あの街この町 No.225 2019年11月号
船橋市議会
市民が安心できる市政への転換を!
学校トイレ改修・男女参画センター移転・市臨時・非常勤の待遇
2019年の3回目の定例市議会が8月29日~10月4日に開会されました(令和元年第2回定例会)。
市長から補正予算などの議案とともに、平成30年度決算について提出され、審議が行われました。補正予算は小中学校トイレの改修費や、耐震性の不足で使用できなくなった男女共同参画センターをフェイスビルの市民サポートセンター内に移転する費用などで、日本共産党は賛成しました。
現在、船橋市には約4000人の正規職員の他に、約3800人の臨時・非常勤等の非正規職員が働いています。今議会では非正規職員を「会計年度任用職員」に変え、夏季、冬季一時金などを支給する条例の提案がありました。正規職員を減らし、身分が不安定で給与も低い非正規職員に置き換えてきた問題があるのですが、今働いている非正規労働者の待遇改善につながることなので日本共産党は賛成しました。
その他日本共産党は2本の発議案を提案しましたが、どちらも賛成少数で否決されました。
「ゴミ収集2回」「国保・介護」値上げ等、一般会計決算に反対
平成30年度は、ゴミ収集週2回の強行や、国保・介護・後期高齢者医療保険料の値上げが行われました。
また学校改修費・歩道整備費・公民館整備費が大幅な減額で必要な工事が行われませんでした。
放課後ルーム支援員、保育士、障害児童生徒のための支援員、小中学校教員が慢性的に大量に不足した状態が改善されないまま続いています。
その一方で、民間開発の海老川上流地区開発に正規職員を配置し市費もつぎ込み、南部清掃工場(262億円)は焼却するゴミ量よりも4割も過剰な焼却炉の建設を進め、莫大な浪費が行われています。
さらに、設計施工運転丸ごと企業まかせの北部清掃工場では、市が委託料の支出のチェックも行えず、企業言いなりの状態です。
市長は見せかけの財政赤字で危機感をあおり、市民サービス削減と、市民負担増の行財政改革を進めていますが、船橋市は全国上位の財政力指数の力をもっています。
浪費をやめ、お金の使い方を改めれば、市民が豊かで安心して暮らせる市政に変えていけます。
日本共産党は以上の理由から一般会計決算の認定に反対しました。
危険なオスプレイが市内を飛び交う!?
防衛省は、陸上自衛隊のオスプレイ17機を来年3月に木更津駐屯地へ暫定配備することを発表しています。木更津市では、住民説明会が開かれ、その資料には、オスプレイの訓練について「CH―47などの航空機と同様」だと明記されています。さらに、「オスプレイが配備されれば、第一空挺団(習志野駐屯地所属)が搭乗することは想定している」と明言しました。
第一空挺団がオスプレイに搭乗するという事は日常的に市内上空を飛び交う可能性が十分あります。この事について市は防衛省に確認したのか質しました。
「第一空挺団の輸送は当然に想定されるとのことでした」という答弁があり、本市でも独自に住民説明会を行うべきではないかと求めました。市は「国が責任をもって訓練内容等について説明があるものと考えている」という消極的な答弁でした。
事故や墜落を繰り返している危険な軍用機オスプレイ。習志野演習場や市内をオスプレイが日常的に飛び交うことになれば騒音など被害を受けるのは市民です。訓練内容によっては市民の安全も脅かされかねません。
木更津市への暫定配備は現時点(9月末)では決定ではありません。計画の住民説明を求めるとともにオスプレイ来るなの声をあげましょう。市民の暮らしと安全を守れないオスプレイの配備は中止すべきです。
市民いじめの大計画 行革で公共施設は最大2倍も値上げか
9月、市は来年度から値上げを検討中の施設名を公表しました(左表参照)。
最大2倍の値上げが検討されています。公民館や体育施設などの社会教育施設が大半で、値上げは市民の教育権を侵害します。
また来年度から運動公園と法典公園の駐車場を有料化すると言いますが、パブリックコメント時に発表した行革レビューには載せていませんでした。条例案は11月中にも提案される見込みです。
市民の声を聞かずに値上げの検討は許されません。
買い物不便地域に移動販売スタート
市内には買い物不便地域と指定された26の地域があります。このうち北東部の買い物不便地域で10月21日(月)から、イオン高根木戸店を拠点に、移動販売車巡回事業がスタートします。
日本共産党は、9月定例議会でこの問題を取り上げ、「商店がない、高齢者が多い、交通手段がないなどの、最も不便な地域から巡回するべきだ」と主張しました。
市からは「駐車スペースさえ確保できれば、販売車をまわしたい」との答弁がありました。その後販売車が停められる場所についての、地域の方々からの情報で移動販売がスタートできるようになった地域もあります。
また、生鮮食品や日用雑貨だけでなく店舗と同じ商品も購入できる移動販売車ですが、一品につき10円、最高50円までの手数料がかかります。
日本共産党は「買物不便地域への支援事業なのだから手数料は取るべきでない」と求めました。
学校トイレの改修すすむ!
今議会には、長年の要望だった学校トイレの改修を国の3か年限定の緊急補助金制度(国土強靭化関連事業)を使い3か年で完了させる予算が提案されました。 (左表参照)
ただし、工事の効率化のため児童生徒数に合わせトイレの器具数を大幅に削減しています。トイレの数が一気に減り子どもたちが困ることにならないよう、学校の意見をよく聞いて整備を進めることを求めました。
教員の多忙化解消へ タイムカードの導入実施に
市内の小中学校の先生たちは働いた時間を自己申告によって管理されています。この自己申告制は長時間働いたにも関わらず過少申告が行われるなど、働き方の実態を見えなくするものです。
本会議では2018年6月と2019年6月で過労死ラインと言われる80時間を超えて働いた教員数、さらに、100時間を超えて働いた教員がそれぞれ小中学校合計で何人いたのかを質しました。
答弁は「18年は80時間以上が259名、うち100時間超が52名。19年度は80時間以上が546名、うち100時間以上が293名。今年度が増加した理由は土日の部活動指導時間を含めるように変更した」との事で、過少申告が明らかになりました。
教員の多忙化解消のためにもタイムカードを導入し、働いた時間を客観的に記録する必要があると求めました。市は「ICカードによる出退勤管理システムという形で今年度中の実施を目指している」と答弁しました。
住民の生活、福祉を支える まちづくりへ転換を
安倍政権は、「まちづくり」を「成長戦略」と位置付け、「世界と戦える国際都市の形成」(「日本再興戦略」)などを加速させ、地方自治体に「稼げるまちづくり」を押付けています。民間企業が提案するコンパクトシティー(「立地適正化計画」)と、集客施設や住宅を中心市街地に誘導集約する(「地域公共交通網形成計画」)、人口減を口実に学校や福祉施設の集約・統廃合などをすすめる(「公共施設等総合管理計画」)などです。
船橋市の「立地適正化計画」では、海老川上流地区と南船橋の都市機能誘導区域のほとんどが「河川・高潮浸水被害区域」に指定され、本市のハザードマップとも整合性がありません。
まちづくりは、地域住民が安全で安心して暮らし、住み続けることができるための生活基盤をつくることです。営利企業のための「稼げるまちづくり」ではありません。
交通不便地域の解消と、公共施設の老朽化対策、災害から市民を守れる「まちづくり」へ転換すべきです。