ミニにゅうす 1089号 2024年12月9日

「ひとり親・低所得」の高校生支援
学習場所や教材が自由に選べる制度を求める

 船橋市では「母子家庭等高等学校修学援助金」として、低所得のひとり親家庭(約600世帯)の高校生に月額9000円を支給していましたが、『行財政改革』により、2022年度(令和4年度)から支給を廃止しました。
 その代替え事業として2022年度(令和4年度)から実施されたのが、「高校生キャリア支援事業」です。低所得のひとり親家庭の高校生を対象に市内2ヶ所で集合型(教室)の学習支援と、アプリを使ったオンライン学習支援、セミナーを実施するものです。今年度の定員数は集合型60名、オンライン学習では130名でした。また、昨年の実績では対象者約1000世帯に対し、登録者数は集合型・オンライン学習ともに41名のみでした。
 さらにこの事業は、民間(2023・24年度はリクルート)に委託し、オンライン授業ではリクルートのアプリを使用します。特定の学習教材を使用しなくてはならないなど受講者も限定的でした。「母子家庭等高等学校修学援助金」の代替えとなる事業とは言えませんでした。
 今議会には、ひとり親世帯に加え生活保護世帯や就学援助相当の世帯にも対象を拡大し、来年度もこの内容で事業を継続するため、委託業者へ支払う債務負担行為が提案されました。
 日本共産党は11月22日、「委託業者の支援事業に限定するのではなく、受験の模試にも使えるような全ての対象者に行き渡る限定されない支援が必要」と指摘し、ひとり親家庭の高校修学援助金の復活を議案質疑で求めました。しかし船橋市は「事業の代替えとして高校生キャリア支援を始めた。来年度はその対象も拡大する」として、制度の復活を拒否しました。
 ひとり親世帯や低所得世帯でもそれぞれが学習しやすい場所や環境、教材が自由に選択できるよう、引き続き支援の充実を求めます。

受験生を痴漢から守る

 来年の2月、千葉県の公立高校で入試が行われます。
 「遅刻のできない受験生は痴漢にあっても泣き寝入りをしてくれるので、痴漢はやりたい放題」などとSNS上で痴漢行為を煽るような書き込みが盛んに行われ、実際に制服姿の受験生を狙う卑劣なやからが毎年発生しています。
 受験生を守るために日本共産党は市議会において具体的な提案をいくつか行いました。
 ①加害を抑止する「痴漢は犯罪だ」と示したポスターや車内放送。 ②駅員や警官の見回り強化。 ③女性専用車両が無い新京成に対する設置要請。市はこれらについては対応すると答えました。これまで議会で日本共産党が何度も求めてきた女性専用車両について、今回初めて市は設置の必要性を認め、千葉県教育委員会から新京成に設置を要請するように、市教育委員会から県に申し入れるとの答弁でした。大きな前進です。
 今回新たに「たとえば8時15分の新津田沼発・松戸行き電車の先頭車両に保護者や学校関係者が見守り隊として乗り込むので、痴漢などが心配な生徒はそれに乗るように生徒に示してはどうか」と提案しました。いわゆるアクティブバイスタンダー(行動する傍観者)を市教委が組織して行ってはどうかということです。これに対して市教委は学校の人手不足を理由に却下しました。しかし保護者に協力を呼びかければ決して無理では無いはずです。
 また、痴漢や性犯罪の背景には女性や弱者への差別意識があります。その意識の解消にはジェンダー平等を教える包括的性教育が必要であることも日本共産党は指摘しました。
 「痴漢にあったショックで力を出し切れない」「痴漢が心配でより一層緊張した」という受験生をたった一人も出さない為に、日本共産党はさらに知恵と力を尽くします。