ミニにゅうす 1018号 2021年10月11日

いわゆる土地利用規制法は廃止を!

 いわゆる土地利用規制法、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(以下、土地利用規制法)」について取り上げました。
 船橋市では陸上自衛隊の習志野演習場、習志野駐屯地周辺のおおむね1㎞が注視区域や特別注視区域に指定される可能性が高く、住民からは不安の声が上がっています。
 なぜなら、同法に基づく調査は例えば駅やホテル、飲食店などでは従業員だけでなくお客さんも含め土地や建物を利用するあらゆる人(周辺1㎞に関係なく)が対象になるからです。調査は氏名や住所だけでなく、思想信条、交友関係など多岐に及ぶ可能性があり、人権を侵害する危険があります。
 また、習志野演習場等周辺でのスケッチや写真撮影が「機能阻害行為」とされるのではないかという指摘がされています。戦前の要塞地帯法では、軍事施設周辺での写真撮影やスケッチをしただけで処罰されていた過去があります。この土地利用規制法とは、要塞地帯法の再来ではないかとも言われています。
 議会では市としてこうした憲法違反の土地利用規制法廃止の声を上げるべきではないかと質問しました。しかし答弁は「廃止を求める考えはない」でした。

 
市保有の個人情報を「提供する」

 また、船橋市は同法に基づく情報提供を求められた際には市民の個人情報提供を拒むべきではないかと質問しました。併せて、個人の思想信条の自由が侵されるような個人情報の扱いについても質問しました。答弁は「粛々と事務を執行していく」「法令等で規定されている範囲で(個人情報を)提供する」というものでした。
 個人の権利侵害を防止する船橋市個人情報保護条例があっても、市民の個人情報を提供するというのです。自治体は多岐にわたる個人情報を保有しており、その情報提供は人権侵害で許されません。
 土地利用規制法は思想及び良心の自由、集会結社及び言論その他一切の表現の自由を侵すものであり、廃止すべきです。日本共産党はこうした憲法違反の法律を廃止するために市民と野党の共闘で頑張ります。

洪水を引き起こす海老川上流地区開発
船橋市都市計画審議会が賛同

 9月15日の船橋市都市計画審議会で、海老川上流地区での区画整理事業(メディカルタウン構想)に関する都市計画案が13対1の賛成多数で承認され、今後、千葉県都市計画審議会が承認すれば事業が進むことになりました。日本共産党の委員は反対しました。

海老川下流部は最大5メートルの浸水区域
市は「開発による影響はない」と強弁

 開発区域は海老川、飯山満川、北谷津川などに囲まれた低地です。船橋市の洪水・内水ハザードマップでは、ほぼ全域が50㎝〜3mの浸水想定区域です(9時間で総雨量516㎜の場合)。地震ハザードマップでも液状化の危険が高いとされています。船橋市の都市計画案の縦覧には、市民から「浸水想定区域であり液状化の心配もあるので、今回の計画は中止すべきだ」という意見書が34件も寄せられました。船橋市は区域内に調整池を複数ヶ所造ること、想定される最大雨量でも床下浸水で済むように宅盤のかさ上げをするよう組合に指導・協議をするとしていますが、温暖化の進行とともに進む雨量の増加については検討されていません。
 海老川の下流部への影響も深刻です。下流部の本町・宮本・市場などの一部は3m〜5mの浸水想定区域です。海老川は千葉県が1時間50㎜の雨量に耐えられるようにするため、1979年から海老川調節池の建設事業に着工していますが、地権者の同意率は95%で、未完成のままです。そのため海老川は現在でも1時間30㎜の雨にしか対応していません。
 日本共産党は9月10日、市議会で「地球温暖化で雨量が増える。上流部の開発は下流部の洪水を引き起こすのではないか」と市を質しました。市は「海老川調節池の早期完成を、県に市長会または京葉広域行政連絡協議会を通じて要望している」と答えましたが、完成時期が不透明です。これで宅地開発を進めるのはあまりに無責任です。
 また市は「区域内に調整池を造るので下流部への影響はない」「ハード面で洪水は防ぎきれない。必ず発生する。できる限り避難してもらうのも大切」とも答弁しましたが、思考停止を正当化するような言い分です。
 いま必要なのは災害に強いまちづくりです。土地開発による利益追求より、人々の命と暮らしこそ最優先にすべきです。財政面でも防災面でも無責任な大型開発は断じて認められません。

無料法律相談 11月11日(木)/12月22日(水) 船橋市中央公民館