ミニにゅうす 967号 2019年12月2日

公共施設の値上げ 5億8千万円の負担増
ホールや運動施設などは2倍に

 市長は12月議会に、32の公共施設の使用料見直し条例を提案しました。多くは値上げで、特にホールや運動施設などは2倍になります。3年間の激変緩和終了後、市民の負担増は総額約5億8千万円にものぼります。運動公園と法典公園の駐車場有料化、両公園への指定管理者制度導入(民営化)も提案されました。
「背後からバケツで水を浴びせられたような気持ち。」 三千人の会員を組織し、長年文化ホールで演劇鑑賞会を運営してきたサークル関係者は、値上げの衝撃をそう語りました。別の関係者は「良質な文化を地域に広げてきたことは誇り。役所は市民の活動を応援すべき」と憤ります。
また「バレーボールは生きがい」という女性は、運動公園の体育館を練習に利用しています。「値上げの上駐車場も有料となれば、チームをやめる人も出るかも。市はスポーツ健康都市宣言をしながら何をしているのか。」一般料金と同額にされ、2〜4倍も値上げになる大学生についても可哀想だと言います。
なぜ値上げなのか。市長は「施設を利用する人としない人の負担を考慮し、受益者負担の適正化を図る」と言いますが、どれも市民が健康で文化的な生活を送ったり、教育を受ける権利を実現する施設です。受益者負担主義という考え方自体が憲法に反します。日本共産党は本会議で「文化に触れることは個人の利益か」「利用者の声をどう受けとめるか。値上げは許されない」と質しました。
生涯学習部長は「1人の個人が文化に触れれば周りに影響する。社会教育は人々の繋がりをつくり、まちづくりにも繋がる」と認めましたが、山崎副市長は「(施設を)持続させるため」、市長は「市民団体の状況が非常に厳しいのは理解できるが、どこかで判断しなければ」と値上げに固執しました。

 本会議では他会派からも批判が出され、自由市政会の議員は法典公園の駐車場有料化の再考を求めました。真政会の議員は大学生料金の維持を求め、みらい@船橋の議員は「周知不足。市民の声に耳を傾けてほしい」、無所属の議員は「税に対する市の考え方がおかしい」と主張。市民民主連合の議員は、「値上げによる利用率の低下を想定していないのは問題がある」と指摘しました。
値上げや民営化の背景に、安倍政権の「自治体戦略2040構想」があります。公務員を半減し、公共サービスの産業化を進める同構想に、主権者である市民の視点はありません。憲法が生きる政治実現へ、草の根から声をあげていきましょう。

被災者支援の抜本的強化と、災害に強いまちづくりを

 今夏の台風と豪雨は甚大な被害をもたらしました。近年、毎年のように深刻な災害が続く中、全壊でも最大300万円しか支給されない被災者生活再建支援制度や、プライバシー確保も衛生も飲食物も不十分な避難所の改善は喫緊の課題です。国が大規模開発事業には巨額の財政を投入する一方、インフラや公共施設の防災・老朽化対策の予算を抑えていることも問題です。
意見書では国に対し、▽被災者生活再建支援金の上限を500万円に引き上げ、半壊・一部損壊も対象とすること、▽生業再建への支援強化、▽既存ローンの負担軽減、▽避難所の国際基準であるスフィア基準を満たすこと、
▽必要な防災施設の整備と安全点検の徹底、▽観測体制の整備や地域・自治体の防災力強化を求めました。5日の総務委員会で質疑と採決が行われます。

地球温暖化対策の強化を

 温暖化による気候危機で異常気象が世界中を襲っています。温暖化対策の実行を求める「グローバル気候マーチ」に全世界700万人が参加するなど、温暖化対策は国際世論です。国連の気候行動サミットでの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの訴えも反響を呼びました。
サミットでは77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にすると表明し、来年から始動するパリ協定達成への決意が語られました。
しかし日本は2050年までに温室効果ガス80%削減という目標を変えず、2030年目標の2013年比23%削減は、主要国で最低レベルです。脱石炭の流れに逆らい、石炭火力発電の新増設をも進めています。
意見書では国に対し、温室効果ガスの排出削減の目標を2050年までに「実質ゼロ」へと見直すこと、温暖化防止への真剣なとりくみを求めました。9日の市民環境経済委員会で質疑と採決が行われます。

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船橋市中央公民館