あの街この町 No.234 2022年1・2月号

第4回 定例議会
国民の声で政治をかえる年に

 11月16日から36日間の日程で、令和3年(2021年)第4回船橋市議会定例会が開かれました。
 市長提案議案の主なものは、船橋市中央図書館など6つの公共施設を指定管理制度で運営する議案のほか、新型コロナワクチン接種のための相談コールセンター業務の委託料などの補正予算です。また、令和4年度(2022年度)を始期とする10年間の市の基本的な計画となる「第3次船橋市総合計画基本構想」が提案されました。この基本構想には現在強行されている「行財政改革推進プラン」の根拠である「持続可能な行財政運営」の記載がほぼ、そのままの形で明記をされており日本共産党は反対しましたが、多数で可決されました。

子育て世帯臨時特別給付金
10万円の一括現金支給はじまる

 18歳以下の子ども一人当たり10万円相当を給付する子育て世帯臨時特別給付金。当初の政府の計画は、まず現金で5万円を支給した後、残りの5万円はクーポンでの支給を基本としていました。しかし「クーポンでは使いづらい、現金で一括支給してほしい」という世論の高まりに押され、政府は12月半ばになり一括現金給付を認める方針転換しました。国民の声が政治を動かした成果です。
 船橋市もまず現金5万円支給の通知を発送していましたが、年内に一括給付するための補正予算が12月議会最終日に市長から緊急の追加提案があり、全会一致で可決成立しました。
 しかし、この子育て世帯臨時特別給付金は「子どもたちを支援し未来を拓く」ことが目的でありながら所得制限が設けられ、船橋市では2万人の子どもが対象外となり給付が受けられません。「不公平だ」という苦情が日本共産党にも多く寄せられています。自治体によっては、独自に対象外となった世帯への給付を行っており、船橋市にも実施を求めましたが「独自で給付するには20億円必要で実施は難しい」と冷たい市政です。
 引き続き、困っている方への充分な支援を求めます。

コロナワクチン3回目接種
市民が混乱しない手法を求めました

 12月議会に3回目のコロナワクチン接種について提案がありました。オミクロン株の感染拡大により1月20日に、初回接種完了から7ヶ月以上経過後に3回目の接種を実施することになりました。高齢者から順に、1月28日(金)から予約を開始し、個別接種は2月5日(土)から、集団接種は2月6日(日)から開始されます。予約は、接種券が届いたら自分で予約をとるというものです。
 本市のコロナワクチン接種は当初、かかりつけ医で接種するよう、自分で予約をする手法でスタートしましたが、「電話が繋がらない」「予約が取れない」など、市民が大混乱に陥りました。「また同じ方法で市民を混乱させるのか」と議会で質し、同じ過ちを繰り返さないため日本共産党は、送付する接種券にあらかじめ「日時と接種会場」を印刷し、都合の悪い方のみ調整をする手法を提案しました。
 しかし、保健所は「医師会と連携を取りながら、市民にご迷惑のかからないよう進める」と1・2回目と同様の手法で3回目接種を実施することに固執しました。
 市民に混乱をきたすことのないよう、体制強化や医療機関との連携など、今後も要望を続けます。

海老川上流の開発事業より海老川水系の治水対策を

 海老川流域は1990年代まで台風や豪雨で数百世帯が床上浸水を繰り返す甚大な洪水被害の歴史があります。支流の飯山満川周辺では、近年まで浸水被害が起きています。
 海老川は千葉県の管理で、現在、30年間の整備計画がつくられ、その中心は海老川調節池の整備です。海老川は排水能力30㎜/時間しかなく、海老川調節池が整備されてようやく50㎜/時間となります。
 しかし、この調節池整備は、「工事予定地の地下の水位が高く難工事で、予算も大規模になる」といわれ、計画期間は30年を超えることも考えられます。その間は、海老川の下流の排水能力は30㎜/時間しかなく、水害被害が繰り返されるのは避けられません。
 すでに、近年の大雨で河川に入らない雨水(内水氾濫)によって海老川流域では道路冠水が繰り返され、3・4・25号線の八栄橋付近や、市場通りのJRの高架下のアンダーパスなど、船橋市の中心部の道路が通行止めになっています。大雨の頻度が増えており、海老川調節池ができるまで本町や宮本など船橋駅周辺の道路機能がマヒする恐れがあります。
 この海老川の上流で進む海老川上流地区区画整理事業は事業地を土砂でかさ上げし、雨水も貯留して水害に備えるとしています。
 しかし、同事業地だけが浸水を免れても、海老川流域の水害の解消にはなりません。
 莫大な費用をかけて区画整理事業を支援する前に、浸水から街を守る対策こそすべきです。

