ミニにゅうす 964号 2019年10月21日

市民いじめの大計画
財界奉仕の行財政改革は撤回を

 船橋市は再来年3月までを集中期間とし、「行財政改革推進プラン(以下、行革)」を進めています。
8月には「行政運営の効率化と財政の健全化を図る」とし、82項目に渡る事業評価を発表しました。公共料金値上げや補助金廃止、民営化など、福祉・医療・教育・文化などあらゆる分野で市民に大きな影響を与える内容です。まさに「市民いじめの大計画」です。
国保料や下水道料、0~2歳児の保育料、公民館など26の公共施設使用料を値上げしようとしています。特に運動施設を「公益性が低い」と槍玉に挙げています。難病者や障害者、高齢者、母子家庭、保育、自治会館に関する補助金も削減対象です。
市営住宅や運動公園、法典公園、青少年キャンプ場、一宮少年自然の家の民営化が打ち出されました。公共施設の民営化は、企業を監督する立場の行政が企業に依存することで公共性が失われ、営利事業に変質することになります。

「財政が厳しい」は嘘 財政指標は優良

 市は行革の最大の理由に「社会保障経費と借金の増加」を挙げています。しかし「10年後に72億円も増える」という扶助費(福祉の費用)の約65%は国や県の支出で賄われ、実際の市の支出増は約17億円でしかありません。「借金の増加」で言えば、二つの清掃工場などの大型建設事業を一度に行い借金を増やしてきた財政運営への反省や総括は一言もありません。
財政指標も中核市58市の中では優良です。昨年度の財政力指数は7位の高さです。財政健全化判断比率の一つである実質公債費比率も中核市の中で4番目に低く、将来負担比率も15・7%と平均を下回り、健全だと示されています。
何より効率化を謳いながら170億円もの浪費を予定する海老川上流地区の区画整理は聖域で、着々と進めるという有様です。行革の目的の一つが財界奉仕の財源づくりであることは明らかです。
9月13日の本会議で、市長は日本共産党の追及に対し、「将来の市民生活の安定のために行革が必要」と強弁しましたが、欺瞞に満ちた回答です。
行革は長引く不況の元での増税、実質賃金・年金減少で厳しい市民生活に追い打ちをかけるものです。自治体の役割は住民の福祉増進であり、学校給食費無料化や国保・介護の負担軽減、特養ホームや保育園増設など、豊かな財政力を市民の暮らし応援に活かす市政が求められます。
市民いじめの大計画の撤回に向けて、日本共産党は力を尽くします。

公共施設は 最大2倍 も値上げか
運動公園・法典公園の駐車場を有料化

 9月26日、市は来年度から値上げを検討中の公共施設名を公表しました(表参照)。値上げの考え方は10月中に決定されますが、「最大2倍まで、3年くらいかけての激変緩和を考えている」と言います。社会教育施設が大半を占め、値上げは市民の社会教育権を侵害するものです。
また来年度から、運動公園と法典公園の駐車場を有料化するつもりだとも言います。この方向性は7月に市内部で出されていましたが、パブコメの際に発表した行革レビューシートには記載していませんでした。
さらに両施設は来年2月頃に指定管理者を募集し、2021年1月頃に指定管理を始めると言います。8月6日の行財政改革推進会議では佐藤主光委員が「直営の段階で値上げしておけば、民間委託について市民の納得を得やすい」といったことを発言しており、急速な値上げや駐車場有料化は民営化への地ならしだと考えられます。

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船橋市中央公民館