ミニにゅうす 1034号 2022年7月11日
物価高騰対策とは呼べない「物価高騰対策」の補正予算
第2回定例市議会では6月2日と6月24日に物価高騰対策の補正予算が全会一致で可決成立しました。
その内容は、①政府による物価高騰対策の子育て世帯生活支援特別給付金、②船橋独自対策(学校・保育園・幼稚園の給食食材値上がり分補てん、バス・タクシー事業者支援)です。
①の給付金は子ども1人5万円支給というものですが、低所得世帯に限られ、対象年齢である児童のうち10人に1人しか支給されません。子育て世帯以外は、低所得であっても支給されないのです。
②の給食食材値上り分の補てんは、物価上昇率3%分として1食10円程度で、実際の食品の値上りには届いていません(表参照)。また、介護施設や障がい者施設の補てんも見送られています。飲食店など、物価高騰で経営が厳しくなっている事業者への対策もありません。
物価高騰で市民の暮らしも経営も悪化するばかりなのに、提案された内容ではとても「対策」と呼べません。なにより、政府が物価高騰から国民生活を守ろうとしていないことが明らかです。
物価抑制策として、日本共産党は市議会で、国に対して消費税の引き下げを求める意見書の提出を提案しました。しかし賛成したのは日本共産党、市民民主連合、無所属の議員だけで、賛成少数で否決されました。自民党や公明党の議員は、地方議会でも消費税減税に背を向けています。
船橋市は現在、予算化していない物価高騰対策に使える国からの臨時交付金を、16億8200万円抱えています。9月議会で何らかの対策を提案するといっていますが、遅すぎるのではないでしょうか。
今年は例年より早い梅雨明けとなりましたが、電気代も20%程度上がっています。電気代を気にしてエアコンをつけず、熱中症になりかねない事態です。日本共産党は「せめて値上り分として1世帯5000円程度の電気代補助を」と、市長に提案しました。30万世帯で15億円です。
さらに、船橋市は剰余金等を積み立てた基金を100億円以上保有しています。物価高騰問題は自治体だけでは解決できませんが、基金も活用し、自治体としてできる限りの対策を行うべきです。日本共産党は、引き続き市民生活を守るために頑張ります。
県立高校統廃合より少人数学級の実現を!
千葉県教育委員会は、中学生の減少を理由に2001年に県立高校統廃合計画案を公表し、統廃合計画を進めてきました。 その結果、142校あった県立高校は121校に減りました。船橋市内でも2011年度には船橋西高校と船橋旭高校が統合され、船橋啓明高校になりました。さらに県の教育委員会は、この先10年間で10組程度(最低でも20校)の県立高校統廃合計画を含む「次期県立高校改革推進プラン」の計画案を公表しました。
計画案では、1学年6学級〜8学級を適正とするとし、適正規模に満たない学校は統廃合の対象として検討するという方針を掲げています。統廃合の学校名はまだ明らかになっていませんが、 船橋市内では豊富高校(4学級)が統廃合計画の対象になる可能性が大きくなります。豊富高校は全校生徒の半数以上が船橋市内在住です。仮に豊富高校が統廃合の対象となれば、市内中学校の進路においても重要な問題になります。市民生活の厳しさが増す中で、「経済的に私立高校には行かせられない」というご家庭もあります。
日本共産党は本会議で、「船橋市から県立高校をこれ以上減らすべきではない」という声を上げることが必要だと市を質しました。市は、「まだ学校名が示されていない中で、今考える段階ではない」とやる気の見えない、および腰な答弁でした。しかし、具体的に学校名が示されてからでは遅すぎます。
生徒の数が減るというのなら、学校を減らすより、今こそ少人数学級を進めるべきです。日本共産党は、地域の受け皿となる県立高校をこれ以上減らさせないために、これからも取り組んでいきます。