東武線新船橋駅東地区旭硝子跡地と新京成高根公団駅東側高根台地区の地区計画にかかわる条例改正が提案されました。
この新船橋駅東地区計画(11.9ヘクタール/野村不動産㈱・三菱商事㈱が開発)は、計画区域内の77.3%の部分を建物の高さ20m以下の制限から31mに緩和する内容になっています。市は、横に広がる建物を縦に高くして空間を多く取る、通風もよくなると言いますが、それぞれの事業者がその敷地内でマンションをどのように建てていくか、ということまではわかりません。それぞれの勝手な考えで建設され、出来上がってみなければ、どのような空間になるのか、全体がどうなるかはわからないのです。これで「良好な環境をつくる」という目的がかなうのでしょうか。
市は、乱開発を防ぐために、「駅前広場や公園、地区内の道路を確保した」といいます。しかし、それだけでは困ります。人々が住まうには、公園や緑はもちろん、保育園や学校、集会所などの整備、日照や通風、快適な空間といった環境が不可欠です。建築物の高さ20m制限もそのひと
つの条件であったはずです。それを緩和してよい環境、といえるで
しょうか。
また、1500世帯が新しく住むことになるこの地区に新たな学校をつくる計画はありません。そして、周辺の学校はいっぱいだから、遠くの空きのある学校まで通えばいいと、JR船橋駅東側の市場小学校に通うことになっているのです。
人口に見合った公共施設と一定の空間がきちんと配置されるということが、まちづくりの基本です。必要な環境を確保できないのであれば、人口を抑制する計画が必要です。
新たなまちづくりでどのように環境を整えていくのか、人々のくらしを大切にしたまちづくりの理念が求められます。
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