藤代市政の2期8年 
        
日本共産党船橋市議団

 藤代市長は昨年の12月議会で3期目の市長選に出馬することを表明しました。2期8年の藤代市政は「生き生きとしたふれあいの都市船橋」をかかげ、3期目を控えた3月議会では「誰もが安心して暮らし次世代をになう子どもたちが誇りをもてる船橋市をつくる」と表明しています。しかし実態は掲げることばとはかけ離れたことが行われています。

藤代市政2期8年のツケを市民に押しつける「財政健全化プラン」

 最近、船橋市は盛んに財政状況が厳しいと市民に広報しています。市の財政悪化は、市民所得の落ち込みや過去に政府が行った政策減税などの税収減の影響もありますが、藤代現市政が行った最大の事業でもある船橋駅南口再開発事業の莫大な損失と、中核市へ移行したことによる事業費の増大が、最大の要因です。
 こうした自らつくった財政悪化の原因は隠したまま、2003年(H15年)船橋市は「今後4年間で300億円を超える財源不足が生じる」ので「財政の健全化をはかる」ためとして『財政健全化プラン』を策定し実施しています。その内容はまさに悪政のツケを市民に負わせ犠牲を強いるもので、@母子家庭や介護利用者への手当てや助成のカット、A保育料や国保料など料金値上げ、B市立保育園の外部委託化など、弱者切捨て、市民サービス後退と負担増計画が目白押しです。
 市民生活は毎年所得が落ち込み続け、さらに配偶者特別控除や年金所得控除、老年者控除の廃止・縮小、定率減税の廃止などの増税と、医療や年金など社会保障の後退で生活不安が高まる市民に、さらに『財政健全化プラン』で痛みを押し付けるやり方は自治体本来の仕事を否定するものです。
 「介護保険利用料助成をもとに戻して」「離婚母子家庭への手当てを復活して」の切実な声があがっています。「保育園の民間委託反対」では12万を超える署名が集まり、公民館使用料の有料化に反対する市民の運動のはじまりなど『財政健全化プラン』に対する市民の怒りが広がっています。
 藤代市政は開発の失敗に反省のないまま、引き続き市財政を圧迫させる海老川上流開発や船橋駅南口地区の再開発をすすめています。失敗のツケを市民に負わせ、さら悪政をすすめる藤代市政を、これ以上続けさせるわけには行きません。

●船橋市『財政健全化プラン』の主な内容と実施時期
内容 実施年度
1.
公共施設の
民間委託化等
公民館・図書館の非常勤・臨時職員活用 2004年度(H16)
老人福祉センターを全面委託 2005年度(H17)
一部の保育園を全面委託 2006年度(H18)
障害者施設「光風みどり園」「さざんか学園」「太陽」を全面委託 2005.2007年度(H17.19)
2.
市民サービス
の切り捨て
介護保険の利用料助成縮小 2004年度(H16)
母子等家庭児童養育手当を死別に限る 2004年度(H16)
交通災害・火災等災害共済事業の廃止 2004年度(H16)
葬祭業務の縮小
移動図書館の廃止を含めた見直し
2006年度(H18)
2005年度(H17)
3.
市民負担の
増加
来庁者駐車場の休日有料化 2004年度(H16)
来庁者駐車場の休日有料化 2005年度(H17)
自転車駐車場整理料の適正化 2006年度(H18)
公民館使用料の減免規定を見直し適正な使用料を徴収 2 2006年度(H18)
女性センター使用料を徴収 2006年度(H18)
国民健康保険料の適正化し、繰り入れ抑制 検討中
保育料の適正化 検討中
藤代市政2期8年の罪

