ミニにゅうす 1052号 2023年3月27日
跳ね上がる医療センターの移転建て替え費用
総事業費は710億円にも
3月議会で、船橋市の将来を左右する問題が明らかになりました。
海老川上流地区土地区画整理事業地(メディカルタウン)に移転する医療センターの工事費が倍増し、総事業費も大幅増になるという報告が3月9日の健康福祉常任委員会で行われました。
基本設計を行ったところ、新病院の工事費が560億円となり、予定していた290億円から1・9倍になったというものです。移転先の土地購入費を含めた総事業費は、437億円から709・5億円になります。
1床当たりの建設単価は1億1200万円
新病院の病床数は500床で、1床当たりの建設単価は1億1200万円にもなります。
これから着工される千葉市の新病院建設事業では、病床数333床で工事費は238億円、1床当たり7147万円、福祉医療機構のまとめでは2021年の全国の一般病床が1床当たり2400万円ですから、かなり高い金額です。
増額や高額の理由は物価高騰や、全室個室化などの設計変更によるものと、移転先の土地は水害の想定区域で地盤も悪いため、盛り土や液状化対策工事だけで40億円かかることも大きな要因です。
2倍の面積、土地形状が悪く、建て替え用地は確保できない
元々将来の建て替え用の土地を確保するために必要面積(2㌶)の2倍の面積(4㌶)の土地を購入することになっていました。しかし、区画整理事業で確保された土地は形状が悪く、購入する土地は4・47㌶でも、将来の建て替え用地の確保は困難なことも明らかになりました。
30年以上は続く重い財政負担
事業費は、返済期間30年の借金で支払い、借入金は市の財政と病院の収益から返済していきます。市の試算では、市の財政だけで年間約30億円~35億円を2029年から2055年まで払い続けなければなりません。
市は積立金を取り崩せば払えるというのですが、その分、多様な市民要望に応えられなくなってしまうでしょう。
医療センターにとっても経営が厳しくなれば、有料個室を作るとか、病院職員を減らすなど、患者負担や医療の質にもかかわってきます。また、収支が赤字になれば、「赤字分は市からの繰り入れになる」とさらに市の財政負担が大きくなることも明らかになりました。
日本共産党は市議会で、医療センターの海老川上流地区への移転はやめ、安全な場所で建て替えるよう求めました。また、市と医療センターは、議会に公表した翌週には560億円の計画を具体的に進める実施設計委託契約を締結していますが、議会で審議もせず市民へも説明していません。
病院の建て替えは必要ですが、将来への影響は重大です。立ち止まって考えるべきです。
動物愛護 殺処分ゼロに向けて
日本共産党は動物の殺処分を減らし、人と動物が共生する社会を目指します。殺処分を減らすためには、なによりも飼い主の責任として、ペットが死ぬまで飼い続けることが基本です。同時に、引き取り手の見つからないまま猫・犬が殺処分されることがないよう、里親を探すなど譲渡する数を増やすことも依然として重要です。
船橋市では飼い主のいない猫(野良猫)の繁殖抑制のため、不妊手術を町会・自治会長などが申請すれば実施する事業があります。しかし、飼い主のいない猫で不妊手術を受けていない猫が繁殖するケースがあります。飼っていた猫が繁殖し、飼いきれずに捨ててしまうケースがあるようです。また、飼い猫が無秩序に繁殖した結果、適正に飼育できる数を超え、経済的に破綻し、十分な世話がされず、不衛生な環境で飼育されるケース(多頭飼育崩壊)もあります。
計画的な不妊去勢手術は飼い主の責任です。船橋市には以前、飼い猫への不妊去勢手術への助成制度がありましたが、現在は廃止されています。議会では「飼い猫への不妊去勢手術に助成をするべきではないか」と質問しました。
市は、「繁殖制限は飼い主の義務」などを理由に助成を拒みました。しかし、飼い猫への手術に助成をしている自治体は多数あります。殺処分ゼロに向けて声を上げていきます。