2005年 7月25日 588号

■ 船橋市6月議会
    高齢者に大増税―市税条例「改正」が可決成立、保守・公明・民主市民クが賛成

 今議会「小泉増税計画」を受けて市長が提案した、市税条例「改正」が保守・公明党・民主市民クラブの賛成で可決成立しました。これにより65歳以上で、前年の所得金額が125万円以下の場合は個人住民税が非課税になる高齢者所得控除が、来年の1月から段階的に廃止されます。
 この改悪で年金収入が155万円を越えると、住民税がかかることになりますが、この金額は、生活保護基準額とほとんど変わりません。これまで非課税だった低所得高齢者2600人に新たな負担がかかります。
 この他、来年は定率減税の半減で市内納税者24万人に対し、15億円の負担増も予定されています。

個人住民税の変更に伴なう影響額
    (モデル)65歳以上で年金収入額が245万円の場合(単位・円)
単身世帯 夫婦の場合
改正前 改正後 改正前 改正後
個人市民税 0 39,600 0 24,300
国民健康保険料 87,680 105,940 109,630 127,890
介護保険料 25,200 45,000 50,400 81,000
負担増合計 +77,660 +73,160

●保険料や市民サービスにも影響

  しかも、負担が増えるのは、税金だけではありません。
 高齢者控除が廃止されることによって数字の上では収入が増えてしまうため、介護保険料や国民健康保険料が値上げになり、高齢者医療制度が値上げになり、紙おむつ支給制度、ヘルパー利用料免除など住民税非課税をサービスの利用条件とした市民サービスが受けられなくなります。
 市長に対しこうした深刻な影響への救済措置や激変緩和措置を求めました。
 市長は、「国から、激変緩和措置が提示されてきているので、生活の実態を含めて、推移を見守りたい。」と答弁、対策は示されませんでした。
 引き続き、みなさんと力を合わせて取り組みます。

■ 市長、「福祉は向こう三軒両隣」―心配される福祉切捨て

 市長選挙後の議会であり、市長の公約について質しました。
 8年前の選挙公約は「福祉先進都市」ですが、ここ数年は次々に福祉サービスを切りすてました。今回公約は市民の権利を守る視点はなく「福祉体制を確立し共助社会の実現を」と地域への貢献を市民に求めるもので、明らかに後退しています。
 また市長選挙では68歳からの医療助成や、離婚家庭の母子等への養育手当支給、在宅介護利用料助成などの切りすてに厳しい批判や怒りとともに制度の復活を求める声があがりました。市民福祉を切りすてる「財政健全化プラン」の中止も求められています。
 介護保険制度の改悪や増税による高齢者の負担増からくらしをどう守るのかということも問われています。
 自治体の基本である市民福祉について市長の見解を求めました。

●福祉切り捨ての「財政健全化プラン」継続と答弁

 答弁に立った市長は「安定した財政運営のため健全化プランはすすめる」「今後の福祉は自助、公助、共助が大事。むかしは地域でコミュニティがあった。向こう三軒両隣が地域の人の力になった。共助社会に向けて市民に地域の活動をお願いする場面もある」と述べましたが、市政についてのビジョンは示されませんでした。
 地域の支えあいは大切でも、自治体の福祉サービスが「向こう三軒両隣でお願いします」となったら自治体の存在意義が問われます。
 健全化プランによる福祉サービスの切り捨てもひきつづき心配されます。
 日本共産党は市民福祉の後退を許さず充実のためがんばります。

■ 議会内の新役職人事/日本共産党はずしのシフトがしかれる

 6月議会では所属常任委員会や議会内役職の改選がおこなわれました。
 役職任期は2年で交替しますが、毎年、議長だけは就任後1年で「議長職を辞職」し、まるで"たらしまわし"で、今年も1年交替で、田久保好晴新議長が選任されました。
 常任委員長などの役職ぎめでは日本共産党以外のすべての会派が談合し、これまでの役職配分は所属議員の人数に応じて決めるという会派代表者会議の合意事項をやぶり、市長選挙で対立候補を立てた日本共産党には議会内第2党にもかかわらず役職をわたさないという暴挙が行われました。数を力にした一方的なやり方は議会内の民主主義を壊すものです。
 日本共産党は投票選挙の結果、農業委員と4市複合事務組合議員のポストを獲得しました。

●日本共産党市議団の新しい議会内の配置
総務委員会 岩井友子 ・ 伊藤昭博
健康福祉委員会 関根和子 ・ 高橋忠
市民環境経済委員会  石川敏宏
建設委員会 佐藤重雄 ・ 金沢和子
文教委員会 草野高徳
議会運営委員会 金沢和子 ・ 草野高徳 
4市複合事務組合議員  岩井友子
農業委員 関根和子
民生委員推薦会 関根和子
都市計画審議会 佐藤重雄