2010年12月20日 No.734

◆企業優先だけでいいのか、税制見直し!

公立保育園民営化計画の撤回を

 12月3日、「船橋市保育のあり方検討委員会」から市長に「提言書」が提出されました。公立保育園5園の民営化、来年4月の対象園公表などが盛り込まれています。
  委員会では、「民営化」を積極的に主張したのは市の職員と市外からきた「有識者」といわれる人たちだけ。
委員の間で賛成意見と反対意見が真っ向からぶつかり合い、意見の一致はみられませんでした。
物別れして終わったものを「これ以上やっても議論は平行線だ」と一方的な意見だけを述べたものを「委員会の提言」などと言うことはできません。

公立保育園増設こそ

 委員会では、第一次報告書に対して市民の意見募集を行いましたが、わずか20日間ほどの短期間に900通を超える市民意見が寄せられ、そのほとんどが「民営化反対」の意見でした。
  保育に欠ける児童に保育を実施することは、児童福祉法に定められた市町村の義務であり、民営化は自治体としての責任を放棄していくものにほかなりません。
  民間だけに頼った保育園整備では待機児童が解消できないことはこの間の現実がはっきりと示しています。12月1日現在、実に1162人もの子どもたちが保育園の空きを待っています。いま市がなすべきことは責任をもって公立保育園を増設することです。

無駄遣いの財源 捻出したいだけ

 市は「民営化により捻出する財源を待機児童への対応に活用する」といっていますが、保育園の定員増計画は現行計画より大幅に削り込むものとなっています。「結局、保育以外の事業のための財源を捻出したいだけではないか」という質問に対し市は、「財政が厳しい」などというだけでまともに説明できませんでした。
  公立保育園の民営化は、船橋の保育の質を切り下げ子どもたちを犠牲にすることと引き替えに、無駄遣いの財源を捻出するためのものとしか考えられません。「どこから見ても一片の道理もない」公立保育園民営化計画は白紙撤回すべきだと強く求めました。
  来年4月には市議選があります。力を合わせてこの暴挙をくいとめましょう。

市民の声を市政に届ける 市長と行政を監視する
議会の役割を否定する定数削減案は否決に

 会の役割を低下させる議員定数の削減案が12月議会に提出されましたが、14日の議会最終日に否決されました。
  市政会から出された案では定数を50人から40人に10人減らすというものでしたが、削減を競うように緑政会からは、15人削減する35人案が出されました。
採決の結果は、どちらも賛成少数で否決されました。

定数削減で、議会の機能が高まる?

 削減案の説明では「議会の機能を高めるため」などと述べられましたが、そんな理屈は通りません。
 議員の仕事は「市民の声を市政に反映させる」「市長と行政を市民の立場でチェックする」ことで、議員は市民の実態や要求をつかむセンサーの役割を果たさないと、仕事ができません。
 議員の数を減らすというのはそのセンサーの密度を減らすことです。
 そうなれば、「機能を高める」どころか、「形だけの議会」にすることになります。
 船橋市は法定定数56人のところすでに6人削減し、50人が定数となっています。
 市は、市民意識調査などを行いますが、どの声を取り上げるかは市長の判断ひとつです。
 それに対し、「直接市民から得た」多様な意見を反映して、「議会で審議し議決」する仕組みは、主権者である市民の意向をより正確に反映させるための機能で、重要な役割を持っているのです。
 最近マスコミを先頭に「議員を減らせ」という声が少なくありません。
 しかし議会の役割から考えれば「議員を減らせと煽る」側の狙いは行政への国民・市民の関与を排除し、政官財の癒着の構造をますます強めることといえるのではないでしょうか。

お金の話なら、別の道がある

 また、議会費を削減するために議員を減らせ、という議論もあります。
 議会費の削減を正面から検討するならば、議員の報酬を引き下げるとか政務調査費を減額する方法とかをまず検討すべきではないでしょうか。
 さらには、ヨーロッパなどに見られるように、「ほとんど報酬のない」「たくさんの議員」で、「議会も休日とか夜間に開く」などで、多くの市民の意見を反映できるよう な制度も検討した方が良いのではないでしょうか。
 乱暴な「議員定数削減」の裏に何があるか?考えてみて下さい。