ミニにゅうす 998号 2020年12月14日

指定管理者制度 ノウハウの蓄積が業者と共に去ってしまう!?

 行財政改革のひとつとして、船橋市は新たに「市営住宅」「船橋市立一宮少年自然の家」の運営を指定管理者(民間委託)に任せる議案が出てきました。民間に任せれば運営コストが安くなるというのが理由の一つです。日本共産党は指定管理者による非正規労働や低賃金の拡大、地方自治体がこれまで培ってきた実績による経験や知識(ノウハウ)を手放してしまうことなどから指定管理者制度には反対です。本議会では特に市が培ってきた蓄積が無くなってしまう問題についてとりあげました。
 時代の変化と共に新たな問題やニーズなどが生まれてくる中で、利用者の声を受け止め、そこから改善策を見出し、引き継いでいくことが重要です。市営住宅や一宮自然の家では利用者から相談や苦情があった時、万が一事故が起きてしまった時にどう対応するのか、どのように改善し今後に活かしていくのか。それらの積み上げがノウハウになっていくと考えます。

市への報告は業者次第

 ところが、市が示した指定管理の募集要項には「相談や苦情について」も「事故への対応について」も、「必要に応じ本市に報告」となっています。指定管理者の裁量で苦情や事故があっても市には報告がされない可能性があります。議会では市営住宅について「業者は市に報告義務があるのか、ないのか、端的に答えていただきたい」と質問しましたが「事例報告会を開く」という答弁にとどまりました。市にはきちんとそれが報告されたり、引き継がれたりする保証がありません。
 指定管理者は数年毎に公募が行われ、毎回請け負う業者が入れ替わる可能性があります。業者が変わればノウハウの蓄積は業者と共に失われてしまいます。船橋市がノウハウを失ってしまう事によるシワ寄せは結局市民が受けることになるのではないでしょうか。こうした指定管理者制度はやめ、直営にすべきだと今後も主張していきます。

 

コロナ禍の今こそ 女性の人権向上へ
男女共同参画条例の創設を

 
国の男女共同参画局の発表によると、全国市区町村の女性管理職(課長級以上)の割合は17・8%ですが、船橋市はなんと半分以下です(表参照)。一時的に広がった男女混合名簿を採用する学校も激減し、全83校中、市立船橋高校と特別支援学校のみが採用しています。
 市の男女共同参画の位置づけ自体も弱まっています。かつては企画部に男女共同参画課が存在しましたが、今は市民生活部の市民協働課の一部門でしかありません。
 日本共産党は本会議でこの問題を取り上げ、「現状をどう捉えているか。特に女性管理職の少なさをどう思うか」と質問しました。総務部長からは「管理職を望まない女性職員も相当数いる」という答弁がありました。これでは、女性管理職が少ないのは女性自身の責任であるかのような答弁です。昇進したくなるような環境を作ってきたかが問われます。
 また男女共同参画条例について「県内7市が制定している。船橋市でも制定を」と質した所、市は「今は考えていないが、県や他市の状況を注視したい」と市は消極的な答弁にとどまりました。

同性パートナーシップ制度の実現を求める陳情
総務委員会で賛成多数に

 市議会総務委員会は4日、船橋市で同性パートナーシップ制度の開始を求める陳情2件を8対1の賛成多数で採択しました。賛成した委員の会派は日本共産党、自由市政会、公明党、市民民主連合、真政会、無所属2名です。反対は自由民主党のみでした。
 当日は陳情提出者2名が参考人として出席し、「当事者への嫌がらせはかなりある。制度実現は未成年の当事者が自死せずに生きていける力になる」「実現すれば性的少数者への理解が広がる」などの思いが語られました。
 賛成した各委員は討論の中で、差別があってはならないことや多様性を認め合う社会の重要性、制度の意義について語りました。日本共産党は「制度の開始は、個人の尊厳や幸福追求権の尊重を謳った憲法の要請だ」と述べました。
 最終的な採決は21日の本会議で行われます。採択されれば実現へ大きな後押しとなります。

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