1、船橋市の財政を悪化させた藤代市政


 船橋市の財政状況を悪化させた何よりの原因は、過去に行われた政府の政策減税(90年代後半の特別減税等)による住民税の減収に対して、国が地方財政への財源補償をしなかったことにあります。同時に、市長自ら「見直す」と公約していたJR船橋駅南口再開発ビル・フェイスの建設をバブル期の計画をそのまま強行したため、今後26年間にわたり市が財政負担をしていくことや、財源の見通しのつかないなか中核市への移行(県事業であった保健所業務・産業廃棄物許認可業務等の移譲を受けること)を急いだことにあります。現市長の責任は重大です。
@船橋駅南口再開発事業『フェイスビル』
 南口再開発事業の見直しを公約に掲げ市長になった藤代市長でしたが、2000年(H12年)3月、資金計画が破綻したバブル時代の1992年(H4年)当時の計画のまま、ビルの建設を着工しました。計画は、建設費を銀行から借り入れ、完成後ビルの床の一定部分(約30%)を売却して返済することになっていましたが、地価が下落し1992年(H4年)当時の評価額では売れません。借り入れた176億9000万円は返済不能となり、船橋市は莫大な損失を抱え込むことになったのです。
 船橋市は、この借入金の返済を2031年(H43年)までの30年間の分割返済に変更し(214億4800万円)、売却予定の床は賃貸して賃貸料を返済にあて(82億5100万円)、返済額の不足(131億9700万円)を市が損失補てんすることにしたのです。しかも賃貸収入が過大な見積もりになっておりさらに損失が拡大することが予測されています。このほか事業費の市負担5億300万円があり、毎年の市の財政へは大変なしわ寄せになっています。
 また、この南口再開発はもともと椛蝸ム組など大企業の大口権利者(表2参照)が所有する既存建物の建替え事業であり、したがって莫大な市の税金はつぎ込んでも完成後のフェイスビルは船橋市の所有ではありません。入居している船橋市の総合窓口も毎年賃貸料を支払っているのです。結局、老朽化したビルを税金で建替えてもらった大口権利者ばかりが利益を得た事業だったのです。
 藤代市政は、このように市民に莫大な損失を与え、大企業に恩恵を与える再開発事業の失敗に反省のないまま、さらに海老川上流部開発や船橋駅南口地区の再開発を推進し財政支出を続けています。
(表1)大口地権者5法人の従前の総資産に占める割合
日本生命保険 みずほ銀行 UFJ信託銀行 中央三井信託銀行 椛蝸ム組 合 計
16.8% 16.7% 13.4% 3.8% 7.9% 58.6%
  ☆権利者合計62人(うち8人転出)
  ☆「フェイス」ビルの従前建築物 27棟(店舗等)
(表2)事業費総額  421億600万円
国、県補助金 99億9600万円
船橋負担金 134億7400万円
銀行借入金※ 176億9000万円
その他 9億4600万円

(※)借入金は、余剰のビル床(保留床)を売却して返済する予定であったが売却できず、その損失は船橋市が負うことになる。



(表3)借入金の返済計画−2031年(平成43年)までの30年分割
返済総額 214億4800万円
  借入金 171億 500万円
  利息    43億4300万円
賃貸収入 82億5100万円
船橋市の損失補てん 131億9700万円
  ☆船橋市はこの他事業費5億300万円の負担
(表4)フェイスビルに入居する公共施設の賃貸料共益費(年間)
5階船橋市総合窓口センター 8147万円
6階船橋市民文化創造館lきらら 6335万円
  ★その他 2005年度(H17年度)予算に計上されている開発予算
   本町1丁目市街地再開発事業費 2億280万円
   海老川上流地域づくり促進費    500万円
   (1995年度からすでに1億700万円超を投入)

A中核市移行による事業費の増大
 政府の地方切り捨てが進む中で、地方交付税を当てにした中核市への移行は増大する事業費の負担が財政を圧迫すると心配したとおり、交付税は年々減少し、増大した事業費が負担になっています。
(表5)中核市の経費と普通地方交付税
中核市移行により増加した事業費 普通地方交付税
※中核市移行に伴う国からの交付金
2002年度 0円
2003年度 28億6000万円 41億3668万円
2004年度 28億6000万円 20億3000万円
2005年度 28億8000万円 10億     円

