ミニにゅうす 1085号 2024年9月23日

マイナ保険証の作成は任意です
「資格確認書」で、これまで通り

 薬局で「マイナ保険証でないと薬は出せない」と言われたり、現行の健康保険証の患者が診療順を後回しにされる事態が起きています。「保険証が廃止になったら、マイナンバーカードやマイナ保険証を作らないといけないのか」といった誤解が広がり、市民の不安が日本共産党に寄せられています。
 厚労省は、医療機関や薬局の窓口で「健康保険証をお持ちですか」に替えて「マイナ保険証をお持ちですか」「次回はマイナ保険証をお持ちください」と声をかけるよう促し、マイナ保険証の利用者が増えた医療機関や薬局に、見返りとして、利用者数の増加に応じ診療所や薬局に最大10万円、病院に最大20万円の一時金を出すことにしました。それでも利用率は今年5月時点で7・73%と4月比1・17ポイント増にとどまり、今度は一時金を20万、40万と倍に上げるなど、あの手この手を使い、善良なる市民をマイナ保険証へ誘導しようとしています。
 しかし、マイナンバーカードもマイナ保険証の作成も任意であって、強制されるものではないことを私たちはしっかり認識しておくことが重要です。
 現行の健康保険証は今年12月2日に廃止になります。しかし、その時点で発行済みの保険証は、有効期限まで使用できます。国民健康保険証の切り替えは8月1日ですから、来年の7月31日までは使用可能です(短期保険証を除く)。
 また、12月2日以降、マイナ保険証を持っていない人には、現行の保険証が期限切れとなる前に、 ※保険者から申請なしで『資格確認書』が交付されますので、引き続き医療機関の受診や薬局での薬の購入ができます。『資格確認書』の有効期限は、最長5年ですが、裁量は保険者に任されています。国民健康保険証を発行している船橋市では、これまで通り申請なしで有効期限1年の『資格確認書』が発行され、その後もまた申請なしで『資格確認書』が発行されます。
 マイナンバーカードの返却やマイナ保険証の解除も可能です。
 ご不明な点は、日本共産党にお問い合わせください。
※保険者‥保険料の納付を受け、健康保険事業を行うもののこと:船橋市や健康保険組合など

保育アプリ「コドモン」 大丈夫?
足りない保育士の代わりにはなりません

 船橋市は今年3月、公立保育園27園に保育アプリ「コドモン」を導入しました。コドモン社が提供するクラウドサービスで、保育の事務作業全般を補助する保育業務支援システムです。保育者はこのアプリを使って事務作業を行い、保護者もアプリを登録します。
 園児情報や出欠席管理、生活や成長の記録など様々な情報が「コドモン社」のクラウド上に蓄積され、これまでの連絡帳や業務日誌、指導案の作成がアプリを使って効率的になるといいます。
 一見、便利になりますが、問題はないのか決算認定の質疑で取り上げました。
 これまで公立保育園で記録された子どもの記録は個人情報として各園で保護されてきました。今後はこうした情報はコドモン社のクラウドに蓄積され管理されますが、もし漏洩すれば膨大な情報が流出します。
 また、利用規約を見ると「記録保管するお子様や施設運営等に関する情報を分析利用し、分析の結果得られた内容を当社ウェブサイト等や当社の販促物イベント等において児童の教育や育成にかかわる情報として公開する」とあり、企業活動に活用されることになっています。子どもの情報が同社の儲けに活用されることを保護者に説明し、合意を得ているのか質問しました。
 こども家庭部長は「個人情報保護法等に基づき適正に管理する」「保護者がアプリをインストールするとき利用規約に同意している」「保護者がアプリを使わず、従来通りでもかまわない」と事業者任せ、保護者任せの答弁です。
 さらにコドモン社の利用規約では、契約終了時、契約者はクラウドに蓄積されたデータが使えなくなります。これまでの保育や園児の成長記録などが園に残らなくなり、ひとたび契約すると契約解除できなくなる「ベンダーロックイン」という状況も危惧されます。船橋市は仕様書でデータは引継がれることになっていると答弁しましたが、同仕様書には「引継ぎの範囲は双方で協議し、誠意を持って対応する」と書かれ確実なものではありません。
 保育データをコドモンに持っていかれてしまったら、保育水準をこれまで通り確保できるのか心配です。船橋市がしっかりと保育データを引き継ぐ契約にするよう強く求めました。
 システムの導入は保育士の過重負担の軽減が意図されていますが、保育士一人が受け持つ子どもの数である「配置基準」を抜本的に改善することなくしては解決しません。保育士の増員こそ取り組むよう求めました。