ミニにゅうす 1095号 2025年4月7日

下水道管の老朽化 船橋市は大丈夫?

 1月に埼玉県八潮市内で発生した大規模な道路陥没事故について、市民の皆さんから「船橋大丈夫なの?」と、不安の声が寄せられました。日本共産党は、今後の市の対応と改修について質疑を行いました。
 国は、7都府県の流域下水道管理者を緊急点検の対象としましたが、市町村は対象外でした。市は自主的に調査を行うとして、
①1次調査は直径1・5m以上、最大で5mの下水道管渠が埋設されている道路の約75㎞を路面下空洞調査
②2次調査は直径2m以上の管渠約40㎞について目視による調査を3月から4月までの2か月間で実施
することを明らかにしました。
 しかし、今回の調査費用も下水道管渠の補修が必要となった場合も、国の支援が得られるか不明な状態です。水道や下水道などは、命にかかわる問題です。国の責任で老朽化対策を行うべきです。

補助金を出す代わりに国いいなりを求めるWPPP

 2025年度予算では、下水道WPPP(ウォーターPPP。下水道施設の維持管理・更新を10年間、民間に任せること。) を導入するための予算が計上されました。導入検討の対象範囲は高瀬下水処理場、宮本ポンプ場、高瀬処理区の合流地区です。
 国は下水道管の改修事業を利用して、国費支援が欲しければWPPPの導入をしろという姿勢です。下水道事業は、衛生的な生活環境の保持、自然環境の保全などを行う重要な事業であり、国が費用負担するのは当然です。国がお金の力で自治体に言うことを聞かせようというやり方には、強く抗議して、やめさせることが必要です。

水道も下水道も一斉値上げ?

 来年は、千葉県の県営水道料金が20%値上げされようとしていますが、船橋市の下水道料金も、2026年度に値上げ予定です。物価高騰で生活が厳しくなっている中で、値上げだけが進んでいます。
 6月には市長選挙と市議補欠選挙が、7月には参議院選挙が実施されます。下水道の老朽化対策へ国の支援を増やし、料金の値上げを止めるためにも、力を尽くします。

 

船橋市でもPFAS汚染が!!

 発がん性など人体に有害な化学物質PFASによる水質等の汚染が世界的な問題になっていますが、船橋市が昨年行った地下水の検査でも、調査した13ヶ所中1ヶ所の井戸で、国の目標値を超える汚染が見つかりました。
 そもそも日本の目標値は世界基準と比べればたいへん緩いもので、米国の基準値でみれば、その13ヶ所中5ヶ所もが超えていました。しかし市は、国の手引き通りに汚染源の特定や汚染範囲の広がり調査などを行わないまま、追加調査を打ち切りました。汚染を軽視していると言わざるを得ません。
 PFASは、その化学物質を使用する工場や軍事施設で多用されており、それらの施設の周囲から多く汚染が見つかっています。市内にはPFASを使用していた可能性があると指摘されている事業所があります。その使用や保管の有無などの徹底調査を日本共産党が議会で求めましたが、市はその必要性を認めませんでした。

習志野基地でも

 さらに、自衛隊の習志野基地内にはPFAS汚染水があったこと、そしてそれは上水道からの汚染であると市が認識していたにもかかわらず、微量の汚染であることを理由に、同じ上水道を使用している周辺住民に知らせるなどの手立てをとっていませんでした。また、「昨年3月末時点で320ℓものPFASの一種であるPFOA含有泡消火薬剤が同基地内に存在している」との防衛省から習志野市への回答を、市は把握すらしていませんでした。
 船橋市内で今見つかっている汚染は他所に比べれば値は低いものです。しかし最新の世界の知見では十分に警戒すべき値です。人体に大きな被害が出てからでは遅すぎます。市民の安心安全のためにPFAS汚染への警戒度を市がもっと上げていくよう、私たち日本共産党は求めていきます。