2007年12月17日 No.657

●国民健康保険料引き上げはやめよ●

 11月の決算委員会で市長が「20年度は値上げをしなければならないのかという、そういった感じをもっている」と国保料値上げを容認する発言をしたことに対し、市民から批判の声が上がっています。 12月議会には市民から「これ以上の負担は耐えられない」と国民健康保険料の引き上げ中止の陳情が出されました。

「なるべくなら値上げしたくない」と市長

  日本共産党は「国民健康保険料を引き上げないこと」を求め質問しました。
  07年までの7年間で、(納税義務のある)市民の平均所得は35万円も減少しています。年金所得の平均的な夫婦世帯の試算では、08年までの5年間分の国保料・介護保険料・税金の負担増は、合計12万円以上にのぼります。
  「暮らしが大変でこれ以上の負担はできない」というのが多くの市民の声であり、国保料の引き上げをしないよう求めました。
  健康部長は「相互扶助である」などと述べましたが、市長は「なるべくなら値上げはしたくない」と答えています。

市民の願い切り捨てる保守・公明

  12日開催の健康福祉常任委員会では、「国民健康保険料引き上げ中止」を求める陳情が審議されました。
  国保料滞納が加入者の15%・約15000世帯に達し、9500世帯には4ヶ月期限の短期保険証が発行され、1700世帯は期限切れで使えない保険証のまま放置されているなど、異常な事態になっており、この最大の原因は保険料が高すぎることにあります。
  また高齢者は、年金控除の縮小で、昨年、今年と2年連続の実質値上げになっています。その上保険料引き上げが行われれば、「国民皆保険制度の崩壊につながる」と日本共産党は指摘しました。
  公明党議員からは「制度が持続可能であるかが一番重要」、市政会議員からは「制度安定のために上げざるを得ないのであれば納得」など反対意見が出され、反対多数で陳情は不採択とされてしまいました。


船橋市の特別支援教育
●「特別支援教育支援員」の配置はゼロ●

 今年からはじまった「特別支援教育」では、通常学級に在籍するLD・ADHD児など、軽度発達障害を持つ子どもたちに特別な教育をおこなうことが、学校の重要な仕事の一つとされました。
  しかし、船橋市では、こうした子どもたちへの支援を担う、「特別支援教育支援員」を一人も配置しないという体制のままで、軽度発達障害児の受入を行いました。
  このため、各学校普通学級の受入れでは、従来の仕事に加え、担当に指名された教職員が、今までの仕事をこなしながら、特別支援教育も行うという、大変な過重負担になっています。

「子どもにとって必要な」職員配置を

 軽度発達障害を持つ子どもたちに、少人数学級で対応する「通級指導教室」は、市内に中学校に1教室、小学校に3教室ありますが、通級希望者が大変な勢いで増えています。
  小学校の通級教室では、平成15年の設置時には6名だった児童数は、現在は80名になり、昨年との比較では、30名も増えています。来年度もすでに20名以上の希望者が見込まれている状況です。
  船橋市では、通級指導教室の担当者として、千葉県に12名の職員配置を要望しましたが、実際に配置されたのは11名でした。
  通級指導教室では、一人ひとりの子どもに応じた個別の指導計画をたてて指導に当たります。子どもの数が増えているのに、担当職員が増えなければ、子どもの状態に応じた指導計画をたてていくことも、指導に必要な時間を確保することも出来ません。

教職員の過重負担改善せず

 12月議会の一般質問で、来年度の職員配置について、改善を求めました。市は、すでに配置している特別支援学級の介助員、通級指導教室コーディネーターなどを「特別支援教育支援員」として位置づけ、新たな配置は行わないことを明らかにしました。
  船橋市は、「可能な限りの対応をしている」と答弁しましたが、いま、学校現場で求められているのは、一人ひとりの子どもに応じた対応で、これは、職員の配置を増やさなければ改善できません。このままでは子どもの「学習する権利」を守ることはできません。
  日本共産党は、来年度の体制が十分に確保されるよう、国・県にも働きかけながら、引き続き、力を尽くします。