ミニにゅうす 988号 2020年8月11日

コロナ禍の中 どさくさまぎれ
市と東葉高速が50億円の新駅協定書を締結

運輸収入は約50%減少 

 東葉高速鉄道の運輸収入は、昨年同月比と比べて、大きな減少となっています。  3月はマイナス20・9%で2億8376万円の減収、4月はマイナス46・2%で6億1990万円、5月はマイナス42・8%で5億9611万円、それぞれ減収となっています。
 在宅ワークが進み、利用者の回復が見込めない中で、運輸収入をいかに確保するのかが課題になっています。しかし、会社が公表している今年度の事業計画には、まったく記載がありません。「2020年度、東葉高速鉄道事業計画」では、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催をはじめ、すでに中止が決定しているイベントなどが記載されたままです。収支予算では、当期純利益が33億5600万円と記載がありますが、実態とはかけ離れています。

困ったら自治体にお任せ

  東葉高速は単年度では純利益を計上していますが、依然として、2471億円という巨額の長期債務を抱えています。そのため、千葉県・八千代市・船橋市が支援を続けることが前提での運行が、続いています。
 運輸収入が激減しても、新型コロナウイルスによる国の鉄道事業者への支援は、東葉高速鉄道などの都市交通には適用されませんが、東葉高速からも、国への支援は求めていません。困ったら自治体が何とかしてくれるというこれまでの在り方が、また、繰り返されるのではと危惧されます。
 事業計画の見直しもなく、国に対して支援も求めず、整備費等の負担割合のはっきりしない新駅設置について、このまま進めることで本当に市民の理解が得られるのか、再検討する必要があるのではないでしょうか。

 

船橋市教科書採択会議
歴史を曲解する教科書は使わせず

 市立学校の教科書採択を行う船橋市教育委員会議臨時会が8月4日に開かれました。60人分の傍聴席を上回る65人が傍聴を申し込みましたが、全員の入場が認められました。
 今年度は中学校の教科書の改訂時期にあたります。4年前の教科書採択では東京都や千葉県、横浜市などで、育鵬社の教科書が採択され、日本の侵略と植民地支配を正当化するなど、歴史を曲解させる内容に各地で抗議の声が上がりました。
 今年の文部科学省が行った教科書検定では引き続き、育鵬社、自由社、日本教科書など歴史を曲解し、多様な意見にふれずに政府見解だけを述べる、戦前の国家神道を押し付ける教科書が合格しました。船橋市では4年前にそうした教科書の採択はありませんでしたが、今回の教科書採択がどうなるのか注目されていました。
 採択の結果、歴史は教育出版、公民は日本文教出版、道徳は東京書籍が採択され、育鵬社、自由社、日本教科書の教科書は今回も採択されませんでした。
 「子どもたちには、真実を伝え、それをもとに考えを深めていける教科書、みんなが楽しく学べる教科書を手渡したい」と活動してきたねばり強い市民の運動の成果です。

生活保護は国民の権利
ためらわずに申請を

 新型コロナ禍のもと、生活に困窮する人が増えています。
 有識者は「リーマンショックとは比べものにならない規模だ」と述べています。実際に今年度、7月8日までの住居確保給付金(経済的に困窮した方への家賃補助)の船橋市への相談件数は1361件、申請件数は572件と、すでに前年の全件数のそれぞれ9・4倍、28・6倍にものぼり、生活困窮者の急増が示されています。
 6月16日、日本共産党の田村智子参院議員が国会で、新型コロナ禍のもとで生活保護の積極的活用を政府が国民に向けて促すよう求めたところ、安倍首相は「文化的な生活を送る権利があるので、ためらわずに(生活保護を)申請してほしい」と答えています。
 生活保護は、憲法25条の生存権に基づいた制度です。困ったときは、ためらわずに利用しましょう。お困りの際は、日本共産党にご相談ください。

 また、生活保護法は本人の意思に反して施設へ入所させることを禁じていますが、船橋市は5月、生活保護を申請したホームレスの男性に対し、「無料低額宿泊所(無低)に入所しなければ受給は難しい」と告げました。男性は無低に強い抵抗感があり、船橋市での申請を断念しました。
 市のこうした対応は誤りです。厚労省は2009年の通知で、緊急に一時的な居場所としてビジネスホテルなどを利用し、生活保護を開始した場合は、その後に移った住居の家賃とは別に、宿泊料などを一定の範囲内で支給しても構わないとしています。
 市の対応の是正を強く求めていきます。

無料法律相談 8月19日(水)/9月17日(木) 船橋市中央公民館