公営住宅法施行令の一部が「改正」され、2009年4月から入居の収入基準が引き下げられ、家賃の値上げ・追い出しがすすめられようとしています。
入居収入基準の変更(月額)
項目 |
現行 |
改正後 |
入居収入基準、収入超過者となる収入基準 |
20万円 |
15.8万円 |
裁量階層の入居収入基準(割増家賃対象) |
26.8万円 |
21.4万円 |
高額所得者となる収入基準(退去対象) |
39.7万円 |
31.3万円 |
家賃値上げ:県営住宅現入居者への影響
月額 5,000円以下の負担増 |
3,236世帯 |
18.3% |
月額 5,000円超、15,000円以下の負担増 |
1,013世帯 |
5.7% |
増減なし |
13,456世帯 |
76.0% |
現在の県営住宅世帯数(08年1月31日) |
17,705世帯 |
100% |
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10年前の公営住宅法改悪で、公営住宅に入居申し込みができる入居収入基準が、諸控除後の収入(政令月収)で20万円に設定されました。全国の2人以上の世帯を収入の低い順に並べ、低い方から25%にあたる収入を入居収入基準にしたのです。しかし、国民の所得が減り、現在では「20万円」が低い方から36%に変化したので、25%にあたる15万8千円を収入基準に変更するというのです。割増家賃対象の裁量階層、退去対象高額所得者の基準も引き下げられ、現入居世帯の約30%が家賃値上げ、約10%が明け渡しの対象となります。
千葉県では、◇新家賃は09年度から適用◇5年間の激変緩和措置を講じる◇関係者には秋頃から説明・対応に努めたいとしており、現入居者への影響は表のように試算されています。
船橋市でも、公営住宅法施行令一部「改正」は、県同様にそのまま市営住宅にあてはめて適用されますが、まだ市営住宅入居者への影響などの検討はされていません。
公営住宅の新規建設がほとんどないまま、国民の所得が減ったから収入基準を下げるというのでは、必要な人が入居する機会が奪われてしまいます。
日本共産党は『住まいは人権』の立場で住宅政策の転換を求めていきます。
「用途地域の決定」は都市計画審議会の重大な仕事
それが「ないがしろ」になっていて良いのか?
――都市計画審議会に「建議」を提案 |
5月15日に開かれた、船橋市都市計画審議会で、議会から選出されている「共産党の委員」から、委員の皆さんにおおよそ次のような内容の「建議をする提案」をしました。
1、建築基準法の別表では、住居地域以外にも「住宅を建設することができる」とはなっているが、全部が住宅の巨大なマンションなどは規制し、商業や工場経営のために必要な住宅に限定すること
2、 現行のままであっても、「住居地域以外の地域に住宅を建設する場合」は、少なくとも住居としての水準を確保するため、「住居地域と同一の環境」を保証させること
■半世紀後、商業地域に建設された
超過密マンションはどうなっている?■ |
船橋市内では、船橋駅や南船橋駅周辺などの「商業地域に」巨大なマンションが次々と建設されています。
都市計画法が大改訂されたのは昭和43年ですが、その当時は、商業地域や工業地域から「全部の住宅を排除」すると、商店主の住宅や工場の社宅などもだめということになるので、「認めておくしかない」としたものです。
ところが、マンション形式の住居が建設され始めると、商業地域は建ぺい率も容積率も「住居地域より緩やか」だということに注目したマンション業者が次々と「容積率400%」などという超過密なマンションを建て始めたのです。
もちろん住居地域ではないから「日陰規制なし」で、「日の当たらないマンション」も堂々と作られ売られているのです。
半世紀後、こんなマンションがどうなっているでしょうか?人口が増え続け、土地の価格が上昇し続けるのであれば、「壊して再建築する」という方法もありますが、「建物を除却する費用が土地代より大きくなる」事態もあります。
そうなれば、取引など成立しなくなり、廃墟となったマンションの安全確保が、地方自治体に押しつけられることになります。
こんな悲惨な結果が見えているのに、都市計画審議会が「それでも仕方がない」と、「ただ決定」していれば良いのでしょうか?
「わからなかった、都市計画審議会委員」と、後生の市民に評価されたくはありません。
都市計画審議会の仕事は、
@ 都市計画に関する事項の「調査審議」
A 関係する行政機関に「都市計画に関する事項」について「建議する」
という2つとなっています。
このあと、8月には「都市計画審議会を開く」ことになっていますので、「建議の内容」を決めたいと思っています。
//用途地域
街づくりの計画で、住居・商業・工業地域など、地域別に土地利用を定める制度。
//容積率
敷地面積に対する、建築物の延べ床面積の比 |
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