発議案第8号                               戻る

船橋信用金庫の破綻処理に関する意見書

 

 本年1月25日、本市に本店を持つ船橋信用金庫が金融庁に破綻処理の申請を行った。当信用金庫は、創業以来70年間「ふなしん」の名で愛され、地元に根づき、本市を中心に商工業者の営業を助け、地域経済の発展に貢献してきた。今回の「破綻」で預金者や出資者、借り手、職員に大きな不安と動揺が広がっており、船橋地域経済関係者も衝撃を受けている。

 破綻の原因となった債務超過、14億7,600万円は、金融庁の金融検査マニュアルを使った検査によって、これまで正常債権とされたものを一方的に不良債権としたことでつくられたものであり、まさに国策による破綻である。検査マニュアルが中小業者への融資実態と合わないことは、柳沢金融担当大臣も国会答弁で認め、改訂の可能性に言及しているが、この国会答弁に反するものである。

 船橋信用金庫と東京東信用金庫との間に業務引継ぎのための基本合意が締結されたと報じられているが、船橋信用金庫の破綻は、多くの借り手を整理回収機構(RCC)に送り、中小商工業者を事業破綻に追い込むことになる。また、これまでの信用金庫の破綻では出資金が保護されてきたが、船橋信用金庫の破綻については出資金が保護されず、このままでは市民生活と地域経済に甚大な被害を及ぼすことになる。

 よって、政府においては、船橋信用金庫の破綻処理に関し、次の事項について、適切に対処するよう、強く要望する。

1. 国際的な金融ネットワークで活動する都市銀行に適用する金融検査マニュアルで、一方的に地域密着型の金融機関である信用金庫・信用組合の検査を行わないこと。

2. 船橋信用金庫がなぜ破綻したのか、経営状況、破綻の原因や経過、破綻処理の方法について徹底した情報開示を行うこと。

3. 融資先について、一方的な債権分類や整理回収機構への債権譲渡を行わないこと。

4. 手形の割引や貸付手形、返済条件変更など、これまで船橋信用金庫が行ってきた融資を、これまでどおりの基準で継続すること。

5. 船橋信用金庫の全職員の再雇用を保障すること。

6. 船橋信用金庫の全店舗の営業を引き続き行うこと。

7. 出資金を全額保護すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

  平成14年3月26日

船 橋 市 議 会

(提出先)

 内閣総理大臣、財務大臣、金融担当大臣、金融庁長官