2、市民サービスを後退させた藤代市政

@連続して続く福祉の切り捨て
 福祉の切り捨ては、『財政健全化プラン』以前から藤代市政のもとで進められてきました。表のように、これまで市民が築いてきた船橋市独自のサービスを次々と切り捨てています。
(表6)この3年間に藤代市政が実施してきた福祉・暮らし切り捨て
2002年度 敬老祝い金削減 1億4000万円
敬老会行事費削減 6400万円
ガン検診の有料化 7000万円
高齢者インフルエンザ予防接種有料化 1600万円
粗大ゴミ収集の有料化 1億1000万円
2003年度 68歳・69歳医療費助成大幅カット 4億2000万円
各種高齢者福祉サービスのカット 1600万円
2004年度 離婚母子家庭への養育手当切りすて 2億8000万円
介護保険利用料助成の削減 5000万円
合       計 11億6600万円

A学校給食、保育など事業の外部委託化でサービス後退
 藤代市政は2000年度(H12年度)に市民の大反対にもかかわらず、小学校給食の民間委託化を強行し、すでに小学校55校中19校で外部委託化され、全国一と誇った手作り給食の質ががた落ちです。しかも、委託料の値上げで目的とした経費節減どころか経費増となっています。
 保育水準の低下をまねく保育の民間委託化が『財政健全化プラン』で打ち出され、子どもの保育を心配する保護者を中心に広く市民が委託化反対運動に立ち上がっています。しかし、今年(2005年)の3月議会で市は「計画通り委託化は進めます」という立場をくずしていません。
 また、指定管理者制度を導入し、一層のサービス後退と行政責任の放棄も進めています。

B教育や福祉・暮らしの環境を悪化させた

 藤代市政のもと、特に深刻なのが学校施設の老朽化です。築年数が経過しているにもかかわらず学校改修のための学校建設費(表7参照)が年々減少し、雨漏り、外壁の落下、トイレの故障・悪臭など、校舎はぼろぼろです。
(表7)小中学校の建設費(改修費)の推移(決算ベース)

 

小学校

中学校

合計

1990年(H2)

23億9425万円

18億5025万円

42億4450万円

1995年(H7)

16億573万円

22億7982万円

38億8555万円

1997年(H9)

9億9480万円

13億3064万円

23億2544万円

1998年(H10)

7億3682万円

13億4720万円

20億8403万円

1999年(H11)

3億7250万円

6億7881万円

10億5131万円

2000年(H12)

4億3881万円

3億3901万円

7億7782万円

2001年(H13)

4億9309万円

4億4468万円

9億3777万円

2002年(H14)

3億7780万円

1億5238万円

5億3018万円

2003年(H15)

4億4340万円

4億6976万円

9億1315万円

2004年(H16)予算

9億4286万円

4億4008万円

13億8294万円

2005年(H17)予算

9億3463万円

5億5910万円

14億9373万円

 市内には小中学校あわせて82校あります。1981年以降に建設された6校を除いた学校は、耐震診断をすれば必ず何らかの補強工事が必要だとされています。ところが市はまだ耐震診断されていない学校を26校も残し、診断済みの51校のうち9校の補強工事を終了させただけで、あとは放置されたままになっています(表8参照)。
学校は、子どもたちが昼間の大半を過ごし、学ぶ場です。また、災害時の市民の避難場所でもあります。学校での被害は絶対に出さないようにしなければなりません。
(表8)小中学校の耐震診断および耐震補強工事の現状

 

対象校

耐震診断

補強工事

 

診断済

未診断

工事済

未工事

小学校

52

35

17

6

46

中学校

25

16

9

3

22

合計

77

51

26

9

68


 子育て支援では、保育所不足が深刻で、待機児が急増しています(表9参照)。特に年度後半は船橋市内に入所できる保育園がほとんどありません。しかし新たな保育園建設を民間まかせにして、今年度(2005年度)は増設の計画がありません。藤代市政は待機児問題の解消を事実上放棄しています。また臨時職員の比率が増加している問題も深刻です。
(表9)保育所の待機児童数の推移

年度

1997

(H9)

1998

(H10)

1999

(H11)

2000

(H12)

2001

(H13)

2002

(H14)

2003

(H15)

2004

(H16)

2005

(H17)

