ミニにゅうす 1099号 2025年5月26日

保育園 待機児童数
昨年の倍近く 市の姿勢が問われる

 今年度4月1日時点で船橋市の保育園待機児童数は、市基準(※)で666人(国基準34人)にものぼることがわかりました。昨年同時期の待機児童数373人(市基準)の2倍近くになっています。日本共産党は5月14日、市基準と国基準の待機児童数があまりにも違うこと、昨年度からなぜこのように増えてしまったのかを、健康福祉委員会で質しました。
 国基準数は、市基準数から一定の要件に該当する申請者を除いた数ですが、除く項目の中には、自治体ごとに基準を決めて良いものがあります。例えば、国基準では自宅から通える保育園の範囲として20~30分圏内としているところを、船橋市では自宅から半径2kmの範囲としています。入所不承諾になった中で、保育園がこの範囲内にはあるが、その園が職場と反対方向であること、兄弟姉妹が違う園になってしまうなどの理由で入園を希望しなければ、国基準では待機児童ではなくなります。自治体ごとに基準を変更できたり、実態に全く則していない国基準数に意味があるのでしょうか。

早急な保育園整備を

 さらに、市基準の待機児童数が増えた要因の1つは、利用可能な施設があるにもかかわらず、希望する施設以外には入園しない方が増加しているからだというのです。「入園できる園があるのに、希望しないのは自己責任だ」と言わんばかりです。 その上、船橋市の入所申請者数は、昨年より340人増加し4259人になり、入所不承諾数が997人から1254人に増えました。共働き世帯が増え、働かざるを得ない社会情勢の中、子どもを安心して預けられる施設が足りていません。
 今後市内では、高層マンションの建設が続きます。早急に受け皿となる保育園の整備が必要です。また同時に、不足する保育士確保が船橋市の大きな課題です。保育士確保のため市のさらなる処遇改善を求め、引き続き力を尽くします。
※市基準とは、入所不承諾数から他施設を利用できている人などを除いた数です。

ふくれあがる事業費、1000億円超
医療センター移転建て替え事業

 「メディカルタウン」への市立医療センター移転建て替え事業の経費が上がり続けています。2017年3月の基本構想の時点では255億円であった工事費が、建設場所の変更(メディカルタウン区域内)や設計変更、建設費の高騰などにより現在713・2億円にふくれあがっています。用地費や移転費用、利息を含めた総額は1030億円に上ります。物価高騰を考慮しても高額です。
 建設予定地が洪水や液状化の危険地域であるため地盤改良費が27・6億円にものぼること(2024年3月時点)や、全室個室という設計となっていることも理由と考えられます。


 民間事業者による海老川上流地区開発を「メディカルタウン」と名付け、補助金の支出、新駅の建設費を市が負担、市の負担で医療センターを移転するというのが「メディカルタウン構想」です。これらの費用を船橋市は借金で負担し、30年かけて返済していくというのですが、教育や福祉、公園や道路、まちづくりなど、他の事業へのしわ寄せは避けられません。市民を後回しにして、特定の開発を優先する市のお金の使い方は間違っているのではないでしょうか。
 日本共産党市議団は医療センターの手術室の拡充など、必要な機能の整備は、現施設を活かし増改築することですすめ、医療センターの機能充実と、市の財政の健全運営を両立すべきだと考えます。