ミニにゅうす 1065号 2023年10月10日

「不要不急な基金」より物価高騰への緊急支援を!

 令和5年(2023年)第3回船橋市議会定例会では、市長から、建て替え予定の医療センターのために、「医療センター整備基金積立金」の設置が提案されました。
 医療センターの建て替え費用がかなり高額になる見込みに加えて、材料費の高騰や債務の償還が大変になるからと、説明がありました。

基金を取り崩して基金を積む

 「医療センター整備基金」の総額は、54億円。その財源は、すべて、財源調整基金を取り崩して積み替えるものです。そもそも、財源調整基金には、市の財政運営を調整する役割があります。医療センターに多額の予算がかかるなら、財源調整基金から支出することが可能で、新たな基金を設置する必要はありません。
 また、医療センターは海老川上流地区のメディカルタウンに移転する計画ですが、建て替え予定地が軟弱地盤のために、液状化対策だけで35億円の地盤改良工事が予定されています。多額の基金を積むのではなく、多額の費用がかかる計画の方を見直すべきです。

豊かな財源は市民のために

 令和5年(2023年)度当初予算では、地方交付税を49億円と見込んでいましたが、交付決定された金額は72億円となり23億円の増収で、新たな財源が確保されました。
 今議会で市は、財政状況の危機は脱したと表明しました。実際には、脱したどころか、昨年度決算では剰余金を財源調整基金に61億円も積み立て、基金残高は306億円にもなります。今回、積み立てられる54億円など、多額の予算を当分の間は使う予定さえない状況です。
 市民にとって、今、必要なことは、緊急の物価高騰対策です。例えば、前回と同様の非課税世帯への3万円の給付金なら24億円、学校給食の完全無償化の実施は試算では26億円で実施が可能です。
 市の税金の使い方を切り替えるために、引き続き、力を尽くします。

 

市民のニーズに応える児童ホームの設置を

 二和東国家公務員宿舎跡地は、「都市公園や児童ホームなどを含む複合施設の建設、駅前ロータリー整備のため」と市長が公約に掲げ、2017年に船橋市が取得しました。
 ところが、今年7月23日に地元で開催された「二和東5丁目市有地活用事業」についての住民説明会では、土地利用の新たな方針案が示され、「児童ホーム・老人憩いの家」などを含む「複合施設の建設」がなくなっていました。
 また、「児童ホームを含めた子どもの施設について、より良い配置になるよう検討していく」と、児童ホームなど既存の施設の統廃合もあり得るとの発言もありました。

必要性が高まる子どもの施設

 三咲小学校周辺は宅地開発が進み、「現在小学生が増えていること」「児童ホームは0歳から18歳までと幅広い利用者がいること」「今後ワンオペ育児支援や不登校児の居場所としても必要な場所であること」などから児童ホームを含む複合施設の建設を議会で求めました。
 しかし、市は「船橋市では今後子どもの数が減少傾向であり、児童ホームの利用数も年々減っているため、これまで通りの新たな児童ホームは建設しない」「児童ホームの役割や位置づけを整理する必要がある」と繰り返すばかりです。
 船橋市では24地区全てに児童ホームを設置するとしながら、1967年に船橋市で最初に前原児童ホームが設置されてから56年間、二和・大穴・本町地区には児童ホームが設置されてきませんでした。このままなし崩し的に児童ホームを設置しないでは市民は納得しません。児童ホーム未設置の3地区にも、時代にあった、市民ニーズに応える事業をするべきです。
 今後も引き続き、市民要求実現に向け、みなさんと力を合わせて参ります。

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船橋市中央公民館