待機

児数

22人

3人

6人

8人

16人

41人

160人

192人

244人


 特別養護老人ホームも依然として市内待機者(表10参照)が900人にのぼりますが、今年度(2005年度)のあらたな建設計画はありません。また、経管栄養など医療的管理が必要な要介護高齢者が入所する療養病棟が23ベッドしかなく(目標285ベッド)、市外の施設に頼らざるを得ないのが実態ですが、整備要望に藤代市政は「他市の施設の利用を」と全く無責任です。
(表10)特別養護老人ホームの待機者数の推移

年度

1997

(H9)

1998

(H10)

1999

(H11)

2000

(H12)

2001

(H13)

2002

(H14)

2003

(H15)

2004

(H16)

2005

(H17)

待機者数

201人

232人

160人

464人

577人

781人

897人

930人

827人

 年金受給者や自営業者、フリーターなどが加入する国民健康保険の保険証を藤代市政になった1999年から、「全世帯郵送方式」だったものを滞納世帯は「窓口交付」とし、保険証がない多数の未交付者を出しています(2005年3月末2914世帯)。そもそも払いきれないほど高くなった保険料の高さに問題があり、社会保障である医療制度から追いやる憲法違反がまかり通っています。

 船橋市の道路問題も深刻です。しかし生活道路整備への予算(表11参照)が年々削られているため、整備はなかなか進んでいません。
(表11)生活道路整備予算の推移(道路維持費、道路新設改良費、交通安全対策費の合計)

年度

1997年(H9)

1998年(H10)

1999年(H11)

2000年(H12)

2001年(H13)

予算

34億1754万円

31億6922万円

27億2053万円

26億9796万円

23億9839万円

 

 

 

 

 

 

年度

2002年(H14)

2003年(H15)

2004年(H16)

2005年(H17)

 

予算

24億2562万円

22億7773万円

26億5999万円

25億1335万円

 

 財政難だからと必要な予算を削減しつづけていますが、一方ではこの間に南口再開発や中核市移行が行われており、そのツケが市民におわされているのが実態です。
また、財政力は全国39位(全国718市区中、東洋経済別冊『都市データパック2004年版』より)と上位にある船橋市の場合、財政運営を見直すだけでこうした事業は充分対応できますが、やろうとしません。

C市長選挙の後にねらう公共料金のいっせい値上げ
 藤代市政は、前回市長選挙の翌年(2002年)に、市民の反対を押し切って、粗大ゴミの有料化やガン検診・インフルエンザ接種の有料化を強行しました。今度もまた市長選後の2006年に公共料金のいっせい値上げを狙っています。保育料値上げ、公民館使用料の有料化、ゴミ処理手数料の有料化を答申させる委員会を今年度設置し、さらに下水道料金の値上げや介護保険料の値上げなどの公共料金のいっせい値上げが計画されています。

3、自然環境も住環境の保護も後ろ向き、危機的状態の商工業も全く対策無し
@三番瀬のラムサール条約の湿地登録見送り
 前回の市長選挙で「三番瀬の保全とラムサール条約の登録」を公約として掲げた藤代市長ですが、環境省の登録候補地にあげられながら、地元自治体として登録に向けた積極的な取り組みを行わず、この秋に行われるウガンダでの締約国会議での登録地からはずされてしまいました。市長の言う「三番瀬の保全」は、ポーズだけになっています。

A調整区域の開発、商業地区での高層マンションによる居住環境の悪化を促進
2001年(H13年)に藤代市長は、建築物が建てられないこととなっていた「市街化調整区域」への住宅建設を促進する条例を提案しました。これによって「市街化調整区域」での宅地開発(表12参照)がすすみ、水害や道路問題が発生しています。
(表12)市街化調整区域の開発面積

2002年(H14

47

57,296u

2003年(H15

55

99,969u

2004年(H16

73

114,740u

合計

175

272,005u

「準工業地域」や「商業地域」など本来住宅建設を予定していない地域でも、マンション建設を野放し状態で受け入れ、マンション同士での日照障害などが発生し、居住環境の悪化という新たな都市問題が生じています。また保育所不足や学校の教室不足などのしわ寄せを市民に負わせています。

