ミニにゅうす 1074号 2024年3月25日

物価高騰で厳しい暮らしに追い打ち
国民健康保険料の引き上げストップを

 船橋市議会は国民健康保険料の引き上げを賛成多数で可決しました。1人あたり均等割を6740円、所得割を0・52%引き上げます。
 国と千葉県は、国保料上昇を抑えるための市町村による一般会計からの独自繰入をなくせと圧力を強めています。そのため船橋市は2年ごとに保険料を引き上げてきました。さらに県は2030年度までに市町村の独自繰入を解消することを目標化。このままではさらに国保料の大幅引き上げは必至です。
 千葉県商工団体連合会の「中小業者の営業とくらし」実態調査では、国保料の滞納がない人のうち6割は「無理して支払っている」と回答。このうち「生活費を削っている」人が5割、「事業の経費を削っている」人が2割に上ります。
 国保料引き上げを審議した2月2日の船橋市国民健康保険運営協議会では、委員から「加入者は低所得者が多い現状も踏まえるべき」「生活が大変な方たちに、市の財政も大変なのでと言って良いものか」などの意見が出され、2名の委員が引き上げに反対しました。
 日本共産党は2月27日の本会議で「独自繰入の解消は法的な義務ではない、引き上げは市民の生存権を脅かしかねない」と市を質しました。市長は「市民生活に大きな影響があることは十分認識しているが、引き上げるしかない。国に財政措置を求め続ける」と答えました。
 物価高騰で厳しい暮らしに追い打ちをかけることは許されません。自公政権の転換とともに、引き上げストップの声と住民運動を広げることが重要です。

 

運動公園2つ分の農地が減少
農地保全のための緊急対策を!

 農地は農業生産の基盤であるだけではなく、環境、景観、防災など、多岐にわたる機能があって、近年その重要性はますます高まっています。
 昨年11月に公表された「船橋市農業振興計画(以下、「農業振興計画」)」の中間年度振り返りでは、2014年に726ヘクタールだった優良農地(営農に適した農地のこと)が、2022年692ヘクタールとなり、34ヘクタールも減少していました。夏見の運動公園(19ヘクタール)2つ分程度の農地が失われてしまったことになります。
 農業振興計画では、農地の減少を毎年3ヘクタールに抑える目標で、達成していれば702ヘクタールでした。目標を上回るペースで減少する農地の保全について、市の対策を質しました。

営農ができない理由は何か

 船橋市は、農地の減少理由を「個人の資産形成や相続のために売却せざるを得ない状況になっている」と述べ、その対策は「農家が営農をしていくために必要な農業所得の安定、かかった経費に見合う適正価格での取引が必要かと思うので、どういう支援になるか研究検討する」としか答えませんでした。これでは、急激な農地の減少に対応できません。
 農家の営農が困難になっている最も大きな原因は、国の農業政策です。半世紀以上もの間、農産物の自由化をすすめる一方で、農産物の価格政策を放棄し、農家の販売収入が生産コストを大幅に下回る事態の常態化を放置してきました。経営支援政策も極めて貧弱で、農業経営の安定は自己責任とされてきました。
 さらに今国会には食料自給率の向上を目標からはずす「食料農業農村基本法」の改定が提案されました。輸入の強化と食料確保が困難な場合は、政府が芋などの作付けを強制できるというひどい内容です。
 農地と農業を守ることは、これまで以上に市の重要な役割です。生産への支援や価格保証、公設の直売所の設置を求めました。市長は、「公設の直売所は1つのアイデア。農家の若手のやる気がなくならない環境づくりと、単なる産業ではなくて町の魅力にする」と答弁しました。
 農家が営農を続けるために、農産物の販路を増やして安定的な収入を確保することと、生産コストの負担軽減策の実施は、農家の切実な要望です。「農業振興計画」の最終報告までにどのぐらい農地が保全されてるのか、船橋市の本気が問われています。

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船橋市中央公民館