児童相談所
建設に当たっては、児童への配慮と地元への十分な説明を

 船橋市は、2026年4月に児童相談所の開設を目指しています。今議会には、予定地であるJR南船橋駅南口市有地内の整備面積を確定し、設計業務に着手するため調査を実施する委託費の提案がありました。
 児童相談所建設予定地の周辺には若松団地や保育園、児童ホームなどがあります。この間、地域住民に対する説明は3回しか行われていません。そのうちの1回は書面のみが地元自治会などに郵送で届いただけでした。
 児童相談所は、さまざまな事情で保護者と別れ、保護された児童が生活する施設でもあるため、建物や環境の整備には特段の配慮が必要です。また、近隣住民の十分な理解が必要だと議会で質しました。
 市は建物の設計には十分配慮し、今後は地域にも丁寧な説明をしながら事業を進めると答弁しました。
 児童虐待件数が増える中、児童相談所が果たす役割は大きなものです。今後も注視していきます。

投票しやすい環境に投票所への移動支援を

 2021年は選挙が多い年でした。こうした中で市民からは「投票所まで歩いて行くのが大変だ」という声が寄せられました。ある高齢の方は「投票所まで歩いて30分かかる」との事です。郵送による不在者投票は要介護5でないとできないため、要介護4以下の方、高齢者などが不便を感じています。
 茨城県筑西市ではタクシーによる投票所までの移動を全額助成する制度が始まっています。この助成制度は要介護(1~5)の方、75歳以上の方、免許を返納した方など幅広い市民を対象としています。船橋市での導入を求めました。
 また、現役世代の方からは「フェイスビルでの期日前投票所の開設時間を常に午後9時までにして欲しい」という要望が寄せられました。総選挙では10月27日~29日の3日間だけ午後9時までの投票が可能でした。議会では「午後9時までの期間を増やせないか」と質しましたが「費用対効果」を理由に検討していないという答弁でした。
 老若男女共に投票しやすい環境づくりが必要です。引き続き改善を求めていきます。

気候変動への緊急の取り組みを

 豪雨や猛暑、山火事など異常気象が続く中、昨年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、地球の平均気温の上昇を産業革命前より1・5度に抑える努力を追求することが初めて合意されました。2030年までに世界の二酸化炭素排出量を45%(2010年比)減らす必要がありますが、船橋市の2030年目標は26%減(2013年度比)と極めて少なく、対策を急ぐ必要があります。
 市によれば2017年度、市内の温室効果ガス排出総量は353万トンで、このうち4割は産業部門です。特に多い60の事業所で全体の15%を占めます。柏市や京都市は大所の事業所名や実績、計画を公表しており、船橋でも実施をと、本会議で求めました。
 市は「事業者の負担になると聞く。まずは大所の事業者から取り組み状況を聞き、情報共有を図る」と消極的な姿勢を見せました。大企業に肩入れせず、市民を信頼して情報を公開すべきです。
 本会議ではこの他、▽住宅用太陽光発電システム・省エネ設備費の補助金の予算枠拡大▽再生可能エネルギーの利用や税制、補助金、脱炭素に有効な製品サービスの選択など、市民に助言できるような支援窓口の設置▽気候変動対策課の設置▽気候非常事態宣言の発出などを求めました。市は宣言について「ゼロカーボン宣言をしており、改めてする必要はない」と答えましたが、特に若い世代や途上国が抱く危機感の共有が求められます。引き続き取り上げていきます。

なぜスクールサポートスタッフは必要なのか

 教員未配置が市内の学校で増えています。多くは産休、育児休暇などへの代替教員がいないためです。今年度(11月19日現在)の市内小中学校、特別支援学校の教員未配置数は45人にもなっています。市教委として教員確保に努めるべきです。教員未配置対策と、いつ解消されるのか議会で質しました。
 市は「ハローワーク等で募集する」と答弁する一方「講師不足は年々悪化している。千葉県では約10年前の教員採用試験志願者は6千600人だったが、今年度では4千300人となっている」「いつ解消できるか見通しは立っていない」と答弁しました。
 教員志願者が減っている背景には教員の多忙化があります。せめて、教員免許が無くてもできるスクールサポートスタッフ(本来は県の費用ですが、県が今年度は予算を減らしている)を船橋市が独自で雇うべきではないかと質しました。
 市は「1名あたり年間180万円必要になる」とお金を理由に拒みました。しかし、このままでは負のスパイラルが続きます。引き続き教育環境の充実を求めていきます。

やめないで!「有価物・資源ごみ回収事業費」

「有価物・資源ごみ回収費」は、有価物回収事業・資源ごみ回収事業を行う団体に対し、協力金を交付する事業です。船橋市は、この事業を「見直す」ので、協力金の交付先である自治会・PTAなどに「意見を聞いている」と議会では答弁。ところが、実際には「廃止します」と知らせていたことが分かりました。市の「意見を聞く」という言葉は、実は「伝えただけ」だという実態が明らかになりました。市民からの信頼回復のためにも、「伝えただけ」という対応こそ、見直すべきです。

第4回定例市議会 意見書(発議案)と主な陳情への態度


共産=日本共産党(5人)、民主=市民民主連合(10人)、公明=公明党(9人)、自由=自由市政会(7人)、飛翔=飛翔(6人)、創風=創風ふなばし(6人)、新楓=新楓(4人)、無所属:(3人)、は・小・今=議員の頭文字
【 ○=賛成、×=反対 】