Bシャッター通り続出でも地域経済活性化の対策なし
市内では、大型店の出店によって、これまで地域経済や地域の市民生活を支えてきた地元商店街で廃業が相次ぎ、シャッターが閉まった店舗が目立っています。商業統計でも1999年(H11年)からの5年間に、事業者数で599店(12%)減、売上高で1153億円(16%)減と、落ち込んでいます。
また、2002年1月、地域経済に重要な役割を果たしてきた金融機関である船橋信用金庫(ふなしん)が国策により破綻させられました。実態に応じた弾力的な融資をしてきた「ふなしん」がなくなったことは、市内中小零細業者に大きな影響を与えています。こうした中で、市として地域経済に対する振興対策が急務となっているにもかかわらず、市は2000万円の予算で策定した「船橋市商工業振興ビジョン」を事実上棚上げし、まともな振興策も取られていません。
地元工務店の仕事確保のための「住宅リフォーム助成」については「経済的な効果が不明」「市内業者だけにリフォーム需要を抱え込ませるわけには行かない」と否定する始末です。
学校給食への地場産の野菜の導入も「やりたい」と言いながら遅々として進みません。

4、市民のくらしは「冷たく削る」が、企業には「なんでも認める」甘い体質
 これまで続いてきた、自民党型の船橋市政は、藤代市長になっても基本的には何も変わりませんでした。その一つの特徴が「特定の企業に甘い」ことです。
 これまでも市長が変わるたびに「今度は○○建設だ」などと言われると、その通りの会社が次々に市の仕事を受注して、会社のビルが新しくなる、などということがありました。他にも、一旦契約を結ぶと、その仕事がきちんとできていなくても漫然とお金は払う、ということが続いています。
 市民の税金という大切なお金ですが、市長にとっては「痛くもない他人のカネ」というわけで以下のようなことが行われています。

@市役所庁舎の高すぎる借地料を是正しない
 市役所の建物は、ほとんどが中外勧業鰍ゥらの「借地」に建っています。その借地料がバブル時代から「毎年5%ずつ賃料を引き上げる」という契約にして、バブル崩壊後も毎年の引き上げを改めもせず、その結果は通常取引価格の3倍とも言われる1億5000万円にもなったのです。批判されて、値下げさせたものの、相変わらずバブル期の値段で1980年代の水準といわれる現在の地価に比べて、やはり3倍近い金額です。
(表13)市役所借地料の推移

1980(S55)

1985(S60)

1990(H2)

1995(H7)

2000(H12)

2651万円

5955万円

9518万円

12126万円

15338万円

2001(H13)

2002(H14)

2003(H15)

2004(H16)

2005H17 

14000万円

13400万円

12800万円

12360万円

12360万円

A荏原製作所とごみ処理
北部清掃工場の焼却炉設備は渇`原製作所の製品です。その渇`原製作所は、入札なしでその焼却炉の運転業務を市から受託して、毎年約2億7000万円の委託費を受け取っています。
 さらにこの企業は南部清掃工場にある「焼却灰再資源化施設」を18億3750万円で建設しましたが、この設備は計画通りに稼働したことがありません。やはり運転業務も毎年9100万円を超える委託料でうけていますが、まだ設備の返済期間も半分の5年を残したまま、ついにぼろぼろで操業停止をくりかえす事態になってしまいました。そのため、焼却灰をそのまま外部に持ち出し、その処理費用が別途必要だというのです。
 市長は、きちんと企業に賠償請求もしていませんし、委託料も払いつづけています。これでは税金でプラントメーカー渇`原製作所の仕事づくりをさせているようなものです。

B特定の議員関連企業との契約
粗大ごみの収集を市から請け負っている、潟Wャンクサービスは、「佐原正幸議員が実質支配している」といわれる企業です。
それを裏付けるように、佐原議員の家族が役員をしていますが、佐原議員が議員でなくなると役員に戻り、「役員への出入り自由」。会社のある場所も議員の財産(土地)の上、というわけです。
 市は、その潟Wャンクサービスに「粗大ごみの収集委託」「剪定枝の資源化事業」を年間約1億4000万円で委託しています。

C外部監査の「これは正常ではない」という企業優遇
北部清掃工場の用地の中にある、椛蜥J商事の粗大ゴミ破砕選別施設は、市の土地を無料で使用させ、企業が設備をつくったものですが、市はその設備に「施設使用料」はきちんと払っています。
こんなに優遇された企業なら誰でも羨ましく思うことでしょう。
市の外部監査でも「正常な運営ではない」と指摘されたのは当然です。
 船橋市の支出(2003年度)
   施設使用料    1598万9400円
   運転委託料  2億3278万5000円

