ミニにゅうす 997号 2020年12月07日

船橋市立医療センターは安全な場所へ建設を!

浸水想定区域に病院を移設

 「海老川上流地区のまちづくり(区画整理事業)」は、市立医療センターの移設が中心になっています。
 しかし、この地域は、浸水想定区域として、台風や豪雨の際には最大で3メートル近い浸水が想定される地域です。災害時にこそ必要な拠点病院を、災害が予測される地域に建設するという無謀な計画です。
 しかも、医療センターの建て替えを検討してきた「医療センターあり方検討委員会」も、医療センター用地を選定した市長部局も、浸水想定区域であるという前提での議論が行われていなかったということが明らかになりました。
 財政的にも地理的にも無謀な計画。将来に大きな禍根を残すことになります。

機能が発揮できる新病院建設を

 医療センターの移転に伴い、ドクターカーが出動する救急ステーションも移転先の敷地内に移ります。医療センターは東葛南部地域医療圏の三次救命救急センターとして機能しており、ドクターカーを24時間365日運用しています。海老川上流域開発地域は、新たに出されたハザードマップ上ではほぼ全域が浸水や液状化が起こることが想定される区域です。病院の移転予定地も同様で0・5~3メートルの浸水が予測されています。このような場所に地域医療の拠点となる医療センターを移し、災害時に役割を果たすことができるのか。病院建設地の地盤対策をとったとしても、病院の周辺が浸水すれば、ドクターカーが出動することも患者さんを搬送することもできません。病院責任者(副病院局長)は、「病院の建て替え用地は、市長部局が決めること。病院はそれに従い計画を立てる」と無責任な答弁を繰り返すばかりです。
 医療センターの建て替えは、区画整理事業とは切り離し、市独自の事業として安全な場所での建て替えを実施するべきです。

 

行革プランでは足りない財源?
海老川まちづくり」のために、あらゆる見直しに着手

 船橋市がすすめる「行財政改革推進プラン(以下、行革プラン)」によって、市民には負担増とサービスの削減が押付けられています。
 ところが、今議会で、「海老川上流地区まちづくり」のための市負担金56億円と、50億円にもなる東葉高速線の新駅建設に着手し、その財源を確保するために、「あらゆる事業を見直す」と副市長が答弁しました。

ゼネンコンの要望で、公共事業の大盤振る舞い

 「海老川上流地区まちづくり」では、総事業費に、54億円の諸経費が含まれていなかったことが判明し、計画の見直しが行われました。新たな事業計画は、株式会社フジタが策定し、総事業費は158億から192億円に、このうち、市の負担分は56億円へ増額されました。 
 さらに、この計画実現のためと、令和8年に新駅開業という条件までつけてきました。市には10月12日に提示されています。
 提示後、新駅は全額市の負担で設置することを決定。新駅の設置は「行革プラン」によって凍結されていましたが、10月29日には解除されています。この間、行革プランのために設置された有識者などの意見を聞く「推進会議」も、庁内で検討を行う「本部会議」も、開催されていません。
 市の負担と駅設置の合計で、106億円にも上る事業を強引に決定したことは市長が、「市長として判断させて頂いた。」と表明しています。これは、大型開発のために「行革プラン」を更にすすめると表明するようなものです。

市老人デイサービス
手上げがなければ、即廃止!?

 今議会で市長から提案のあった35議案のうち、12議案が指定管理者制度に関わる議案でした。(指定管理者制度とは、市の施設の運営や管理を指名した民間業者に任せること)
 現在、市の指定管理を受け、市内5カ所でデイサービスセンターが運営されています。その内、西老人デイサービスセンター(藤原3丁目)と三山デイサービスセンター(三山2丁目)の2箇所を廃止するという提案がありました。廃止の理由は、「指定管理を受ける民間事業者の手上げがなかったから。」と言うから驚きです。両デイサービスセンターには現在も利用者さんがいます。「利用者さんは周りのデイサービスセンターに移ってもらう」と市は言いますが、これでは市民の福祉の増進どころか後退です。「民間業者の手上げがなければ市が責任を持って2箇所の運営にあたるべきだ」と質したところ、「市立のデイサービスの役目は終わった。民間で十分対応できると判断した」との答弁でした。指定管理者制度の導入で、『コスト削減を優先』し、『市民の暮らしは第一ではない』という市の姿勢がはっきりしました。

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