ミニにゅうす 982号 2020年5月25日
船橋市議会
第2回定例会が、「異例」の日程で開催されます
船橋市議会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を口実に、「一般質問は行わない」など議員活動を自粛させる暴挙が、与党によって強行されています。議会の民主主義にとって深刻な事態です。議会として、市長からの協力要請に応じたり、3密を避ける・マスク着用などは当然としても、一部の議員が、一般質問や議会の傍聴について、「(一般質問をやるということは)人として問題がある」、「(傍聴はできなくて)当たり前だ」と公然と表明するなど、驚くような後退ぶりです。
自粛による影響で、日本共産党には、毎日のように深刻なご相談が寄せられ、各議員は対応に追われています。その中には、政府や自治体が想定できなかった事態が、多数起きています。緊急事態だからこそ、議会はその役割を果たすべきです。実態に合わないコロナ対策の是正や、コロナ禍に紛れて強行されようとする暴挙を止めるなど、市民の声を全力で市政に届けるべきです。
重要な議会ですが、議会が自らの手足を縛るような日程を強行しました。そのため、市政の諸問題を質せる一般質問は取りやめになっています。本会議では、市長提案の議案と行政報告、議員らの発議案が議題となり、傍聴は、密集を防ぐため定員を大幅に削減して行います。しかし、市民から寄せられる請願や陳情を審議する常任委員会は、すべて、傍聴が中止になっています。
議会が自らを否定することは許されません。こうした日程に日本共産党・みらい@船橋・はまの市議は反対しました。
国登録有形文化財の「玉川旅館」が閉館、解体に
先ごろ、船橋市から市議会議員あてに、作家の太宰治のゆかりの老舗割烹旅館「玉川旅館」が営業を取りやめ、6月には建物は取り壊すことになり、船橋市として建物の記録保存をするための調査を行うという報告がありました。
「玉川旅館」は今年で創業100年を迎え、楼閣風の木造建築は国の登録有形文化財にもなっています。1935年頃、当時船橋市に住んでいた太宰治が「桔梗の間」に20日間ほど滞在し小説を執筆したという逸話があり、敷地内には当時海に面していたことを忍ばせる船着き場跡の石垣も残されています。昭和の風情を色濃く残した船橋市内では数少ない貴重な木造建築物であり、解体を惜しむ声が少なくありません。
報道によると「数年前から宴会の需要が減って、売り上げも減少し、建物も老朽化。特注の屋根瓦の張替えだけで億単位の資金が必要なことから閉館を決めた。3月から4月にかけて新型コロナでキャンセルが相次いだことも影響した(朝日新聞5月20日付)」と伝えられています。
国の登録有形文化財ではありますが、建物を維持するための財政支援は国、県、市ともに行われてきませんでした。個人所有ということで船橋市の文化や歴史を記録する建物でありながら、行政が無策だったことが、価値ある建物をなくしてしまうことになったのではないでしょうか。
歴史のある船橋市ですが「山崎別荘」「三田浜楽園」など、歴史的な建築物が次々と無くなり、文化や歴史にふれる場所が失われてきました。市だけでなく県や国による文化への予算措置が少なすぎます。本当の豊かさは、開発で新しい街をつくること、利益を上げることばかりでは築けないのではないでしょうか。
船橋市は「玉川旅館」の解体前に
①建築物の専門家による調査・図面作成、
②報告書の作成、
③建造物内外の映像記録の作成、動画・静止画像作成及び編集配信、
④館内の調度品・記録類等の寄贈受け入れ、それに伴う運送及び保管・展示を行うとしています。
船橋市中央公民館