D管理職員の天下り先?市の施設でお金儲け
建設費8億円をかけて船橋市が建てた126台分のスクエア21ビル地下駐車場を、市は椛D橋新都市サービスに無料で貸し付け、営業させています。この会社は市が50%出資し、市の元職員(管理職だった人)が3人天下っていますが、その財務状況を議会に提出することを拒むなど、「不明朗な企業」です。

Eその他の施設
 ・余熱利用の温水プール、ケア・リハビリセンター、オートレース

5、国言いなりで平和を守り市民の命と財産を守る立場に立たない

 船橋市は市域に習志野自衛隊基地を有し、下総自衛隊基地が隣接する政府の外交、防衛政策の影響を直接受ける自治体です。この間、政府はイラクへの派兵をはじめアメリカの無法な戦争政策に追随し自衛隊の増強をすすめ憲法9条を変え、米軍と一体となった海外での軍事行動に踏み出そうとしています。そのための自治体や民間を巻き込む有事体制が築かれてきました。
 特に習志野基地の拡大増強がはかられ危険性が増している中、市長として憲法9条堅持をつらぬき市民の命と財産を守る姿勢が求められます。しかし本会議で憲法9条について問われると「市長としての考えを述べるのは適切でない」とのべ憲法99条で定められている公務員の憲法尊重擁護の義務さえ否定しました。また今年(2005年)の3月議会で武力攻撃による災害時の職員派遣手当を条例化しましたが、義務でない同手当の条例化は憲法違反の戦争協力法に積極的に協力するとの宣言であり、市民を代表し市民の命と財産を守る責任ある市長としての資格に欠ける姿勢が鮮明になりました。

 また政府が進める三位一体改革は国庫補助負担金の削減に見合う税源移譲を示さず、教育や社会保障などの国としての最低保障を放棄し、ますます地方財政を悪化させています。藤代市政はこうした人権や地方財政を切り捨てる政府に毅然とした姿勢を示さないどころか、「船橋市にとってはメリットがある」と三位一体改革に期待感さえ表明しています。


6、市民の声を聞かない姿勢

 地方自治体は、住民の福祉を向上させるために努力することが、最も大切な仕事です。これを実現させるためには、市政の情報を市民に公開し、住民からの意見を尊重し、積極的に政策に反映させることが必要です。
 藤代市長も、市民に開かれた市政をめざすとして地区ごとでの市政懇談会を開催しましたが、住民参加で政策を実現する企画とはなりませんでした。
 歩行者の安全対策のための歩道の設置や、保育園を増やして欲しいなど、多くの要望が出されても、「意見を聞いただけで、改善が進まない。」という声が出されています。
 市民の声が届かない市政であることは、署名による住民の意思表示を無視して、市政運営を行っている点からも明らかです。
 学童保育の公設公営化に際し、子どもや保護者の強い願いと心配する市民から10万3053筆の署名が集まりましたが、こうした声には耳を貸さず指導員の解雇を強行したり、小学校給食の民間委託では5万1124筆の保護者からの署名があつまったにもかかわらず、保護者の合意を得ないまま強行しました。さらに、公立保育園の民間委託に反対する署名は、過去最高の12万筆にも及ぶ署名が寄せられているにもかかわらず、政策の再検討さえ「行わない」としています。
 さらに、これまで市が独自で行っていた制度を廃止する際にも、利用していた市民の声を聞くということはありませんでした。
 68歳・69歳の医療費助成制度の削減では利用者9800人のうち6400人を排除、介護保険利用料助成制度の削減では4758人から197人に、離婚母子家庭への養育手当の廃止では2651世帯3845人から198世帯279人へ削減され、当事者にも知らせずに一方的に切り捨てています。交通共済・火災共済の廃止も加入者の意見をまったく聞きませんでした。
「市民の意見を聞く」どころか、住民無視の市政運営をこれ以上続けさせることは出来ません。