あの街この町 No.226 2020年2月号

船橋市議会
2倍~4倍もの値上げ
文化ホール、体育館、サッカー場、野球場など…

 12月市議会(11月18日~12月20日)で、「行革」による公共施設使用料や下水道料金の値上げ、運動公園・法典公園の駐車場有料化と指定管理者制度導入(民営化)に関する議案が市長から提出されました。日本共産党はこれらに反対するとともに、災害対策など市民要望に関する一般質問を行い、発議案2本を提出しました。

 行革での使用料見直しは下水道や公民館など32の施設で、ほとんどが値上げです。影響額は5億8千万円にものぼります(下水道4億2千万円、その他1億6千万円)。特にホールや運動施設などの上げ幅は2倍、大学生の区分がなくなったため、大学生は4倍にも(表参照)。消費税増税などで厳しい市民生活に追い討ちをかけ、スポーツや社会教育活動の足を引っ張るものです。
新料金は利用者にも知らされず、今議会まで隠されてきました。なぜかを本会議で問うと、市は「利用者からは高いと、非利用者からはもっと上げろと言われるから」と答えましたが、説明になっていません。
市は値上げの理由に「受益者負担の原則」を持ち出していますが、公共施設は低所得者でも健康で文化的な生活を送ったり、教育を受ける権利などを実現できるよう整備されており、受益という考え方自体が憲法の理念に反します。
「財政力があるのにこんな行革は嫌だ」と市民の怒りが広がり短期間に5千超の署名が市長に提出され、今も広がっています。日本共産党は値上げや駐車場有料化、民営化に反対しましたが、賛成多数で可決されました。今後も国保料・保育料の値上げや福祉サービス等の削減が計画されており、注視が必要です。

12月議会で可決された値上げとなる施設の一部

ハザードマップと矛盾する街づくり

 市は海老川上流地域への土地区画整理事業(メディカルタウン構想)と共に医療センター移転を進める計画です。しかし、同地域はハザードマップでは浸水、液状化の危険性が極めて高い地域です。
市は「対策手法を取ることで街づくりは可能」と説明しますが医療センターは災害拠点病院としての役割を担うことになっています。対策などで医療センターは無事だとしても、その周辺が浸水などでアクセスできなければ意味はありません。この事業を止める事が一番の災害対策ではないかと質しました。
市は「高台からのアクセスルートも検討する」等と答弁し、この事業を止める考えがない事が明らかになりました。行革で市民に負担を求める一方、大型開発を進める事は市民の理解を得られません。

待ったなしの空き家対策 市の体制強化を

 老朽化した空き家が、市内各地で問題になっていますが、市民から「市役所に相談しても少しも変わらない」という苦情の声が上がっています。昨年の台風では、市内各地で老朽化した空き家の屋根や壁が暴風雨で吹き飛ぶ状況まで起きました。
空き家対策が進まない原因が空き家対策を担当する職員の不足にあることを明らかにし、体制の強化を求めました。
また、危険な空き家を除却するための助成事業が全国的に実施され、空き家対策に効果を上げており、船橋市での実施を求めました。
答弁で市長は「職員数の事は把握していなかった。しっかりとりくみたい。除去のことも前向きに検討させていただく」と述べました。

防災ラジオ 船橋市民にも すでに260自治体で導入

 台風の際、「防災無線のアナウンスが全く聞こえなかった」という声が各地で上がりました。船橋市は、現在使用している防災無線システムでは、対応する防災ラジオがないから、戸別の防災ラジオ導入はできないと言います。
しかし全国ではすでに260を超える自治体が、ポケベル波を使った防災ラジオを導入しています。
災害時、高齢者や障がい者などの災害弱者に、いち早く正しい情報が伝わるよう、早急な防災ラジオ導入の検討を要望しました。

学校の相談体制の充実を

 学校現場で「子どもの立場で問題解決」に取り組む体制の強化が、急務となっています。
市内の各中学校には県から、小学校には市から、スクールカウンセラーが配置されています。
市内小学校で配置されているスクールカウンセラーへの相談で、子ども・保護者・教職員のいずれからも相談が多い傾向にあるのは「不登校」についてです。この5年間で、2倍以上増えています。
しかも、全校児童数が200名程度から1000名を超える学校などがありますが、児童数にかかわりなく各校1名の配置であることから、相談業務が困難になっている学校があると危惧されています。
日本共産党は、スクールカウンセラーを常勤にすること、スクールソーシャルワーカーを増員し、保護者からの相談も受けることなどを提案しています。

アンケートへのご協力 ありがとうございました!

 2019年も皆さんにご協力いただいた「市民アンケート」をもとに「2020年度予算要望書」を作成し、12月18日市長へ提出、要望実現の申し入れをしました。アンケート用紙は昨年8月より市内に約14万枚を配布し、10月15日までに1354通の回答をいただきました。
船橋市議団はこれからも皆さんと力を合わせ、要求実現に取り組んでまいります。

12月議会の発議案(意見書)

12月議会では日本共産党から「被災者支援の抜本的強化と、災害に強いまちづくりを求める意見書」「地球温暖化対策の強化を求める意見書」を提出しました。また、無所属議員が提出し、日本共産党が賛成者となった「陸上自衛隊が運用する垂直離着陸機『オスプレイ』が陸上自衛隊習志野駐屯地・演習場へ飛来することについて、地域住民への十分な説明を求める意見書」が審議されました。
日本共産党提出の意見書は賛成少数で否決されましたが、「オスプレイ」に関する意見書は多数で継続審査となり、引き続き審議される事になりました。