、貧困の拡大や憲法改悪に対する厳しい批判は、地方自治体としても受けとめるべきではないでしょうか。
  今回の市長提案の中には、市民と日本共産党との運動による若干の成果もありましたが、市が「国の悪政から市民をまもる」という、意思表示は行われませんでした。
  日本共産党は、今議会でも引き続き、市民のくらしを守れる船橋市の実現に向けて取り組みます。


■ 9月議会一般質問
  広がる生活困窮の子育て世代 積極的な経済支援策を

 子育て中の市民の「子育てにお金がかかって大変、何とかならないか」の声が非常に高まっています。市として子育て支援策に経済的な支援をこれまで以上に積極的に位置づけるよう取り上げました。

 ・幼稚園保育料の軽減を

所得が落ち込む一方で市内私立幼稚園の父母負担は99年度保育料1万7900円(月)、入園料5万6000円だったのが年度は保育料2万95円(月)、入園料5万7500円に上がるなど負担は増えています。今年度、船橋市は私立幼稚園の就園児補助金を年額1000円増やしましたが、月100円にもなりません。大幅引き上げと低所得者対策を求めました。学校教育部長は「総合的に検討していきたい」という答弁でした。

 ・子どものインフルエンザ予防接種助成

高齢者に行っているインフルエンザ予防接種への助成を子ども達にも適用するようにという提案には健康部長が「法的根拠がないので考えていない」と答えましたが、助成を始める自治体が広がっていることについては「他の動きは調べてみたい」と述べました。

 ・妊婦健診の公費負担

自己負担となっている妊婦健診への助成では、「県の市長会と医師会が統一単価について交渉中で結果を踏まえて対応する」との答弁がありました。


■ 深刻な所得の落ち込み

子育て世代の所得の落ち込みは深刻なものがあります。市内の30代(31才?40才)の市民一 人当たりの平均所得は99年の282万7474円から06年の241万7055円に7年間で年間41万419円も下がっています。就学援助制度の受給者も99年度の小学生3.3%、中学生3.7%から06年度の小学生7.4%、中学生9.6%へと急増しています。
  親の経済的事情で子どもの成長する権利がおかされないようにするのは行政の責務です。安心して子育てができるようこれからも子育て支援強化を取りあげていきます。